雫井脩介さんの本の書評 |
|||
雫井脩介 (しずくい ゆうすけ) |
|||
(プロフィール) 1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。 2000年に第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作、『栄光一途』でデビュー。 2005年に『犯人に告ぐ』で第7回大藪晴彦賞を受賞。 |
|||
犯人に告ぐ クローズド・ノート | |||
犯人に告ぐおススメ度:(5点満点)本体価格:600円+税(上)、619円+税(下) 発行所 :双葉社 発行日 :2007年9月20日 形態 :文庫・326ページ(上)、344ページ(下) ジャンル:サスペンス・ハードボイルド、映画化された小説 |
|||
内容 川崎市で連続児童殺人事件が発生。 犯人は「バッドマン」と名乗りマスコミに対し犯行声明を送りつけてきたが、その後姿を消してしまう。 捜査に行き詰まりを感じた神奈川県警は、現役捜査官をテレビニュースに登場させ、犯人に呼びかけるという型破りな「劇場型捜査」を行う事を決定した。 その捜査官に任命されたのは、6年前に児童誘拐事件の捜査に失敗、さらにはその後の記者会見においても大失態を演じた巻島警視であった。 前代未聞の「劇場型犯罪」vs「劇場型捜査」の進展はいかに・・・ 感想 本来秘密にされるべき捜査官がテレビニュースに登場して、犯人に対して呼びかけるという奇想天外な設定である。 ただ話としては無茶な展開は見られず、自然な感じで話が進行していく。 このあたりは作者の筆力がすごくて、無茶な設定をさも自然なように感じさせているのであろう。 最近の警察小説の一種のトレンドでもある警察内部の複雑な人間模様も描かれており、話の展開にひねりを加えている。 あえて難をいえば凶悪犯でありながら犯人の影が薄すぎる点があげられるが、闇に潜む犯人をどう燻り出してくるかが捜査の醍醐味となっているのであえてそのような設定にされているのであろう。 上・下巻で計670ページと非常に読み応えはあるが、話の展開が面白いので一気に読みきってしまった。 |
|||
(書評作成:2007年9月30日) | |||
トップ > 書名別検索(は行) トップ > 作者別検索 トップ > ジャンル別検索(サスペンス・ハードボイルド) トップ > 映像化された小説 > 映画化された小説 トップ > 文学賞の紹介(大藪晴彦賞) > 大藪晴彦賞 トップ > 文学賞の紹介(週刊文春ミステリーベストテン) > 週刊文春ミステリーベストテン |
|||
クローズド・ノートおススメ度:(5点満点)本体価格:667円+税; 発行所 :角川文庫 発行日 :2006年6月25日 形態 :文庫・444ページ ジャンル:日本文学(文芸)、映画化された小説 |
|||
内容 堀井香恵は文房具店でアルバイトをする女子大生である。 日々を楽しく過ごす彼女であったが、なんとなく物足りなさを感じていた。 そんな彼女の元に万年筆を買い求めに来た男性が現れ、彼と話をしていくうちに徐々に心が魅かれていった。 また彼女の住むアパートには前の住人の忘れ物であるノートが残されていた。 そのノートを開いた彼女はそのノートの内容にも心が魅かれていった。 感想 話を読み始めてすぐにストーリーの全容がわかってしまった。このように書くと、そこが浅くて面白くない小説であると捉えられてしまうかもしれないが、ストーリーが分かるがゆえに邪念が入ることなくストーリーを楽しむことができる。 ストーリーが読めてしまう点~低評価をつける人もいるようであるが、「犯人に告ぐ」などのミステリーも手がける著者なので、読者にストーリーの全容を早期に知られてしまう展開はおそらく確信犯的なものであろう。 すごくピュアなストーリーであり、主人公の心の成長も感じることができ、実に楽しむことができた。 特に最後の数ページは感動の嵐であった。海外出張のときの暇つぶしに読んだが、一気に読みきってしまった。 |
|||
(書評作成:2013年2月22日) | |||
トップ > 書名別検索(か行) トップ > 作者別検索 トップ > ジャンル別検索(日本文学(文芸)) トップ > 映像化された小説 > 映画化された小説 |
|||
|
|||
Copyright(c) 2015 My Little Library. All Rights Reserved. |