1960年1月18日午後10時20分、アメリカ・イリノイ州シカゴ発同国ワシントンD.C.経由同国ヴァージニア州ノーフォーク行きキャピタル航空(当時:1961年に吸収合併され現ユナイテッド航空)20便ヴィッカーズバイカウント745D(N7462)が、ヴァージニア州リッチモンドの南東約50Kmの同州チャールス・シティー近郊の森林地帯に墜落した。
この事故で乗員4名、乗客46名、計50名全員が死亡した。
事故機は高度8000ftを巡航中エンジンに着氷し、全エンジンが停止し、プロペラがフェザーになった。パイロットは再スタートを試みたが、上手くいかず、高度がかなり下がってから第4エンジンの再スタートに成功したが、パイロットが急激に最大推力に設定したため、非対称推力による操縦困難な状態に陥った。墜落の直前第3エンジンも再スタートに成功したが、状況を好転させるのに間に合わなかった。
エンジンの防氷装置のスイッチを入れるのが遅れ、エンジンに着氷したのが主な原因であった。またこの事故を契機に、エンジンの再スタートのためには暖かい空域まで降下するように定めた同型機のマニュアルが見直され、高度を維持したままで再スタートを行なうように改められた。
◎関連文献(刊行年順) |
著者名 | 書 名 | 出版社 | 刊行年 | 頁 数 |
デビッド・ゲロー | 「航空事故(増改訂版)」 | イカロス出版 | 1996年 | 34頁〜35頁 |
デイヴィッド・オーウェン | 「墜落事故」 | 原書房 | 2003年 | 116頁〜119頁 |