北前船ロマン研究会 

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                                                 2025年7月1日 更新

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「第3部 北前船と寄港地域のロマン(スポット編)」の

第14章 国境の島・択捉島死守のため奮闘した兵庫津の北前船の船主たち」を新たに掲載しました。


ロマンの連載」のページで閲覧して下さい。


北前船ロマン研究会 の活動の概要


北前船ロマンとは

かつての「北前船」に関わってきた様々な人々や寄港地、そして運ばれた物資、情報によって産み出されたロマン(物語)です。


北前船とは

江戸時代半ばから明治30年代にかけて、大坂から瀬戸内海と日本海の各湊(港)を寄港しながら、蝦夷(北海道)を結んだのが「北前船」。
「北前船」は瀬戸内地区の人から、瀬戸内から「北の方(北前)」の日本海を進む船の総称として呼ばれたものです。(他の説もありますが)
その役割は単に地域の特産物の商品を運送するだけでなく、寄港地近傍からの特産物で安く買える商品を買い付け、次の寄港先で需要があり高く売れる商品を売りさばきました。
情報のない時代に、寄港した地で、相場を見ながら、安いと思う商品があれば買い、船の荷物で高く売れる商品があれば売るという、売り買いの価格差を利用した独特の商法で「1航海千両(現在では1億円)」の利益を上げる、いわば「動く総合商社」のような存在でした。
鎖国時代(海外との門戸が限られていた)にあって、北前船で運ばれた物資によって、その寄港地と周辺地域には必要な物資が集散し、地域がダイナミックに活性化し、そのことで、明治維新後の日本の近代化に陰ながら貢献しました。

北前船が運んだ物資は、大坂や瀬戸内からの「下り」荷として、米、塩、酒、麹、味噌、醤油、茶、煙草、綿、呉服、木綿の古着、紙、ローソク、金物、鉄(蹈鞴の鉄)、陶器、漆器、木製品、漁網、麻、縄、藁製品、薬、瓦、石(御影石、笏谷石)、
蝦夷地や日本海の各地からの「上り」荷として、ニシンの開き、身欠きニシン、胴ニシン、ニシン粕、干し鮭、塩鮭、塩鱒、魚油、昆布、ナマコ、熊やアザラシの皮革、熊の肝、鷹、木材などでした。

北前船は春から夏に、日本海を対馬海流と南からの偏西風を利用し、東北地方や蝦夷地に向かって帆走し、秋にはシベリア高気圧からの季節風の北風を利用して南に向かいました。
自然の力を利用するための堅牢な船体、波を切り裂く鋭い船首、そして何よりも特徴的な巨大な一枚帆と巨大な舵。
主に弁財船(べざいせん)と呼ばれる和船です。米1,000石(2,500俵)積めるので「千石船」と呼ばれました。
漕ぎ手がいなくても帆走できるため、千石以上を積み込める大型船でも10数人で運航することができました。

航海は基本は年に1回で、冬場は北前船の維持をするため淡水の河川で停泊(船体に付着する船虫等の駆除のため)させ、船体部品の交換や修理をするとともに、船頭や水主(かこ)の乗組員の休養に充てられました。
その間に地元に戻った乗組員から、各寄港地の情報や文化、技術が口伝され、それらを取り入れた新たな地域文化が花開きました。


一方で、熟練の操船技術を持つ船乗りにとっても、嵐にあえば「板子一枚下は地獄」の恐怖にさらされます。
商品を無事に運べば多額の利益を得られる北前船も、沈んでしまえば一巻の終わり、全財産を失う船主もいました。
危険と隣り合わせの航海は、安全を神仏の庇護に求めるしかありません。
寄港地の中心や小高い丘には神社や寺院があります。航海の安全を祈願して奉納された数分の1の船の模型や、船絵馬がたくさん残されています。

多くの北前船の寄港地では、物流の中継地や造船の拠点として、物資や人、情報が集まり、吸収され、寄港地から周辺の各地で独特の文化や産業を生み出され、浸透していきました。
かつての寄港地には、現在でも、船宿、廻船問屋や商家、蔵など、大規模な建物が残されているところを見ることができます。
町は、小路に沿って家が軒を連ね、小路はそのほとんどが海に向かう特徴的な町割りを見せています。
船乗りに安らぎと解放感を与えた旅籠や花街、日和を見た小高い山、航海の安全を祈った神社仏閣など、北前船がもたらした機能が整えられています。
日本海側の地域は、今日では「裏日本」と言われますが、北前船が活躍した時代は、賑やかで活力のある「表日本」地域でありました。

 


北前船ロマン研究会とは


「北前船ロマン研究会」(以下「本研究会」という)は、北前船が活躍した時代を振り返り、北前船を支えた様々な人々によって創り出されたロマン(物語)について、周知の知識や情報をベースに、興味を持って、楽しみながら、理解を深めることを目的とする組織です。

歴史に関しての詳しい知識やデータは必要ありません。
各地に伝わる北前船に関わるロマン(物語)を見て、聞いて、物語を膨らませ、疑問に思ったことを、一つでも納得できるロマン(物語)にすればいいのではありませんか。

本研究会は、入会金や会費の徴収は行っておりません。いつでも、自由に閲覧することができます。
もし、HPの更新や「ロマン連載」の新たな章の掲載をした際に、会からその連絡を希望される方は、上段のリンク先の「研究会への入会」(読者登録)をクリックしていただき、登録に必要な事項に従って、会が定めるメールアドレス先に連絡ください。



現在の時間と情報が瞬時に流れる時代の今こそ、あらためて「北前船」に乗って、時間がゆっくりと流れ、人情があふれた時代の物語(ロマン)を探す(研究する)旅に出ませんか。



北前船ロマン研究会 の連絡先

代表者   中山 尚憲(なかやま ひさのり) 
 E-mail  nakayama75154@zeus.eonet.ne.jp


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