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中国文学の書評 |
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村上知行 (むらかみ ともゆき)訳 |
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(プロフィール) 1899年、福岡県博多に生まれる。 旅回りの新派劇団の座付作者などをしながら、独学で中国語を学び、昭和2年、28歳のときに上海に渡り、昭和9年北京に入り、敗戦の翌21年まで滞在。 昭和51年3月没。 |
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西遊記おススメ度:(5点満点)![]() ![]() ![]() ![]() 本体価格:480円(上)、440円(中)、440円(下) 発行所 :社会思想社 発行日 :1976年12月20日(上)、1977年1月30日(中)、1977年2月28日(下) 形態 :文庫・283ページ(上)、264ページ(中)、243ページ(下) ジャンル:中国文学 目次 (上巻) 第一回 石の『たましい』が目ざめ石の『こころ』が動きだす 〜 第二六回 蓬莱の島に、薬はなかった 枯れ木の甦りは観世音の甘露で (中巻) 第二七回 妖魔の正体は『白骨美人』 悟空が三蔵から放逐される 〜 第四九回 金の鱗の妖怪は、なにものだったか?河底の水府は『水元之第』 (下巻) 第五〇回 立ち昇るは邪気か?毒気か? 地上の『円』は、金城鉄壁 〜 第七四回 何が真如か?何が覚か? うそ・でたらめが大団円 |
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![]() 唐の玄奘が、天竺まで経本を取りに行く冒険旅行譚に、神話・伝説が付け加えられた奇想天外な中国小説「西遊記」の日本語訳本である。 上巻では、孫悟空を中心に、玄奘、猪八戒、沙悟浄、白馬の生い立ち、から天竺までの旅立ちを描いている。 中巻では、天竺にいたるまでの道程を描いている。 名な金角・銀角とひょうたんの話が収録されている。 下巻では、天竺にいたるまでの道程と天竺への到着までを描いている。 有名な牛魔王と芭蕉扇の話が収録されている。 ![]() 日本では孫悟空の大暴れの話が中心で、その他の登場人物に触れられることは少ないが、本書では玄奘、猪八戒、沙悟浄、白馬についても触れられており、これまで知らなかったことも知ることができてためになる。 また天竺への旅についてもその道程についての話がほとんどであるが、本書では実際に到着するところまで触れられている。 これまで紹介されてきた「孫悟空」や「西遊記」に比べかなり新鮮な感じがする。 ただ、訳者も後書きで触れているが、話の後半では妖怪退治のために神の力を頼りきっており、話としては面白みに欠ける。特に前半の面白さ(孫悟空の天界での大暴れ)に比べると落差が著しい。 |
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(書評作成:2005年4月10日) | ||
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咲村 観 (さきむら かん) |
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秦の始皇帝おススメ度:(5点満点)![]() ![]() ![]() ![]() 本体価格:420円 発行所 :講談社文庫 発行日 :1987年2月 形態 :文庫・315ページ ジャンル:歴史小説 目次 1章 邯鄲(かんたん)の夢 2章 相剋の譜 3章 覇者の舞い 4章 乱世に処す 5章 地上の天帝 6章 祖竜死す 7章 滅亡への道 |
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![]() 紀元前247年、わずか13歳で秦王に即位した政(始皇帝)は、韓・趙・燕・魏・楚・斉の6国を次々に滅ぼし紀元前211年に中国最初の統一国家である秦を建国した。 だが10年後、項羽や劉邦の反乱によって、その基礎は早くも崩れる。 政の誕生から政の死、政の死後宦官の悪政のため国内が乱れ、項羽と劉邦により秦が滅亡するまでの話を描いている。 ![]() 学校の歴史で習うのは始皇帝が中国史上初めて全国制覇を成し遂げたということだけである。 この本では始皇帝が生まれたときから中国の戦国時代に終止符を打って秦を建国し、その死後項羽と劉邦によって秦が滅亡させられるまでの一連の流れが記述されている。 歴史書ではなく小説であるので非常に読みやすい。 歴史を学び始めた学生、歴史に興味がある学生にはぜひ読んでもらいたい本である。 |
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(書評作成:2003年12月18日) | ||
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