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院長は医療人(薬剤師、鍼灸師、柔道整復師)として40年以上の経験があります。
慢性前立腺炎・慢性非細菌性前立腺炎
慢性非細菌性前立腺炎は、男性に多い泌尿器疾患の一つで、**慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS)**とも呼ばれます。その名の通り、細菌感染が認められないにもかかわらず、前立腺や骨盤周囲に痛みや不快感が長期にわたって続くことが特徴です。
慢性非細菌性前立腺炎の正確な原因は、未だ完全に解明されていません。複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。
尿の前立腺内への逆流:
排尿時に尿道括約筋が十分に緩まないことで、尿が前立腺内に逆流し、前立腺組織に炎症を引き起こす可能性があります。尿中の成分が化学的な刺激となることもあります。
骨盤内の血流障害:
長時間の座位(デスクワーク、車の運転、自転車、バイク、乗馬など)、冷えなどが原因で、骨盤内の血流が悪くなることで、前立腺への酸素や栄養の供給が滞り、炎症や痛みを誘発することがあります。
自律神経の機能亢進・乱れ:
ストレス、不安、疲労などにより、自律神経(特に交感神経)が過剰に興奮し、前立腺や骨盤周囲の血管が収縮したり、痛みの信号伝達が過敏になったりすることが考えられます。
骨盤底筋群の過緊張・機能不全:
慢性的なストレスや不適切な姿勢、排便・排尿習慣などにより、骨盤底筋群が持続的に緊張したり、痙攣したりすることで、痛みや排尿症状を引き起こすことがあります。筋膜トリガーポイントの形成も関連すると考えられています。
神経因性疼痛:
陰部神経などの骨盤内の神経が過敏になったり、損傷を受けたりすることで、神経性の痛みが生じる場合があります。
自己免疫反応:
自身の免疫システムが前立腺組織を攻撃することで炎症が起こる可能性も指摘されています。
生活習慣:
過度の飲酒、刺激物(辛い物、カフェインなど)の摂取、喫煙、不規則な生活、睡眠不足なども症状を悪化させる要因となります。
その他:
稀に、マイコプラズマやウレアプラズマなどの特殊な菌が関与している可能性も指摘されていますが、一般的な細菌感染とは区別されます。
慢性非細菌性前立腺炎の症状は多岐にわたり、患者さんによって個人差が大きく、症状の強さも変動することが特徴です。主な症状は以下の通りです。
疼痛(痛み・不快感):
会陰部痛: 陰嚢と肛門の間(会陰部)に鈍い痛み、重苦しさ、違和感を感じることが最も多い症状です。座っているときに悪化しやすい傾向があります。
下腹部痛: 下腹部(特に恥骨のあたり)に重苦しい痛みや不快感を感じることがあります。
鼠径部痛: 足の付け根(鼠径部)に痛みや違和感が生じることがあります。
陰嚢・睾丸痛: 精巣(睾丸)やその周囲に鈍い痛みや不快感を感じることがあります。
陰茎痛: 陰茎の先端や根元に痛みや違和感が生じることがあります。
腰痛・臀部痛: 下部腰部や臀部(お尻)に痛みが放散することもあります。
射精時痛・射精後痛: 射精時や射精後に痛みや不快感が生じることがあります。
排尿症状:
頻尿: 昼間だけでなく、夜間にもトイレに行く回数が増えることがあります。
残尿感: 排尿後も膀胱に尿が残っているような感じがします。
排尿時痛: 排尿中に尿道に痛みやヒリヒリ感を感じることがあります。
尿意切迫感: 急に強い尿意を感じ、我慢するのが難しいことがあります。
排尿困難: 尿の勢いが弱い、排尿に時間がかかる、途切れるなどの症状が出ることがあります。
排尿後滴下: 排尿後に尿が少し漏れてしまうことがあります。
性機能障害:
性欲減退: 性欲が低下することがあります。
勃起障害: 勃起機能に問題が生じることがあります。
早漏・遅漏: 射精に関する問題が生じることもあります。
その他:
疲労感: 慢性的な痛みや不眠により、全身の倦怠感や疲労感を感じることがあります。
不眠: 痛みや不快感、頻尿などにより、睡眠の質が低下することがあります。
精神的症状: 長期にわたる症状は、ストレス、不安、抑うつなどを引き起こし、QOL(生活の質)を著しく低下させることがあります。
これらの症状が3ヶ月以上持続する場合に、慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群と診断されることが多いです。細菌感染の有無を確認するために尿検査や前立腺液の検査が行われ、細菌が検出されない場合に「非細菌性」と分類されます。治療が難しく、根気強いアプローチが必要となることが特徴です。
この疾患については数え切れないほど鍼灸の施術方法があります。
前立腺炎の鍼施術には興味があっても鍼が初めてで躊躇してしまう方
また鍼が全く苦手な方にもレーザーやTENS(電気治療器)・)手技などでできるだけ痛みのない施術で対応させていただきます。
1)鍼灸療法 一般の針より長い針を使用する特殊針法で前立腺肥大症の改善をはかります。
また 針の苦手な方のためにレーザー針も使用します。
前立腺の鍼灸療法
耳のツボは探索器等を使用します。反応点に施術します。
耳の反応点 前立腺・内生殖器・睾丸など
耳の検査器(フランス製)
2)安全で無痛のレーザー治療
星状神経節近傍レーザー照射は交感神経の過緊張状態を緩和することで
症状を緩和します。
慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS)に対する星状神経節近傍レーザー照射は、痛みの緩和や症状改善に有効な治療法として注目されています。これは、星状神経節ブロック注射と同様の効果を、より非侵襲的に実現しようとするものです。
星状神経節は、首の付け根(第7頸椎付近)にある交感神経の集まりです。この神経節は、頭部、顔面、上肢、そして一部の自律神経が関わる内臓(心臓、肺など)の機能に影響を与えます。
「星状神経節近傍レーザー照射」は、この星状神経節の近くに**低出力レーザー(特に近赤外線レーザー)**を照射する治療法です。一般的には「スーパーライザー」などの医療機器が用いられます。麻酔注射を使う星状神経節ブロックとは異なり、皮膚の上から光を当てるだけなので、痛みもなく、副作用も少ないのが特徴です。
慢性前立腺炎は、前立腺の炎症だけでなく、自律神経の乱れ、血流障害、骨盤底筋群の過緊張などが複雑に絡み合って発症すると考えられています。星状神経節近傍レーザー照射は、これらの要因に多角的にアプローチすることで効果を発揮すると考えられます。
自律神経の調整(特に交感神経の抑制):
慢性的な痛みやストレスは、交感神経を過剰に興奮させ、自律神経のバランスを崩します。交感神経の興奮は、血管収縮を引き起こし、血流を悪化させたり、痛みの閾値を下げたりすることがあります。
星状神経節にレーザーを照射することで、交感神経の興奮が緩和され、自律神経全体のバランスが整うと考えられています。これにより、ストレス応答が改善され、痛みの感じ方が和らぐ可能性があります。
血流改善:
交感神経の緊張が緩和されることで、全身の血流が改善されます。特に、骨盤内の血流が促進されることで、前立腺の炎症部位への酸素や栄養の供給が改善され、炎症性物質や老廃物の排出が促されると考えられます。これは、前立腺の組織修復や機能回復に寄与する可能性があります。
鎮痛・抗炎症作用:
レーザー光線には、細胞レベルでの代謝促進、抗炎症作用、鎮痛作用があるとされています。これにより、前立腺周囲の痛みや炎症が直接的に軽減される効果も期待できます。
免疫力・自然治癒力の向上:
自律神経のバランスが整い、血流が改善されることで、身体が本来持っている免疫力や自然治癒力が高まることが期待されます。これは、慢性前立腺炎の根本的な改善につながる可能性があります。
星状神経節近傍レーザー照射は、慢性前立腺炎の症状、特に難治性の骨盤痛や**自律神経失調症状(不眠、冷え性、ストレスによる症状など)**を伴う場合に有効な選択肢として検討されます。
注射による星状神経節ブロックに抵抗がある患者さんにも、負担が少ない治療法として選ばれることがあります。
即効性: 注射によるブロックに比べて、レーザー照射は即効性が低いとされます。数回から数十回の継続的な照射が必要となることが多いです。
回数: 一般的には、週に1~3回程度の頻度で、数週間~数ヶ月の治療が推奨されます。症状の改善には個人差があります。
副作用: ほとんどなく、安全性が高い治療法とされています。温かさを感じる程度で、痛みは伴いません。
慢性前立腺炎の治療は、薬物療法、生活習慣の改善、理学療法(骨盤底筋リハビリテーション)、TENS、鍼灸など、多岐にわたります。星状神経節近傍レーザー照射も、これらの治療と組み合わせて行われることで、より高い効果が期待できる場合があります。
前立腺の特殊レーザー施術
4)ソーマダイン:
慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS)に対する「ソーマダイン療法」は、微弱電流治療の一種です。一般的な電気治療(低周波治療など)とは異なり、体内で自然に流れている「生体電流」に近い、ごく微弱な電流を用いるのが特徴です。
ソーマダインは、愛知電子工業株式会社が開発・製造している微弱電流治療器のブランド名です。ラテン語で「ソーマ(痛み)」と「ダイン(機械)」を組み合わせた造語で、「痛みの治療器」という意味合いが込められています。
この機器は、以下のようなメカニズムで身体に働きかけるとされています。
ATP(アデノシン三リン酸)生成の促進: 細胞が損傷すると、その修復にはエネルギー源であるATPが大量に必要になります。ソーマダインは、細胞内のミトコンドリアでのATP生成を促進し、タンパク質合成を早めることで、組織の修復・再生を促すとされています。
細胞の電気的性質の正常化・活性化: 生体の細胞は微弱な電気を帯びており、損傷するとこの電気的性質が乱れると考えられています。ソーマダインは、この細胞の電気的性質を正常化・活性化させることで、自然治癒力を高め、痛みの軽減や症状回復を助けることを目指します。
血流・リンパの流れの改善: 微弱電流が毛細血管レベルまで行き渡ることで、血流やリンパの流れが改善され、痛みの原因物質や疲労物質の分解が促進されると考えられています。
慢性前立腺炎は、炎症、神経過敏、血流障害、筋肉の過緊張、自律神経の乱れなど、様々な要因が複雑に絡み合って発症する疾患です。ソーマダイン療法は、これらの要因にアプローチすることで、症状の改善が期待されます。
期待される効果としては、以下の点が挙げられます。
痛みの軽減: 微弱電流が鎮痛作用をもたらし、特に会陰部や骨盤の痛みの緩和に貢献する可能性があります。細胞レベルでの修復促進により、痛みの根本原因に働きかけることも期待されます。
炎症の抑制: 細胞の修復が早まることで、炎症反応が鎮静化する可能性もあります。
血流改善: 骨盤内の血流が促進されることで、前立腺組織への酸素や栄養の供給が改善され、回復を促します。
組織の修復促進: 損傷した細胞組織の修復を促進することで、慢性的な症状の改善につながる可能性があります。
自律神経の調整: ソーマダインは、自律神経系のバランスを整える効果も示唆されており、ストレスや不眠など、慢性前立腺炎に伴う精神的な症状の緩和にも寄与するかもしれません。
無痛・無感: ソーマダインの電流は非常に微弱であるため、通常の電気治療のような「ビリビリ」とした刺激はほとんど感じません。このため、電気刺激が苦手な方でも安心して受けられるという利点があります。
安全性: 副作用が少ないとされており、子供からお年寄りまで幅広く使用できます。ただし、ペースメーカーを使用している方は禁忌とされています。
治療期間と頻度: 慢性症状であるため、即効性よりも継続的な治療が重要となることが多いです。症状の程度にもよりますが、数回から数ヶ月にわたって治療を続けることで効果を実感できる場合があります。
エビデンス: ソーマダインを含む微弱電流療法は、スポーツ選手の怪我の回復促進や一般的な筋骨格系の痛みに対しては広く用いられていますが、慢性前立腺炎に特化した大規模な臨床研究はまだ限定的かもしれません。個々の症例報告で有効性が示唆されている段階です。
慢性前立腺炎の治療は多様であり、ソーマダイン療法もその選択肢の一つとして考えられます。もし慢性前立腺炎でお悩みで、ソーマダイン療法に興味がある場合は、この治療を取り入れている医療機関(ペインクリニック、整形外科、接骨院など)に相談し、ご自身の症状や状態に合った治療法か、医師や専門家の意見を聞くことが重要です。
(ソーマダインは初期のタイプで450万円もしました。現在も高額な器械ですが価値があります。)
ソーマダイン
漫画ソーマダイン
何でもご相談ください。(075)872-2877
施術は
症状の重い場合は週2回以上
普通は週1回ぐらい
適応しない疾患 前立腺癌・膀胱癌・尿路感染を頻発している方・前立腺又は膀胱の手術をしている方はこの療法には適応しません。
前立腺癌の鍼灸療法は実際にありますが、当院は現時点ではやっておりません。
施術費 5000円
肩こりなど他の疾病の施術がある場合は追加料金があります。
京都市右京区常盤下田町12-3 山根はり灸整骨院