ブリについて その2


おさかなML(fishml)において、氷見漁協の吉崎さんが「ブリ起こし」の件でメールを出されました。
それに対して、神奈川県の栗原さんが、説明をされています。
>「ブリ起こし」といって、カミナリが鳴った次の日、網にブリがかかっている、そのカミナリのことを「ブリ起こし」といいます。
>こんなもん迷信や、と思えますが、実際、カミナリの鳴った11月10日の次の日、ブリが揚がりました。
>不思議なもんですねぇ・・・。
>ブリとカミナリの関係、分かる人おられたら、教えてください。
>ちなみに、富山県の水産試験所の友達は「そんなもん偶然や。」と言うてましたわ。
>
−−−−−−−−−−−−−−−以上、吉崎さんのメール(はじめの部分はカットしました。)−−−−−−−−

ここから下は、栗原さんのメール
  • 相模湾では、昭和20年代から30年代にかけて、ブリが沢山獲れました。
    ご承知のように、今は、静岡県の分も入れても、1万本にはなかなか達しないようです。

    雷は、雷鳴と電光を伴う大気中の放電現象であることは、ご承知の通りです。
    雷は主に、雲頂が−20℃以下に下がって、そこが、氷の結晶から出来ている積乱雲の中か、積乱雲の間に発生します。これが、雷雲です。

    11月10日は、全国的に寒く、西の方から前線が、北からは寒波が来て、北海道各地や、長野県の志賀高原などに雪を降らせました。

    従って、そちらの雷雲は、前線面に沿って暖気流が押し上げられたとき、或いは、上層の寒気流の侵入によって発生したものと考えられます。

    このようなとき、海面は波打ち、大時化になります。表層を泳いでいたブリは、深く潜り、比較的穏やかな沿岸部に寄ってくるのです。それが定置網に入るのだと、私は考えています。

    相模湾では、3月になって雪が降ることがあります。このようなときに、この雪を漁業者は、「ブリ起し」と呼びます。
    西から前線が通過し、北から寒波が、伊豆諸島の方まで下がった場合に、春の雪となります。海は大時化です。

    地上で起こる出来事が、海の中にどのように影響しているかを考えて下さい。
    海上の雷は、マストや、かぶっている帽子のハトメなどまでにも落雷しますので、事故に注意して下さい。

お魚情報館
.
Copyright(C) Sept. 30 ,1998 by Toshio Yabe. All rights reserved