2004年10月4日午後4時30分頃、成田発アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ行きノースウエスト航空28便エアバスA330-200が、第2エンジンの異常を示す警告が表示されたため成田国際空港に引き返し、緊急着陸した。同機は着陸直後、A滑走路脇の誘導路を走行中に左主脚タイヤのブレーキ付近から煙が出ている(炎が出たとの報道もある)のが確認されたため、待機していた成田国際空港会社と成田市消防本部の化学消防車など計12台の車両で消火活動が行われ、約2分後の午後4時40分頃に消し止められた。
乗員乗客209名は全員無事であった。
同機は午後3時58分に成田国際空港を出発したが、離陸約15分後に第2エンジンの潤滑油の油圧計の数値が低下を示したため、同エンジンを停止したうえで緊急事態を宣言し、成田国際空港への緊急着陸を要請した。緊急着陸に際して、海上で燃料投機が行われたが、捨てきれずに通常よりも重い重量で着陸に臨んだ。ブレーキ操作が通常の着陸と同様に行われていることから、煙が発生した原因は、この重い着陸重量が災いして着陸の際にブレーキに過剰な負荷がかかり、ブレーキが過熱して発生したものと見られている。なお、右主脚のブレーキには点検の結果、異常は見られなかった。
本件の影響でA滑走路が、午後4時30分から午後4時48分までの18分間閉鎖され、後続の到着便3便が羽田空港などに着陸するなど影響が出た。