事例詳細

(事例No,20050515ji)

 2005年5月15日午前11時、伊丹発羽田行き全日空22便ボーイング777が、離陸滑走中に異音がした。その後着陸進入中と着陸の際にも同様の異音が発生した。
 乗員乗客412名は全員無事であった。  同機は、大阪国際空港を離陸滑走中にドスンという異音がし、着陸前に降下を開始した際には同様の異音と衝撃があり、着陸寸前に機首を上げた際にも大きな衝撃音がした。発生した異音と衝撃は乗客にも認識できるものであり、不安に感じた乗客もいた。
 着陸後の点検で前方の貨物室に積載されたコンテナ8個のうち、後方の6個、計2トンのストッパーが固定されていなかった。このため、前方の固定されたコンテナ2個と貨物室後方までの約10mの間を6個のコンテナがレールに沿って前後に移動していたことが分かった。
 コンテナを搭載した関連会社の作業員がストッパーをかけ忘れ、責任者も貨物室のドアを閉める際に確認をしなかったことが原因であった。
 5月16日朝、全日空は本件の発生を国土交通省に報告すると共に、同日付で貨物の積載を委託している全国の関連会社に基本作業の徹底を求める文書を送付した。
 国土交通省は社内規定に違反し安全配慮に欠けていたとして口頭で厳重注意し、再発防止に努めるよう指示した。


(C)2005 外山智士
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