1995年6月21日、午前11時45分頃、羽田から函館に向かっていた全日空857便ボーイング747SR-81(JA8146)が、山形県上空を飛行中、元信託銀行員の男(53)にハイジャックされた。同機は函館空港に緊急着陸した。函館空港着陸後も、乗客を粘着テープで縛るなどし、乗員15名、乗客350名、計365名を人質に約16時間立てこもったが、翌22日午前3時42分、機内に強行突入した警察官に逮捕された。国内のハイジャック事件で警察が強行突入を図ったのは本件が初めてであった。犯人は2階客室で、新興宗教の信者を装い、サリンが入っているように見せかけたビニール袋を先のとがったドライバーで突く仕草をして「これを突けば乗客の命がない」と客室乗務員を脅迫し同機をハイジャックした。この事件で、女性の乗客1名がドライバーで肩を刺され、全治2週間のけがを負った。