特殊な義歯[2]

西川デンタルクリニック
磁石を使って、義歯を安定させる方法があります。いろんなケースに使用できますが、そのうちのひとつを紹介します。

左上の糸切歯に磁石が吸い付きやすい金属の蓋(根面板)をかぶせてあります。

左の奥歯4本ぶんの入れ歯を作らなければいけません。

義歯をはめた状態です。

左上の糸切歯と義歯の中の磁石が吸い付いています。

義歯を表と裏から見た状態です。

糸切歯の部分に円形の磁石が見えます。

磁石を使った義歯は、歯の数が少なくなっていく人にとって、その歯が抜歯に至る時期を、先に伸ばす効果があります。

止めがね(クラスプ)で歯をはさんで、義歯が落っこちない様にする方法を、磁石で吸い付かせる様にする方法にかえる事によって、様々な変化がおこります。

上の写真を例にとると、左上の糸切歯がクラスプでとめた義歯と違って、ゆすられないので(吸い付いているだけ)、歯の寿命がのびる。クラスプが見えないので笑っても目立たない。義歯を小さくできる。等、

磁石を使った義歯の注意点は、磁石の部分にかかる噛む力と、義歯の歯肉部分にかかる噛む力を常に一定になるように歯科医院でコントロールする必要があります。そのコントロールの時期はそれぞれの患者さんの口腔内の状態によって、大きな開きがあり、調子がよいからと言って、油断しない事が極めて重要です。

下の義歯です。右の歯にはクラスプを、左の歯には磁石を施しています。


[2002.11.11]