2005年9月23日午後7時40分頃、宮崎発福岡行き日本航空ジャパン(日本航空インターナショナルの前身)3636便MD-81が、宮崎空港を出発する際、管制官からクリアランス(フライトプランの承認)を受けないまま離陸した。
乗員6名、乗客39名、計45名は全員無事であった。
同機は午後7時40分頃、管制官にクリアランスを求めたが、管制官はクリアランスを行わないまま、同機に地上走行を指示し、離陸を許可した。離陸時は機長も担当の管制官もクリアランスを忘れていることに気付かなかったが、離陸後に別の管制官からスコーク(識別番号)がないことを指摘されてクリアランスが行われていないこと明らかになった。同機は、管制指示が飛行計画の通り行われていることから、福岡空港まで運航を継続した。同機の機長と副操縦士は、同日以降、しばらくの間乗務停止となった。
フライトプラン(飛行計画書)は、航空法により出発前に管制官から許可を受けなければならないことが規定されている。同年8月16日には、新潟空港で日本航空機で同様のトラブルが起きたばかりであり、日本航空でも再発防止策のチェックリストを社内で配布したばかりであった。同機にもチェックリストを搭載していたが、使用していなかった。また、国土交通省においても、8月16日のトラブルの再発防止策としてチェックリストを作成し、配布していたが、現場では使用されていなかった。
本件の発生を受けて国土交通省は、全国の空港と管制機関の業務監査実施を決めると共に、日本航空を口頭で注意した。