事故詳細

(事故No,19530502a)

 1953年5月2日午後4時35分、シンガポール発ビルマ(現ミャンマー)・ラングーン(現ヤンゴン)経由インド・カルカッタ経由同国デリー経由イギリス・ロンドン行きBOAC英国海外航空(英国航空の前身)783/057便デハビランドDH-106コメット1(G-ALYV)が、カルカッタのダム・ダム空港を離陸して約6分後、カルカッタの北西約38Kmの西ベンガル地方ジャガロゴリ近郊に墜落した。
 この事故で乗員6名、乗客37名、計43名全員が死亡した。
 事故当時現場周辺は激しい雷雨と強風に見舞われ、上空を活発な雷雲が覆っていた。事故機は巡航高度に向けて上昇中、高度7000ft付近で下向きの突風であるダウン・ドラフトに遭遇したものと推測され、高度を維持しようとしたパイロットの操作により、エレベータの付根の支柱と主翼に設計限度を超える強い力がかかり、先ず水平尾翼が、次いでエンジン外側の主翼部分が破損、脱落した。さらに主翼の部品が垂直尾翼を直撃し破損、主翼からは激しく出火し、空中分解した。
 残骸は約8Kmに渡って散乱した。
 本件事故調査では、機体構造そのものの問題点が指摘されることはなく、悪天候が原因とされたが、この後連続して起こったコメット機の空中分解事故の最初の事故である。
 事故機は1952年に製造された。

◎関連文献(刊行年順)
著者名書 名出版社刊行年頁 数
デビッド・ゲロー「航空事故」(増改訂版)イカロス出版1997年17頁〜18頁
加藤寛一郎「墜落 第二巻 新システムの悪夢」講談社2001年36頁〜37頁
デイヴィッド・オーウェン「墜落事故」原書房2003年52頁〜53頁
上記文献のうち現在も流通しているものについてはこちらで入手できます。
 


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