1つの慣用語句集は、ここで説明する書式で記述されたテキストファイルに 格納されます。このファイルのファイル名は任意ですが、拡張子名は、通常、 .ptx にしておきます。
慣用語句集のテキストは、1つの「タイトル規定行」と、1つ以上の「項目規定部」 から、構成されます。この両者の間には、空行があっても構いません。また、所定の 書式に合致しない部分は読み飛ばされます。その場合、特にエラーメッセージは、 表示されません。
タイトル規定行は、慣用語句集の「タイトル名」を規定します。これは、 「Title:」から始まる1行で、次のような書式になります。
Title: 〈タイトル名〉 〈ソートキー〉
ここで、項目規定部は、慣用語句集内の各項目の「項目名」とその内容を指定します。 これは、「Item:」から始まり、Form Feed コード( 0x0C )で終る部分で、 次のような書式になります。
Item: 〈項目名〉 〈オプション〉
〈入力テキスト〉〈FF〉
b | 〈入力テキスト〉を矩形状(ボックス状)に挿入します。 この指定時、-i オプションは無効です。 |
i | 〈入力テキスト〉内の改行コードで自動インデントします。 |
s | 〈入力テキスト〉で選択範囲を囲みます。この詳細は、後述します。 |
t | 挿入後のカーソル位置を挿入部の先頭にします。 この指定がなければ、挿入部の末尾になります。 |
x | メタ文字 \ を無効にします。この指定がなければ、 メタ文字 \ は有効です。このメタ文字の詳細は、後述します。 |
\t | 水平タブコード( \x09 ) |
\n | 改行コード( CR/LF, LF, CR のどれか、現改行種別に依存 ) |
\r | キャリッジリターンコード( \x0D ) |
\v | 垂直タブコード( \x0B ) |
\f | フォームフィードコード( \x0C ) |
\e | エスケープコード( \x1B ) |
\\ | \ 自身 |
\xnn | ASCII コード( nn は 1〜2 桁 の16進数 ) |
\unnnn | UTF-16 ユニコード( nnnn は 1〜4 桁 の16進数 ) |
\Unnnnnn | UTF-32 ユニコード( nnnnnn は 1〜6 桁 の16進数 ) |
\@ | 入力テキストの挿入後、この位置にカーソルが来ます。 この \@ は、入力テキストには含まれません。 |
\+ | 入力テキストの挿入時、この部分は、その時点でのクリップボードのテキストに 置き換えられます。 |
\{path} | 現編集ファイルのフルパス |
\{dir} | 現編集ファイルのフォルダのフルパス |
\{file} | 現編集ファイルのファイル名 |
\{mfn} | 現編集ファイルの拡張子部を除いたファイル名部 |
\{ext} | 現編集ファイルの拡張子名 |
\{time "..."} | 現在の日時( ... は次の変換を伴う書式指定 ) |
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\{ask "〈プロンプト〉", "〈初期入力文字列〉"} | ||||||||||||||||||||||
この部分があると、その慣用語句の入力時に、まず、文字列入力の
ダイアログボックスが表示されます。そこで入力した文字列が
この部分と置き換えられます。
〈プロンプト〉は、そのダイアログボックス内の文字列入力ボックスの ラベルとして表示されます。"〈プロンプト〉" が省略された場合、 そのラベルには、「入力文字列:」が表示されます。 〈初期入力文字列〉は、そのダイアログボックス内の文字列入力ボックスに 最初に入力されている文字列です。"〈初期入力文字列〉" が省略された場合、 そこは、空文字列になります。 なお、このダイアログボックスの入力では、 エスケープ文字( \t, \n 等 )が使えます。これによって、 タブや改行コードの制御コード等を入力できます。 |