「見れども見えず――iモード絵文字の間違い」解答編1

 さあ、どうでしょう。どれが間違っているか気づきましたか。
 「台風の渦巻きの方向が左巻きではなくて、右巻きになっている」って? おおっ。これに気づいたあなたは偉い。この「」は「頭をどこかにぶつけて、目を回ましている」のを表しているのではないかと思った人もいるかもしれませんが、そうではありません。超漢字3の文字検索で調べると、「台風」となっています。
 しかし、この絵文字をデザインした人はおそらく南半球に住んでいる人なんでしょうねえ。(^^)「台風は地球の自転の関係で、北半球では左回り、南半球では右回り」になります。ですから、この台風の渦巻きが間違っていると考えた人は正解ではないけど、△かな。――と実は、この解答編で書こうと思っていました。ところが、前のPart1(問題編)を書いてからすぐに、同じ仮説実験授業研究会の会員でもあるHisa−Kunさんから次のようなメールをいただきました。(いつもなにかあると反応をいただけるので、ありがたいです)
ヒントは、「自然現象」ということとで、
ずばり、台風 でしょう。右巻きになっていますね。
北半球日本が発祥のi-modeなのだから左巻きになっている
ほうが自然というとこですね。

たぶん、何人かの決裁を経て公開されているのだからこういった
ある意味単純なミスが残ってしまったということは、
台風は左巻きってことは、常識ではないのでしょうか?

というより、あれが、台風のシンボルとは、気がつかなかったです。
「トホホ」マークだと思っていました。文字検索小物で確認したら、
「台風」となっていたので、驚いています。

 Hisa−Kunさんも台風のことに気づいたみたいです。ただ、私の場合、「台風は地球の自転の関係で、北半球では左回り、南半球では右回りだよなあ」と思い込んでいたので、Hisa−Kunさんの「台風は左巻きってことは、常識ではないのでしょうか?」という言葉に妙に引っ掛かってしまいました。
 「そう言えば、日本やフィリピン、台湾などにやってくるのを台風っていうけど、南半球で発生するのは台風って言うのかなあ」ということが気になって、検索でいろいろ調べてみました。すると、中には私のように、「台風をハリケーンやサイクロンなどの総称としてあいまいに使っている」ページ全国こども電話相談室ハリーのお天気塾や、台風もありましたが、台風の定義をきっちり書いているページもいくつか見つかりました。その中で比較的分かりやすかったのが、ここです。台風のこともあり、台風はどこで生まれてどこに行くの台風のうずは、どのように巻(ま)いているの?に詳しく載っています。それから、今週のわからんというページも参考になりました。

 結局、台風の定義はっていうと、「熱帯地方で発生する低気圧のうち、東経180度より西の北太平洋と南シナ海で、最大風速が毎秒17.2メートル以上になったもの」のようで、南半球で発生するものは、場所によってサイクロンとかハリケーンと呼ぶようです。
 ということは、「を台風である」としているiモード絵文字は間違っているということになります。もし、「台風という言葉をハリケーンやサイクロンなど熱帯低気圧の強力なもの全般として使っている」というのなら、「」という記号も同時に文字として登録すべきではないんでしょうかね。

 iモード絵文字を考えたデザイナーやそれをチェックした人は、今までテレビや新聞の天気予報などで台風の画像は何回となく見たはずです。しかし、「渦巻きがどちら向きか」ということに関心を持っていなかったので、今回のようなミスが発生したのではないでしょうか。(「解答編2」へつづく)

P.S.なに? 「まだ続くのか」って? そうなんです。実は絵文字の間違いが1つだけと思っていたのですが、今回のと含めて、もう1つあるんですよ。本当は、次号で書くやつの方を最初に発見したんですが…(^^)