2007年5月31日午前0時43分(日本時間)頃、オランダ・アムステルダム発大阪(関西)行きKLMオランダ航空867便ボーイング777-200が、ロシア・サンクトペテルブルグ上空高度約10000mを上昇中に乱気流に巻き込まれた。同機は運航を継続し、ほぼ定刻どおりの午前9時17分に関西国際空港に着陸した。
乗員14名、乗客262名、計276名のうち、客室乗務員3名、男性乗客2名、女性乗客5名、計10名が軽傷を負い病院に搬送された。負傷者の国籍は、客室乗務員3名がオランダ国籍、乗客7名が日本国籍であった。
乗客の負傷の内容は、頚部捻挫、打撲、コーヒーがこぼれたことによるやけどなどであった。
同機は30日午後3時40分(日本時間30日午後10時40分)頃にアムステルダムを出発し、約2時間後、高度10000mから11000mに上昇中に乱気流に見舞われた。機内では乗客に機内食が提供された直後で、飲み物などのサービスが行なわれている途中であった。
乗客の証言によると、激しい横揺れの後、急降下と急上昇による衝撃があり、客室内で悲鳴が上がった。乱気流は複数回にわたって、かなり長く続き、サービス用のカートが横倒しになったり、手荷物や飲み物、機内食、食器の破片などが機内に散乱した。また、縦揺れに見舞われた際には、通路を歩いていた客室乗務員が天井にたたきつけられ、シートベルトを着用していた乗客も体が浮き上がり、ワインが宙に浮くなど無重力状態に遭遇したとの証言もあった。
乗客によると、乱気流に遭遇する直前、機長から気流が悪いところを通過する旨のアナウンスがあり、乱気流遭遇後、再び機長からアナウンスがあり、今回の乱気流は予想外であったと述べたという。機長からは日本時間の31日午前8時20分に関西空港事務所に乱気流に遭遇しけが人がいる旨連絡があり、救急車出動の要請があった。
機体に損傷はなかった。
なお、本件は、海外で発生した外国機による事例であるため、国土交通省が重大インシデント等として取り扱うことはない。