2005年9月29日午後6時55分頃、大分発羽田行き全日空198便エアバスA321-131(JA102A)が、中部国際空港の東南東約90kmの伊勢湾上空高度約11300mを巡航中に与圧装置の異常を示す表示が出て、減圧が発生した。機長は客室の酸素マスクを下ろしたうえ、管制に緊急着陸を要請し、高度約4200mまで緊急降下させた。同機は午後7時33分に羽田空港に緊急着陸した。
乗員6名、乗客166名、計172名のうち、乗客1名が胸の痛みを訴え、病院で診察を受けたが異常はなかった。
同機は午後6時16分に大分空港を離陸した。異常発生の際、2系統ある与圧系統が次々と異常を示したことから、2系統がほぼ同時に故障し、与圧が保てなくなったと見られる。なお、発生した減圧は酸素マスクが自動的に降りるほどの減圧ではなかった。
国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は本件を重大インシデントに指定した。