事故詳細

(事故No,19520411a)

 1952年4月11日午後0時20分頃、プエルトリコ島サンファン発ニューヨーク行きパンアメリカン航空526A便DC-4(N88899)が、サンファンのアイル・グランデ空港を離陸直後、エンジントラブルを起こして同空港に引き返す途中に同島北約10Km、空港の北西約20Kmの大西洋に着水を試み墜落した。
 この事故で乗員5名、乗客64名、計69名のうち乗客52名が死亡し、乗員5名と乗客12名の計17名が救助された。
 事故機は午後0時11分に離陸したが、離陸時に第3エンジンが故障し、高度350ft到達時にフェザーにするとともに空港に引き返すことを決めた。ところが高度550ftまで上昇した時に第4エンジンも不安定となり、高度の維持が不可能となり不時着水を決行した。機体は着水後3分で水没した。
 連邦民間航空局(CAB)は、事故前日、事故機の第3エンジン内からアルミニウムくずが見つかった際の整備が不適切であったことと、パイロットが、第3、第4エンジンが故障した状態で残る第1・第2エンジンのパワーコントロールをせずに機首上げ操作だけで上昇しようとしたためにエアスピードの減少を招いたことが墜落の原因であるとした。サバイバルアスペクツとして重要な点は、緊急着水を客室乗務員に知らせなかったために客室では準備が出来ていなかったこと、救命筏が1箇所に収納されていたために機体が沈むまでに1つしか筏が出来なかったことが挙げられる。なお本件を教訓に離陸前に非常時のデモンストレーションが行われるようになった。
 事故機は1945年に製造された。


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