事故詳細

(事故No,19600926a)

 1960年9月26日午後9時40分、オーストリア・ウィーン発ポーランド・ワルシャワ経由ソビエト連邦ロシア連邦共和国・モスクワ行きオーストリア航空901便ヴィッカーズ837バイカウント(OE-LAF)が、モスクワ・シェレメチェボ空港へ最終進入中に墜落した。
 この事故で乗員6名、乗客31名、計37名のうち乗員5名、乗客26名、計31名が死亡した。
 事故機は着陸進入中に立ち木に接触し、空港の西方、滑走路の手前約11Kmの地点で墜落した。ソビエト連邦の事故調査報告書は事故機に技術的な問題はなく、気象も事故原因とはなり得ないことを明らかにした。なお、事故調査にオブザーバーとして参加したオーストリアの調査団は、交信記録や残骸の調査などから、パイロットが正常な進入高度を飛行していると信じていたことは明らかであり高度測定の誤りが事故原因と関係しているとの見解を持っていた。
 高度測定の誤りの原因としては、2つある高度計の1つの故障、高度計への誤った設定、高度計の誤読などが疑われた。登載されていた高度計は2つとも事故の衝撃でひどく破損しており、事故当時高度計が正常に作動していたか確認することは出来なかった。2つの高度計は左の高度計にはQFE990mb、右の高度計には1013mbが補正値として設定されていた。異なった補正値で左右の高度計を設定することはオーストリア航空の通常の手順に反するものであった。通常の手順から外れた設定を行った理由を確定することは出来なかった。
 事故機は1960年に製造された。


(C)2004 外山智士
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