事例詳細

(事例No,20050407ji2)

 2005年4月7日午後1時25分頃、アメリカ・アラスカ州アンカレッジ発成田行き日本貨物航空1便ボーイング747-200Fが、成田空港に着陸の際に第1エンジン下面を滑走路に接触させると共に滑走路灯を破損した。
 乗員4名は全員無事であった。
 同機は、点検のため一時誘導路に停止した後、自力走行で駐機場まで走行した。到着後の点検では、第1エンジンのカバーの下面に幅60cm、長さ約2.4mの損傷と主脚タイヤには滑走路灯のものと見られるガラス片や金属片が刺さっているのが確認された。成田国際空港会社では、A滑走路を36分間閉鎖して点検・修理し、滑走路面に第1エンジンカバーが残した痕跡と、A滑走路の滑走路灯のうち右側2箇所の滑走路灯合計6基の破損が確認された。
 この影響で到着便6便が中部空港などに目的地を変更した。A滑走路に北側から進入して着陸の際に南西からの強風のために左に傾いて接地し、姿勢を立て直そうとして右側に振られて滑走路を逸脱しそうになったものと見られている。目撃者によると、一度接地した後再び浮揚し、再度接地した際には滑走路の右端を走行し、タイヤから煙が出たが火災にはならなかったという。灯火の破損は機体が接地してすぐ浮揚した際に主脚の直撃を受けて生じたものと見られている。
 本件発生日は、午前から成田空港周辺は強風(午前11時の観測では最大瞬間風速23m、午後1時の観測では南西からの風最大瞬間風速20.6m)に見舞われ、羽田空港や関西空港に目的地を変更する便が相次いでおり、中には燃料不足となった便もあった。


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