事故詳細

(事故No,19560620a)

 1956年6月20日午前1時32分、アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク発ベネズエラ・カラカス行きLinea Aeropostal Venezolana(LAV)(本社:ベネズエラ)のロッキード1049E-55スーパーコンステレーション(YV-C-AMS)が、緊急着陸のため引き返す途中でアメリカ・ニュージャージー近郊のアズベリー・パーク東方約50Km(ニューヨークの南東約65Km沖合)の大西洋上に墜落した。
 この事故で乗員10名、乗客64名、計74名全員が死亡した。
 事故機は7月19日午後11時6分、ニューヨーク・アイドルワイルド空港(当時:現ケネディ空港)を離陸した。離陸から約1時間20分後、パイロットから第2エンジンのプロペラが過回転となり、フェザーにすることもできないなど制御を喪失したためアイドルワイルド空港に引き返したいとの報告が管制官にあった。事故機は午前0時50分に緊急事態を宣言し、アメリカ沿岸警備隊(コーストガード)の航空機に護衛されながらニューヨークを目指したが、午前1時29分、着陸に備え燃料を投機し始めたところ、にわかに炎があがり、右に鋭い旋回をした後、緩やかな上昇姿勢に転じて徐々に左に傾いていった。事故機は空中分解し、火の玉となって海上に墜落した。
 事故現場が最初から特定され、しかも水深が30m程度しかなかったにもかかわらず、残骸も遺体も殆ど回収できず、結局事故調査によっても、炎上の原因は確定できなかったが、プロペラの制御を喪失したことに伴う異常振動が、第3エンジン後方の主翼内部で燃料タンクと燃料投機口を結ぶアタッチメントを喪失あるいは破損させていたものと推測されている。
 事故機は1954年に製造された。


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