一酸化炭素マグロについて


2ヶ月ほど前、「COまぐろ」(一酸化炭素で処理したマグロ)が、大々的にマスコミに取り上げられました。これについて、おさらいの意味で、ちょっと書いておきたいと思います。
「COまぐろ」とは、食品衛生法違反の一酸化炭素(CO)を使用して、赤く発色させたマグロです。
インドネシアで加工されており、真空パックの中にCOを入れる事で発色させており、真空パックであることが特徴です。
(通常、丸のままで(冷蔵・冷凍問わず)輸入される物には、CO処理はされていません。)

このような加工がされたマグロは、すでに5〜6年前から出回っていました。
当時は、「ウルトラマグロ」呼ばれ、私どものところにも持ち込まれてきました。
今回、摘発されたのと同じで、真空パックになっていました。
「いつまでも変色しない。」というのがふれ込みで、なるほど、冷蔵庫に1週間入れておいても、綺麗なピンク色がしていました。
これを「試食」しましたが、色は綺麗だけれど「味」がないのです。「マグロ」の美味しさが飛んでしまっているのです。
それで、扱わなかったのですが、その後「アレは違反で、どうのこうの−−。」という話を聞いた覚えがあります。

COマグロ根絶の取り組み
平成6年9月に、厚生省が「鮮魚に対する食品添加物のしようについて」という通達を出し、業界に対して輸入しないよう指導しています。
理由としては、CO処理された魚肉は、長期間にわたって鮮やかなピンク色を保つため、消費者の判断を誤らせ、衛生上の危害を及ぼす可能性もあるためです。
その後も、COマグロが出回っているため、今年の3月に水産庁の担当官がインドネシアに行き、インドネシア政府の担当官に善処を要請しています。
インドネシア側では、実態を把握していないようでしたが、今後協力して解決を目指すという回答をだしています。

その後、水産庁と厚生省が情報の交流や協力した取り組みを行う中で、今回の摘発となったようです。

問題は、「安全性より商売優先」という業者の姿勢があります。
鮮魚は、「劣化して当たり前」「変色して当たり前」なのですが、それではロスになって困るわけです。(ここが、商品管理の大事なところ)
安易に「変色しない」という事で、管理が楽という理由で導入したところもあったようです。
こうした、末端業者の弱みにつけこむやりかたも問題が大きいです。

やはり、自然のままで、良い物は良い物として、少し鮮度の落ちてきた物は早めに処分して、といった、臨機応変の対応が必要になります。
スーパー関係では、「ジャスコ」が扱っていたことが新聞記事になっていますが、ローカルスーパーは結構扱っていると業界ではいわれていました。
また、民宿やホテル関係でも扱われていたと言われています。今はもう無いと思いますが。

なお、ティラピア(いずみだい、さくらだい、ちかだい等と呼ぶ)も、CO処理されたものが輸入されていることが明らかになっています。

お魚情報館
.
Copyright(C) JULY 16 ,1997 by Toshio Yabe. All rights reserved