2004年9月13日午後4時49分頃、羽田発熊本行き全日空647便エアバスA321が、羽田空港A滑走路を離陸滑走中に第2エンジンのコンプレッサーが異常燃焼を起こしたため、離陸を中止した。
乗員乗客201名は全員無事であった。
離陸滑走を開始した直後に第2エンジンの出力が突然低下したため、機長はエンジンの運転を停止すると共に離陸を中止し、滑走路から誘導路に入ったところで機体を停止させて、牽引車の牽引を受けて駐機場に引き返した。同機の本件発生当時のエンジン出力は最大定格出力で、時速は百数十kmであった。点検作業により、第2エンジン内のタービンの一部の破損と、同エンジン後部からは直径2cm前後の金属片約10個が確認され、小さな金属片が滑走路上に散乱しているのも発見された。
本件発生当時、当該全日空機の後方にいた別の航空機の機長が炎を目撃し、全日空機のエンジンから出火した旨を管制に報告し、警察と消防に航空機から出火した旨の通報がなされたため、消防車が出動し警戒に当たるなど一時スポット周辺は騒然となった。実際には火災は発生しなかった。
本件の発生により、A滑走路が清掃と点検のため午後4時49分から午後7時20分までの約2時間30分にわたり閉鎖されたが、B滑走路及びC滑走路を使用するなどして対応したため、離着陸便の一部に遅れは出たものの運航上大きな影響はなかった。
乗客は代替機で約1時間30分後に再度出発した。