事例詳細

(事例No,20051029ji)

 2005年10月29日午後4時45分頃、鹿児島発羽田行き全日空628便ボーイング777-200が、高知県室戸岬沖南方約20kmの太平洋上空高度約10000mを飛行中に、第2エンジンに激しい振動が発生すると共に、同エンジンが強く振動している旨の計器表示が出た。機長は第2エンジンを停止し、緊急着陸を要請し、午後5時12分に大阪国際空港に緊急着陸した。
 運航乗務員2名、客室乗務員8名、乗客180名、計190名は全員無事であった。
 着陸後の点検で、第2エンジン後部に32本のボルト(長さ約1cm)で取り付けられていたテールコーンが脱落しているのが確認された。取り付けボルトは全て抜け落ちていた。
 テールコーンはチタニウム製の高さ約1m、最大部直径約70cm、重量約14kgの円錐形の部品で、エンジン排気の流れを整える役割を持ち、脱落すると推進力が数パーセント低下するが、運航に支障はない。
 同機は定刻の午後4時に鹿児島空港を出発したが、出発前の点検では異常は見つからなかった。
 乗客は、別の便や新幹線で東京に向かった。
 全日空は、本件発生について10月31日付で同社ウェブサイトにお詫びを掲載した。


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