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《千代切》
 
 
巻子(紙本着色)、桐箱
 
2017年
 

 

 本図は塗りの小箱に納められた指貫を描いている。これは「千代」(1906-1993)という女性が作った刺繍入りの指貫で、元々は千代の嫁入り道具の一部であったもの。娘が結婚する時に持たせて、現在は千代の娘が自身の桐箪笥に入れて保管している。現代の日本では、たくさんの嫁入り道具を持って女性が嫁ぐ慣習はなくなりつつある。この作品は、消えつつある文化、当時の女性の社会的地位、ひとりの女性の人生などを、絵巻物にして描き残したもの。
タイトルの「−切(きれ)」とは、ハギレ、断片などの意味。