事例詳細

(事例No,20050515ji2)

 2005年5月15日午前、インドネシア・ジャカルタ発成田行き日本航空インターナショナル726便ボーイング777-200が、着陸の際に機内食配膳用のカート2台を定められた場所に収納しないまま着陸した。 乗員12名、乗客288名、計300名は全員無事であった。
 客室内では、客室乗務員が機内食を温める装置のスイッチを入れ忘れたために、朝食の機内食サービスが約20分遅延していた。機内後部のエコノミークラスでは成田国際空港への着陸態勢に入っても、約20名分の機内食が提供出来ておらず、サービスを終えた約70名分の機内食トレーの回収も終わっていなかった。先任客室乗務員は機内食サービスの提供を中止し着陸を優先させるよう客室乗務員に指示するとともに、未回収の機内食トレーは座席下に置くように乗客にアナウンスした。客室から着陸準備が出来ていない旨報告を受けた機長は、既に高度約670mまで進入していたため、1度着陸復行したが、その間にもカート2台が所定の位置に戻されるには至らなかった。しかし、時間に余裕が無かったため、担当の客室乗務員はカートをギャレーに運び、手で押さえるとともに、着陸準備完了を先任客室乗務員に報告し、着陸が行われた。
 同社の社内規定では、着陸時にカートは所定の位置でロックすることが義務付けられていた。
 国土交通省は、同月18日、日本航空に対し同社の社内規定に違反しており、安全への配慮が欠けていた旨、口頭で厳重注意し、再発防止を指示した。


(C)2005 外山智士
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