生協の無漂白カズノコについて


京都生協では、年末になると「無漂白」(漂白していない)のカズノコを供給しています。
見た感じ、濃い黄色で汚い感じがして「いやだな〜、おいしそうじゃないな〜。」なんて思われた方も、けっこうおられるのではないでしょうか。

この「無漂白」のカズノコ、一般に売られている綺麗な薄い黄色のカズノコとどう違うのでしょうか。
生協のカズノコは「過酸化水素」で漂白していません。「過酸化水素」は「発ガン性」の疑いがあり、一時使用禁止になりました。現在は「残留0」で認可されています。
漂白していませんから、自然の色が出ます。そのため、汚い原料や品質の良くない原料を使うとうまく仕上がりません。必然的に、良い原料だけで作ります。
一般のカズノコのように漂白すると綺麗になりますし、変なにおいなども取れます。そのかわり、うまみも除かれてしまいます。
見かけはちょっと悪いが、美味しく安心できる「生協のカズノコ」を、お正月にご利用ください。

なお、カズノコ一般について勉強したいと思われる方は、「おすすめホームページ」に行って見て下さい。ほんとに勉強になりますよ。     数の子Q&A
私が行った、中国の数の子加工場です。

カズノコの種類
おすすめホームページ 北海道水産物加工協同組合連合会(カズノコ、その他の北海道の魚の情報)、
井原水産株式会社(トップブランド「ヤマニ印カズノコ」。カズノコの歴史から製品まで)
太平洋産 昔は、北海道の沿岸で大量に漁獲されました。今は北海道にはほとんどいません。このカズノコは歯ごたえがあって美味しいのですが、どこに行ったのでしょうね。
今は、太平洋産の中でも「カナダ産」が最高という評価になっています。美味しいカズノコを食べたいのなら、絶対「カナダ産」を買って下さい。
もちろん、生協のカズノコは「カナダ産」です。
少し、ランクが落ちるものとして「ブリストル産」があります。これは、歯ごたえは良いのですが、卵のツブが粗く、口に残るのが欠点です。
大西洋産 いろんなランクがあり、総菜用の「味付けカズノコ」の原料に使われています。ところが昨年、太平洋産、それも最高級の「カナダ産」が激減し、高値になったため、
大西洋産の比較的歯ごたえの良いものが「塩カズノコ」として大量に出回りました。(下に書いている「カナダイースト」もその一つ、これは「大西洋産」のものです。)
「カナダ産」と表示して「カナダ東岸」で漁獲されたもの、(これを業界では「カナダイースト」と読んでいます)これを売っていたスーパーも結構あったようです。
はっきり言って、これは「インチキ商法」です。素人では「見ただけでは分からず、食べたら分かる」ものなので、悪質なやりかたです。間違えないようにしてください。
今年は、ニシンが豊漁です。「カナダ産」のカズノコもたくさん出回りそうです。価格は、昨年の3分の2以下になると予想する人もいます。来年のお正月は、カズノコをたくさん食べて下さい。

「カズノコ」の料理法
「塩ぬき」は、薄い食塩水でします。2回ほど食塩水を換えて、ほんのり塩味が残るくらいになったら薄皮をむいてできあがりです。およそ、1日かかります。
  • 用意するもの 塩カズノコ100g(大きいもので4本くらい) ボウル 軽量カップ 小さじ
    1. 薄い食塩水(濃度1%)を作ります。水カップ2杯半(500cc)に食塩小さじ1(5g)を入れて、よく溶かします。
    2. この食塩水に、塩カズノコ100gを入れます。
    3. 3時間〜10時間おきに、1と同じ食塩水を作り、水を換えます。この時、どれぐらい塩分が抜けたか、味見をしましょう。ほんのり塩気が残るぐらいになったら完了です。
    4. カズノコを水からだし、ペーパータオルなどで水気をふき取ります。
    5. 食べやすい大きさに切り、削りカツオをのせて、醤油をかけていただきます。
  • 「味付けカズノコ」の作り方
    1. 塩カズノコを塩抜きします。
    2. 薄口醤油・みりん・清酒・水を各大さじ2と削り鰹5gを一煮立ちさせ、削り鰹をこしてさまします。
    3. 塩抜きしたカズノコを、2の漬け汁につけて冷蔵庫に入れます。
    4. 好みにより、1時間〜一晩漬けた後、頂いてください。
    5. その他、「松前漬」「粕漬」などでも美味しくいただけます。この場合でも、必ず「塩抜き」してから味付けをして下さい。
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