事例詳細

(事例No,20050621ji)

 2005年6月21日午後8時50分頃、羽田発那覇行き日本航空インターナショナル1935便ボーイング777-300が、高知県土佐清水市の南南東約200kmの太平洋上空高度約8500mを飛行中に第1エンジンの計器がエンジンオイル量の異常な低下を示したため、同エンジンを停止し、午後9時37分頃関西国際空港に緊急着陸した。
 乗員13名、乗客222名、計235名は全員無事であった。乗客の一部は気分不良で救急車で搬送された。
 同機は午後7時39分頃羽田空港を離陸し、午後10時10分に那覇に到着する予定であった。乗客の証言によると、異常発生時には左エンジンから「ババーン」という爆音が聞こえた後、「ゴー」という音が聞こえたという。エンジン付近が光ったり、火の玉のようなものが海上に落ちるのを見た乗客もいた。爆音がした際には軽い振動が座席にも伝わったという。
 着陸後の点検では、機体には外観上大きな損傷は見られなかったが、6月25日、左エンジンを内視鏡で調べた結果、エンジン燃焼室後部の高圧タービンのタービンブレードが破損し、破片が低圧タービンなどを損傷させ、高圧タービンのケースも大きく破損していたことが分かった。
 国土交通省は、プラット&ホイットニー社製の同型エンジンを使用する同型機の点検を日本航空と全日空に指示した。
 乗客のうち217名は、代替機で那覇に向かった。代替機は翌22日午前1時57分那覇空港に到着した。


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