事例詳細

(事例No,20060107ji)

 2006年1月7日、伊丹発鹿児島行き日本航空ジャパン(日本航空インターナショナルの前身)3913便MD-90が、鹿児島空港に着陸の際、第1エンジンの逆噴射装置が作動しなかった。同機は第2エンジンの逆噴射装置の使用もやめ、ブレーキのみで停止した。
 乗員6名、乗客175名、計181名は全員無事であった。
 同機は、前日夜、伊丹空港で行われたエンジン点検の際に、整備士が点検中に逆噴射装置が誤って作動しないように差し込んだロックピンを整備終了時に抜き忘れたのが原因であった。整備士が使用したロックピンは、抜き忘れ防止目印のないもので、社内で安全ロックピンとしての使用が認められていないピンであった。また、作業の終了時に終了確認を行ったのは別の整備士で、ピンの抜き忘れに気付かなかった。
 本件発生当時、鹿児島空港は晴天で滑走路の路面状態も良かったためブレーキのみで正常に制動できた。
 日本航空グループでは、2005年7月24日にも新千歳空港でボーイング777が安全ロックピンの抜き忘れによる同種のトラブルを起こしており、国土交通省は再発防止策が不十分として厳重注意した。
 日本航空は、本件の発生を受けて1月8日に同社ウェブサイトにお詫びを掲載した。


(C)2006 外山智士
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