事例詳細

(事例No,20041205ji)

 2004年12月5日午後2時頃、アメリカ・アラスカ州アンカレッジ発成田行き日本貨物航空103便ボーイング747SR-146B SF(JA8158)が、巡航中に急減圧を起こし、アンカレッジ・Ted Stevens国際空港に緊急着陸した。
 乗員3名は全員無事であった。
 同機は、アンカレッジ国際空港を午後1時38分に離陸した。急減圧はアンカレッジから137マイルの地点を計器飛行方式で巡航中に発生した。インシデント発生当時天候は有視界気象条件を満たしていた。 アンカレッジ国際空港到着後にFAAとNTSBが同機を調べたところでは、ノーズギアの格納室と電子機器の搭載スペースを隔てる圧力隔壁の右側に約12インチの穴がリベットの列に沿って開いていた。
 国土交通省は本件の発生を受けて、2004年12月24日耐空性改善通報を出し、飛行回数が16000回以上のボーイング747については定期的点検を行うように国内航空各社に指示し、パネルや補強材に亀裂が見つかれば、交換や修理を行うこととした。対象は国内で42機あり、事故直後の一斉点検で2機から亀裂が見つかり修理が行われた。
 NTSBは、与圧による金属疲労でパネルが破損したことが急減圧の原因としている。


(C)2005 外山智士
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