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松岡圭祐さんの本の書評

 

松岡圭祐 (まつおか けいすけ)

 
(プロフィール)
1968年愛知県生まれ。「催眠」で小説デビュー。
以後、「水の通う回路」、「千里眼」、「千里眼/ミドリの猿」、「煙」と続く。

松岡圭祐の公式ホームページへ
http://www.matsuokakeisuke.jp/
 
【催眠シリーズ】
催眠  後催眠
【千里眼シリーズ】
千里眼  千里眼 ミドリの猿  千里眼 運命の暗示  千里眼 洗脳試験  千里眼 メフィストの逆襲  千里眼 岬美由紀
千里眼 マジシャンの少女  千里眼の死角  ヘーメラーの千里眼  千里眼 トランスオブウォー  千里眼とニュアージュ
千里眼 背徳のシンデレラ
【マジシャンシリーズ】
マジシャン  イリュージョン マジシャン第2幕
【蒼い瞳とニュアージュシリーズ】
蒼い瞳とニュアージュ
【その他】
伏魔殿
 
  
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催眠

催眠 Hypnosis

おススメ度:(5点満点)

本体価格:619円
発行所  :小学館文庫
発行日  :1999年5月
形態   :文庫・509ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説、ドラマ化・映画化された小説
 内容
 ニセ催眠術師である実相寺則之の前に現れた謎の女・入江由香。 彼女は自らを宇宙人であると言い、実相寺の前で謎の能力を見せた。 テレビで彼女のことを知った東京カウンセリング心理センターの催眠療法科長・嵯峨敏也は彼女の能力の秘密を見抜き、彼女に近づく。 そんな折、彼らはある事件に巻き込まれていく。

 感想
 はじめ表紙だけ見たとき、オカルトあるいはホラー小説かと思ったが、読み進めていくうちに間違いであることが分かった。 非常によくできた推理小説であった。
 カウンセラーが謎を解き明かしていくという点が新鮮であったし、また本篇とは関係ないところで繰り広げられるカウンセリングによって人を救う話(高倉や朝比奈の話)は感動的であった。 引き続き「千里眼」などの松岡小説を読んでみたいと思った。
(書評作成:2003年12月23日)
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後催眠

後催眠

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,400円+税
発行所  :小学館
発行日  :2000年10月20日
形態   :単行本・229ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 「催眠」の世界より数年前が舞台。 嵯峨俊哉は謎の女から電話を受けた。 その内容は、かつて嵯峨に催眠療法を指導した深崎医師の失踪を、木村絵美子という女性に伝えてほしい、というものであった。
 嵯峨は二人がかつて医師と患者の関係であったこと、また深崎は癌に侵されその後失踪したことを知る。 嵯峨は依頼どおり絵美子のもとに赴き、深崎のことを伝える。 しかし絵美子は神経症とある事件に悩まされていた。

 感想
 「催眠」や「千里眼」シリーズのようなサスペンス・ハードボイルドものかと思って読んでみたが、内容はまるっきりラブストーリー。 しかし非常に面白く、また感動的であった。 「催眠」の登場人物がここでも登場し、一応「催眠」とのつながりはあるが、あくまでも主人公は深崎と絵美子。 嵯峨は完全脇役というよりエキストラ的な存在である。
 最後の最後で思いもよらぬ大どんでん返しがあり、最後まで息もつかせぬ展開。 それでいて読後はすっきりした気分になれる。オススメの本といえるであろう。
(書評作成:2004年10月8日)
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千里眼

おススメ度:(5点満点)

本体価格:690円
発行所  :小学館
発行日  :2000年4月1日
形態   :文庫・571ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説、映画化された小説
 内容
 日本は謎のカルト教団「恒星天球教」が引き起こす無差別テロの恐怖にさらされていた。 米軍のミサイルが恒星天球教のテロリストにジャックされ、内閣がその標準となった。 それを阻止するためにはミサイルの暗号を解読しなければならない。 自衛隊の要請を受け、「千里眼」の異名をとる友里佐知子とその弟子の岬美由紀が暗号の解読にあたり、見事任務を完了する。 しかし次から次へと教団の魔の手がせまる。恒星天球教の目的とその正体は・・・。

 感想
 500ページ強と非常に長い小説であったが、面白くて一気に読んでしまった。 何の前知識もなかったため、本のタイトルから「超能力モノ」かと勘違いして読み始めた。 エンターテイメントものとして現実離れした部分はあるが、現実離れした部分をちゃんと本文中で説明しているということもあり、矛盾なく読み進めることができた。
 読後の感想としては痛快そのもの。 特に最後の部分は米映画を髣髴させるスケールの大きさであった。 続編も読んでみたいと思わせる内容であった。
(書評作成:2004年8月18日)
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千里眼 ミドリの猿

千里眼 ミドリの猿

おススメ度:(5点満点)

本体価格:552円+税
発行所  :小学館
発行日  :2001年4月1日
形態   :文庫・460ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 「千里眼」における恒星天球教の事件から8ヵ月後。 恒星天球教の事件の功績から政府に採用された岬美由紀は、自らの正義感と洞察力のために出張先の外国で事件を起こしてしまう。 その事件がもとで、日本と中国の間に戦争の危機が迫る。 しかしそこには、ある恐るべき団体の策略が隠されていた。
 「催眠」と「千里眼」の世界、登場人物が融合されたエンターテイメント小説。

 感想
 「千里眼」の爽快感やエンターテイメント性がそのまま引き継がれている。 また催眠の世界や登場人物がうまく融合されておりどちらの本も読んだ人はニンマリとできるであろう。
 ただ映画「マトリックス」シリーズの「マトリックスリローテッド」のような感じで、この本だけでは話は完結せず、あくまでも二話完結の前篇の位置づけである。 つぎの「千里眼 運命の暗示」を読まないことにはすっきりしない。 続編があるにせよ、この本で一応の話の完結は見たかった。
 またこの本ではタイトルの「ミドリの猿」の意味はよく分からなかった。 これらの理由のため話的には面白かったが3点の評価(おススメ度)とした。
(書評作成:2004年8月29日)
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千里眼 運命の暗示

千里眼 運命の暗示

おススメ度:(5点満点)

本体価格:571円+税
発行所  :小学館
発行日  :2001年12月1日
形態   :文庫・435ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 「千里眼 ミドリの猿」の続編。 前作でメフィスト・コンサルティングの罠にはまり、捕らえられた岬美由紀を救い出すため、嵯峨敏也と蒲生誠(千里眼の登場人物)は、東京湾に浮かぶ無人島に向かう。 しかしその行動自体はメフィスト・コンサルティングに仕組まれた巧妙な罠であった。
 一方、メフィスト・コンサルティングの集団マインドコントロールにより中国は日本に対し宣戦布告する寸前であった。
 嵯峨たちは岬を救えるのか、また日中開戦の危機は回避できるのであろうか?

 感想
 前半部分での岬のいたぶられようは読んでいてかわいそうになるくらいであった(ターミネータ2,3におけるシュワルツェネッガー型ターミネータのよう)。 また岬や嵯峨たちの追い込まれ方、どうしようもない閉塞感もまた半端ではない(ダイハードのマクレーンのよう)。
 中盤からの一発逆転は読んでいて爽快そのものである。 比較的ページ数の多い本であるが、一気に読んでしまった。 前作まででもやもやしていた「ミドリの猿」の謎も解けて、すっきりした。
 ただエンディングの部分は(重要な部分であるが)、進行が遅くてページを割きすぎの感があり、中盤までのスピーディさに比べるとちょっと違和感を感じる。
(書評作成:2004年10月25日)
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千里眼 洗脳試験

千里眼 洗脳試験

おススメ度:(5点満点)

本体価格:838円+税
発行所  :小学館
発行日  :2002年1月1日
形態   :文庫・307ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 千里眼シリーズの第3弾。
貨物飛行機のパイロットが京都上空で突然異常な言動、挙動を示し、飛行機が墜落の危機に瀕した。 千里眼シリーズでおなじみとなった岬と嵯峨の活躍により、危機は免れた。 その後の調査で、そのパイロットは謎の自己啓発セミナー「デーヴァ瞑想チーム」に参加していたことが分かった。 岬、嵯峨たちはそのセミナーが宿敵・友里により企画されたこと、またセミナーの参加者4000名は罠にはめられ、爆弾テロに脅かされていることに気付く。

 感想
 物語は毎度おなじみの人物が登場し、心理学を駆使した罠(今回の物語では洗脳と爆弾テロ)が仕掛けられ、それらを岬や嵯峨が解き明かすというパターンである。 マンネリ化している感はいがめないが、それでもやはり面白く、読み始めるとやめられない。 今回の物語では岬たちの宿敵・友里の生い立ちや生涯が語られており、その部分を読むだけでも千里眼ファンの人にとっては価値があるであろう。
(書評作成:2005年7月2日)
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千里眼 メフィストの逆襲

千里眼 メフィストの逆襲

おススメ度:(5点満点)

本体価格:619円+税
発行所  :小学館
発行日  :2002年7月1日
形態   :文庫・461ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 千里眼シリーズの第4弾。
 日本海岸で13歳の少女が父親がちょっと目を話した隙に忽然と姿を消した。 時を同じくして日本海岸には北朝鮮のものと思われる不審船が現れた。 自衛隊時代の岬美由紀は、F15で出撃するが、命令により不審船を取り逃がす。 失意の岬は自衛隊を去り、カウンセラーを目指す。
 その4年後、カウンセラーとなった岬の元に、4年前見失った少女の父親から依頼が舞い込む。 その依頼は少女のことを知っているという、北朝鮮工作員と思われる女性・李秀卿に接触し、少女の情報を聞き出すというものであった。

 感想
 「千里眼 岬美由紀」の欄に併せて記載します。
(書評作成:2007年7月26日)
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千里眼 岬美由紀

千里眼 岬美由紀

おススメ度:(5点満点)

本体価格:619円+税
発行所  :小学館
発行日  :2002年7月1日
形態   :文庫・449ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 「千里眼 メフィストの逆襲」の後編。
 北朝鮮工作員と思われる女性・李秀卿が警察による身辺警護網を掻い潜り、忽然と姿を消した。 その直後、4年前に北朝鮮に拉致されたと思われた少女が思わぬ形で発見される。 岬は李秀卿が残した数少ない痕跡から彼女がニューヨークにいることを知り、ニューヨークに向かう。 ニューヨークの世界貿易センタービルで彼女を発見した岬は、未曾有の大惨事に見舞われることとなる。 

 感想
 前作までで完璧な洞察力や人間性を見せていた岬美由紀ではあるが、本編では一変して精神的、感情的な弱さを呈している。 前作からのギャップが激しいが、今後もシリーズが続くことを見据えた著者が、岬があまりにも俗人離れすることを嫌って今回の設定にしたのであろう。
 アクションものとしては相変わらず面白い。 前作にはあまり無かった残虐なシーンがちょっと玉に瑕であるが。
 ただちょっと気になる点が2点あった。 物語の核心に触れるのであまり詳細には書かないが、本作品での北朝鮮の扱いはちょっと現在の状況からするといただけない。 本作は実際の事件を題材にパラレルワールド的な設定にしているが、まさか北朝鮮が現在のような状況にいたるとは読みきれなかったのであろう。
 もう一点。 メフィストの逆襲というサブタイトルがついているが、これはちょっと誇張表現ではないか。 「ミドリの猿」、「運命の暗示」のメフィスト・コンサルティングの行動をイメージして読むとがっかりしてしまうであろう。
(書評作成:2007年7月26日)
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千里眼 マジシャンの少女

千里眼 マジシャンの少女

おススメ度:(5点満点)

本体価格:838円+税
発行所  :小学館
発行日  :2004年4月1日
形態   :文庫・686ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 お台場に極秘裏に巨大カジノが建設された。 そのオープンに先立ち、政府高官や警察関係者を対象としたオープニングセレモニーが開催された。 その日に、数十人を超す武装集団が施設を占拠する事件が発生した。 これに対し、「千里眼」岬美由紀、「催眠」嵯峨敏也、「マジシャン」里見沙希、といった松岡小説の主人公が挑む。

 感想
 松岡作品の主人公がそろい踏みとあって、これまでにずっと松岡シリーズを読んできたものにとってはうれしい作品に仕上がっている。 相変わらずのスリリングでスピーディなストーリー展開はさすがである。
 ただ、ちょっとした物足りなさも感じたのも事実。 というのも、主人公がそろい踏みの点は派手でいいのであるが、各個人の魅力がこれまでの作品に比べると希薄になっている。その点が残念であった。
 この作品で心に残るフレーズがあったので紹介。 それは岬が言う「(カジノの)経済的効果は莫大でも、人々の心を蝕みながら成長するような産業などはあってはならない」。 税収不足を埋める手段としてよくカジノ構想が話題となるが、確かに単に儲かればなんでも良いという資本主義の悪しき集大成であるカジノは断じて認めるべきものではない。
(書評作成:2011年9月24日)
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千里眼の死角

千里眼の死角

おススメ度:(5点満点)

本体価格:695円+税
発行所  :小学館
発行日  :2004年8月1日
形態   :文庫・557ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 原因不明の人体発火現象が世界各地で多発し、人々は恐怖に打ち震える。 人体発火を実際に目の当たりにした嵯峨敏也は、真相究明のために岬美由紀に救いを求める。
 人体発火の背後には、メフィストコンサルティングが進める、人類の歴史を根底から覆す戦慄のプロジェクトの存在が存在していた。

 感想
 この本を読んだときには荒唐無稽なストーリーながらも面白いなという感じで読んでいた。 ただこのストーリーに似たようなコンピュータのハッキングが実際に中国により行われていたというニュースを見てからはリアリティを感じるようになった。
 ストーリー自体は岬美由紀の超人的な活躍が中心であり、他の千里眼シリーズと同様に単純に楽しむことができる。 500ページ強のページ数でありながら、一気に読み終えてしまった。
 今回のストーリーにおいては、千里眼シリーズの謎の部分や、岬と嵯峨の関係など、千里眼ファンの人にとっては気になる描写があるので、必読である。
(書評作成:2012年1月8日)
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ヘーメラーの千里眼

ヘーメラーの千里眼

おススメ度:(5点満点)

本体価格:619円+税(上・下とも)
発行所  :小学館
発行日  :2005年4月1日
形態   :文庫・441ページ(上)、435ページ(下)

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 航空自衛隊の訓練中、基地に紛れ込んだ小学生の潜んだ箱が射撃されるという過失事故が発生した。 事故を起こしたのは精鋭パイロットの伊吹であった。
 事故に対する情報提供が不十分な自衛隊に対し、国民から批判の声が相次ぐ。 かつての恋人であった伊吹を救うため、臨床心理士の岬美由紀は伊吹の精神鑑定に乗り出す。
 ちょうどそんな折、日本には中国より新種の麻薬が密輸される事件が発生していた。 密輸を食い止めようとする日本の前2立ちはだかったのは、元中国人民解放軍のエースパイロットが操る戦闘機であった。

 感想
 本作は、かなりの部分をこれまではあまり語られてこなかった岬美由紀の反省について語っている。 岬が自衛隊に入隊するきっかけ、友里佐知子との出会い、自衛隊を除隊する背景、など千里眼シリーズを読んでいくにあたって必要なエピソードが満載である。
 本作で描かれる岬美由紀はかなり人間味にあふれており、これまでのシリーズからすると結構奇異に移る。 しかしどちらかというと人間味にあふれた本作品の設定のほうが好ましい。
 戦闘機に乗り込み、敵をなぎ倒すという痛快なアクションの部分もあるので、これまでの作品と同様に痛快なアクションが好きという方にとっても安心して読むことができる作品である。
(書評作成:2012年9月15日)
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千里眼 トランス・オブ・ウォー

おススメ度:(5点満点)

本体価格:619円+税(上・下とも)
発行所  :小学館
発行日  :2005年8月1日
形態   :文庫・436ページ(上)、445ページ(下)

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 イラクにおいて現地の武装集団により日本人が拉致される事件が発生した。 日本政府は武装集団との交渉のために外務省職員を派遣するが、あわせて人質がPTSDを発症している可能性があるため、岬美由紀も派遣した。 交渉の最中に武装集団同士の衝突による戦闘が発生した。 岬の活躍により人質は無事生還したが、岬は武装集団にとらわれてしまう。
 そんな中、岬はイラクの武装集団に対して、武装集団同士の衝突、アメリカとの戦闘などの戦争は、人間の心理に潜む”トランス・オブ・ウォー”により起こされるのだということを説き、戦闘をやめさせようと努力する。 しかしその概念はあまりにも危険なものであり、それにより岬は心身ともに追い込まれていくこととなる。

 感想
 ここ数作品はあまり岬美由紀の活躍が描かれてこなかったが、本作品ではまさに孤軍奮闘の大活躍である。 それとあわせてこれでもかというくらいに痛めつけられてしまっているが・・・。
 本作品は、トランス・オブ・ウォーという概念が本当にあるかどうか知らないが、戦争の愚かさを知らしめようとするという意欲作に仕上がっていると感じた。 またアメリカおよびその大統領(ブッシュ)をとことんこき下ろしているところが痛快でもある。 また”ヘーメラーの千里眼”に引き続き、自衛官時代の岬のエピソードが述べられ、さらには”蒼い瞳とニュアージュ”の一之瀬との関係についても記載され、シリーズ全体の関係を知る上でも重要な位置づけとなる作品である。
 ただ、本作品において惜しむらくは愚鈍なブッシュを陰で操っているコンサルティング会社と岬との対決が描かれていなかったことである。
(書評作成:2013年7月14日)
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千里眼とニュアージュ

千里眼とニュアージュ

おススメ度:(5点満点)

本体価格:619円+税(上・下とも)
発行所  :小学館
発行日  :2005年12月1日
形態   :文庫・397ページ(上)、393ページ(下)

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 IT企業・ジンバテックが運営する福祉都市”萩原県”では、全国から集めえ荒れた無職の人々、失業者たちが手厚い保護の下、不自由のない暮らしを送っていた。 しかしその住民の一部が、毎夜悪夢を見るという悩みを抱えるようになった。 そんな悩みを抱える住民の一人が同じく萩原県に住む”青い瞳とニュアージュ”の一ノ瀬恵梨香の元を訪れる。 一ノ瀬は彼女の要望を聞き、岬美由紀の元に彼女を送り届ける。
 住民が見る悪夢の背景にはジンバテックが仕掛けたある恐ろしい計画があること、また一ノ瀬の心の中に闇があることを知った岬はそれらの両方を解決するべく、奔走する。

 感想
 本作はいろんな意味で楽しむことができた。ひとつは松岡ワールドの主人公である、岬と一ノ瀬の競演。これまでの作品で触れられてきた岬と一ノ瀬の因縁がさらに詳細に語られている。 一ノ瀬の心の闇を解きほぐしながらも、あわせて”ヘーメラーの千里眼”、”千里眼 トランス・オブ・ウォー”で触れられてきた岬の過去の心の傷が癒されて一歩成長していくのがよく分かった。
 また読者の興味をそいでしまうので詳細は書けないが、荒唐無稽な設定のストーリー展開であるが、なんとなくありそうというようにリアリティを持って読み進めることができた。
 本作を読んでいて気になったところは、一ノ瀬恵梨香の今後のことである。 一区切りがついたということで彼女はもう登場することはないのであろうか? もしそうだとすると個性的なキャラクターの一人がいなくなるということで非常に淋しい気がする。
(書評作成:2013年8月9日)
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マジシャン

マジシャン

おススメ度:(5点満点)

本体価格:657円+税
発行所  :小学館
発行日  :2003年6月1日
形態   :文庫・585ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 「目の前でお金が倍に増える」と人々が口を揃えて証言する奇妙な詐欺事件が発生した。 事件を担当した舛城警部補は事件を追い進めるうちに一人の少女マジシャン・里見沙希に出会う。 彼女は事件の背後にマジックのトリックがあることを語った。

 感想
 マジックのトリックと詐欺事件をうまく絡めた展開は面白い。 この話の中ではマジックにかかわる詐欺事件と、コンピュータウィルスによる金融危機の二つの事件が同時進行で進んでいくが、それらが同時に解決される展開はちょっとご都合主義かとも思ったが、まあ面白いので許容できる。
 登場人物のおのおのの心理的な成長もうまく描かれていた。 この話の登場人物を題材にした話はシリーズ化されているとのことであり、それらも読んでみたいと思わせる出来であった。
(書評作成:2007年11月26日)
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イリュージョン マジシャン第2幕

イリュージョン マジシャン第2幕

おススメ度:(5点満点)

本体価格:695円+税
発行所  :小学館
発行日  :2004年10月1日
形態   :文庫・557ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 マジックが趣味であった中学生の少年・椎橋彬は家庭のトラブルから、突発的に家を飛び出し東京に向かった。 そこで彼はテレビで万引きGメンの存在を知る。万引きを見破る上でマジックの知識が役立つことを知った彼は、年齢を詐称し万引きGメンとなる。
彼は次々と万引きを見破る一方で、マジックの知識を活用し自身が万引きを繰り返す。
 そんな彼に捜査二課・桝本警部補と天才マジック少女・里美沙希の追跡が及ぶ。

 感想
 前作の「マジシャン」における痛快さを期待していたが、本策はその期待にこたえるものではなかった。 この本で描かれているのは、少年の幼稚で身勝手な論理による少年犯罪、およびその少年を何とか更生させようとする大人の頑張りである。
 結局のところこの物語はハッピーエンドを迎えるのであるが、どうもすっきりしない部分も多く残った。 犯罪を起こしたものが更生するのはよいことではあるが、その更生の過程が省略されているために、犯罪を起こしたもの勝ちの印象が残ってしまった。
 また本作品では里美沙希の果たす役割は大きいものの、登場はわずかであるしその登場も唐突な感じがした。 里美沙希のキャラクターを生かしきれていない感じがしたのは残念である。
(書評作成:2013年6月1日)
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蒼い瞳とニュアージュ

蒼い瞳とニュアージュ

おススメ度:(5点満点)

本体価格:600円+税
発行所  :小学館
発行日  :2004年6月1日
形態   :文庫・333ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説、ドラマ化された小説
 内容
 キャバクラで放火事件が発生した。 事件の調査のために警察を訪れた内閣情報調査室の宇崎は、ギャル系ファッションに身を包んだ臨床心理士・一ノ瀬恵梨香が鮮やかな分析で事件を解決するのを見て驚く。
 そんな時、爆弾テロの予告が内閣情報調査室二枚込む。 宇崎は事件の解決のため、一ノ瀬に協力を求めた。

 感想
 普通の女性が分析力を駆使して事件を解決していく。 その点で超人的な活躍を見せる千里眼・岬美由紀とは一線を画する。 千里眼も面白いが、こちらは(事件の規模も含めて)よりリアリティがあり別の面白さがある。
 主人公はギャル系ファッションに身を包んだ女の子ということで、キャラクターの個性も主張され、その魅力が十分に伝わってきた。 引き続き、一ノ瀬の活躍を読んでいきたいと思う。
(書評作成:2010年2月6日)
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伏魔殿

伏魔殿

おススメ度:(5点満点)

本体価格:552円+税
発行所  :徳間文庫
発行日  :2001年12月
形態   :文庫・307ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 愛知県稲沢市の「はだか祭り」を題材にしたフィクション小説。 世の中に興味を失った榎木はふとしたことから布施宮諸肌祭りを彩る厄落としの神である神人に選ばれる。 ただ神人の選考と布施宮諸肌祭りには罠と陰謀が隠されており、榎木は厄落としどころか、厄難に巻き込まれる。

 感想
 世の中に興味を失い人との交流を避けている男が、厄難に巻き込まれながらも人との交流を持ち、陰謀の謎に挑む様子がうまく描かれている。 また人物の心情の移り変わりもうまく描かれている。 話の進行のテンポもよく、また最後にどんでん返しが用意されており、全く飽きることなく読み進むことができた。 「催眠」、「千里眼」シリーズとはまた違った作品としてうまく仕上がっている。
(書評作成:2004年3月20日)
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