2005年4月22日午後5時6分頃、小松発仙台行き全日空(運航はエアーニッポン)361便ボーイング737-500が、小松空港で管制官の許可なく離陸滑走を開始し、管制官の指示で緊急停止した。
乗員乗客113名は全員無事であった。
滑走路(全長2700m)に進入した直後に機長から副操縦士に操縦が引き継がれ、副操縦士は離陸滑走を開始した。機長は引き継ぐ前に離陸許可を受けておらず、滑走路内で待機するように指示されていた。機長は引継ぎで離陸許可を受けていないことを失念したと話している。同機が離陸滑走を開始したことに気付いた管制官は、直ちに(離陸滑走開始から数秒後)離陸中止を指示し、同機450m先で停止した。停止を指示されたときの速度は時速約110kmであった。同機は誘導路に出て、着陸進入中の那覇発小松行き日本トランスオーシャン航空38便を着陸させた後、午後5時18分に再度離陸を行い、ほぼ定刻午後6時過ぎに仙台空港に着陸した。
本件の影響で、機長と副操縦士がこの便の後乗務予定であった仙台発福岡行き全日空800便の出発が、交代の乗員を手配するために約1時間50分遅れた。
4月23日、エアーニッポンは全日空と連名でウェブサイト上に利用者に対する謝罪文を掲載した。
4月25日、国土交通省は、本件について管制指示違反に当たるとしてエアーニッポンを厳重注意処分とした。