クリップボード操作


 クリップボードを使うと、編集テキスト内で各種の切り貼り操作(カット/コピー&ペースト)が行なえます。 また、クリップボードは、Windows 内の全アプリケーション間で共通なので、 クリップボードを介して、他のアプリケーションと、テキストデータのやり取りが 行なえます。

 本章では、次の各事項について説明します。

■クリップボード操作コマンド一覧

 クリップボード操作関連のコマンドの一覧を、下表に示します。 ここでは、初期環境での各コマンドのキー機能割り当ても示してあります。 このうち、基本的な機能(切り取り、コピー、貼り付け)は、Windows 標準の キー操作に準拠していますが、そのほかは、本エディタ特有の割り当てです。


コマンド 操作キー機能説明
切り取り Ctrl+X 選択テキスト部を切り取ってクリップボードへコピー
コピー Ctrl+C 選択テキスト部をクリップボードへコピー
切り取り追加 Ctrl+K 選択テキスト部を切り取ってクリップボードへ追加
コピー追加 Ctrl+T 選択テキスト部をクリップボードへ追加
貼り付け Ctrl+V クリップボードのテキストを現カーソル位置に挿入
矩形貼り付け Ctrl+B クリップボードのテキストを現位置から矩形状に挿入
クリップボード履歴 クリップボードの履歴を表示(下記「注意」参照)
現論理行を切り取り Shift+Ctrl+X 現論理行を切り取ってクリップボードへコピー
現論理行をコピー Shift+Ctrl+C 現論理行をクリップボードへコピー
現論理行を切り取り追加Shift+Ctrl+K 現論理行を切り取ってクリップボードへ追加
現論理行をコピー追加 Shift+Ctrl+T 現論理行をクリップボードへ追加
クリップボード編集クリップボードの内容を別のウィンドウで編集
クリップボード更新取込クリップボード更新内容の取り込みを切り換え
【注意】

■一般の切り貼り操作(カット/コピー&ペースト)

 一般に、切り貼り操作では、まず、対象となるテキストの部分を選択します。 この選択には、文字範囲、行範囲、矩形範囲の3形態がありますが、 切り貼り操作では、文字範囲と行範囲の選択は、区別なく扱われます。しかし、 矩形範囲の選択では、少し特殊な扱いになるため、これに関しては、次節で説明します。

 文字範囲や行範囲の選択部分に対して、「切り取り」や「コピー」を行なうと、 クリップボードに、その部分のテキストが格納されます。 また、その選択部分に対して、「切り取り追加」や「コピー追加」を行なうと、 クリップボードの現在の中身の末尾に、その部分のテキストが追加されます。 但し、クリップボードの現在の中身がテキストでない場合、その中身は、 その部分のテキストだけになります。

 これらの操作において、 「切り取り」と「切り取り追加」では、その選択部分は、削除されます。一方、 「コピー」と「コピー追加」では、その部分はそのままです。 選択状態は、「切り取り」では、解除されますが、「コピー」では、 解除されるか否かは、環境設定に依存します。ちなみに、初期環境では、 解除されるようになっています。

 次に、切り取った(あるいは、コピーした)部分を貼り付けたい位置に、 カーソルを移動します。そこで、「貼り付け」を実行すると、クリップボードの中身の テキストが、その位置に挿入されます。この時、カーソルは、その挿入テキストの 末尾に行きます。

 この貼り付けでは、クリップボードの中身が変わるわけではないので、同じ内容を 別のところに貼り付けることもできます。また、 編集テキスト内のある部分を、貼り付けるテキストで置き換えたい場合、 その部分を選択しておいてから、「貼り付け」を実行します。 すると、選択部分が削除されてから、クリップボードのテキストが挿入されます。

■矩形範囲の切り貼り操作(カット/コピー&ペースト)

 矩形範囲が選択されている時、その範囲の各行の選択部分は、連続していません。 このような矩形範囲のテキストを、クリップボードに格納する時、本エディタでは、 その範囲の各行の選択部分の末尾に、改行コードを付加します。この改行コードは、 特殊なコードではなく、通常の改行コード(CR+LF)です。そのため、 クリップボード内のフォーマットは、通常のテキストと同じです。

 矩形範囲の選択部分に対する「切り取り」や「コピー」、あるいは、 「切り取り追加」や「コピー追加」に関しては、内部的には上記のような扱いに なっていますが、表面上の操作は、文字範囲や行範囲に対する場合と同じです。

 しかし、貼り付けに関しては、通常の「貼り付け」ではなく、「矩形貼り付け」を 実行する必要があります。この「矩形貼り付け」では、クリップボード内のテキストを そのまま挿入するのではなく、改行コードで区切られた各区間のテキスト部を、 矩形状に挿入します。この時、勿論、区切りの改行コードは、挿入されません。 なお、「矩形貼り付け」実行後のカーソル位置は、最初の挿入テキスト部の先頭に なるので、その実行前後のカーソル位置は、同じです。

 本エディタでは、矩形範囲の切り貼りを、このようにして行なっているので、 次のようなメリットもあります。まず、文字範囲や行範囲の選択部分を 「切り取り」あるいは「コピー」しても、「矩形貼り付け」を行なえば、 そのテキスト内の改行コードを区切りとして、矩形状に貼り付けられます。 また、一方、矩形範囲の選択部分を「切り取り」あるいは「コピー」しても、 それを通常に「貼り付け」することもできます。

 ところで、改行コードが含まれていないテキストを貼り付ける場合、 通常の「貼り付け」でも、「矩形貼り付け」でも、挿入内容は同じですが、 その実行後のカーソル位置が異なります。通常の「貼り付け」では、 挿入テキストの末尾になり、「矩形貼り付け」では、その先頭になります。 そのため、このような場合においては、「矩形貼り付け」を、 カーソル位置が挿入テキストの先頭になる貼り付け用に使えます。

 なお、矩形範囲の切り貼り操作は、 非等幅フォント(プロポーショナルフォント)使用時でも、 オーバーヘッドや処理速度の低下なしに、行なえます。

■クリップボードの編集

 クリップボードの内容は、直接編集できるようになっています。 それを行なうには、「クリップボード編集」を実行します。 この機能は、初期環境では、メインメニューの「編集」内にあります。

 「クリップボード編集」を実行すると、-Clipboard- というタイトルの 編集ウィンドウが開いて、そこに、その時点でのクリップボードの中身の テキストが表示されます。このウィンドウでは、各種の編集操作が、 通常の場合と同様に行なえます。但し、「保存」の動作が異なります。

 この -Clipboard- ウィンドウでの「保存」は、クリップボードに対して行なわれます。 つまり、この編集ウィンドウ内の全テキストが、クリップボードに格納されます。

 一方、「名前を付けて保存」では、一般の場合と同様に、その保存先は、ファイルになります。

 クリップボードの中身が「ファイルリスト」の時に、「クリップボード編集」を 実行すると、当編集ウィンドウには、その各ファイルのフルパス名が表示されます(次節参照)。 一方、それ以外(画像など)の時には、当編集ウィンドウは、空になります。

 「クリップボードの編集」は、単に、クリップボードの内容を、見たい場合や、 一時的に保管しておきたい場合にも、便利です。

 なお、本機能は、ご寄付を頂いた方への「特典」に なっています。特典がないと、この機能は、本エディタの起動後、2回までしか実行できません。

■ファイルリストの貼り付け

 ファイルリストは、例えば、エクスプローラ等で表示されているファイルの一覧から、 (複数の)ファイルを選択して、右クリックでコンテキストメニューを表示し、 そこから「コピー」を実行すると、クリップボードに保存されます。
 このようにして、クリップボードに「ファイルリスト」が保存されている時、 本エディタで「貼り付け」を実行すると、そのファイルリストの各ファイルのフルパス名が、 改行で区切られて、現カーソル位置に挿入されます。

■クリップボード更新取込

 このコマンドは、クリップボードのテキストが更新された時に、その内容を、 現カーソル位置に、自動的に取り込む機能を、ON/OFF します。 このコマンドは、初期環境では、メインメニューの「編集」下にあります。

 この機能を ON にしておくと、Windows のどのアプリケーションからでも、 クリップボードにテキストを格納すると、即時に、その内容が、 本エディタの編集中のテキストの現カーソル位置に、自動的に挿入されます。

 普通、他のアプリケーション内の文章を、本エディタのテキストにコピーしてくるには、 まずそのアプリケーション上でその部分をクリップボードにコピーしてから、 本エディタに移ってペースト(貼り付け)する必要がありますが、 本機能を ON にしておけば、そのアプリケーション上で、 クリップボードにコピーするだけで、それが行なわれます。

 例えば、インターネットブラウザーで表示しているウェブページ内にある いろいろな文章を、本エディタで編集中のテキストに取り込むには、そのウェブページ上で、 その各部分をクリップボードにコピーしていくだけで済みます。

 この機能は、本エディタ自身で、クリップボードにコピーする場合も、 同様になります。本エディタで、複数のテキストを編集している時、 あるテキストでこの機能を ON にして、別のテキストでコピーや切り取りを 行なうと、その内容は、この機能を ON にしたテキストに挿入されます。

 このようにして、クリップボードのテキストが、本エディタの現カーソル位置に 挿入された時には、そのテキストは、他の部分と容易に区別がつくように、 特別な着色状態になります。どのような着色にするか(あるいは無着色に するか)は、「着色設定」の 「クリップボード更新取込色」で指定できます。

 この機能が ON の時、このコマンドのメニュー項目には、チェックマークが 付きます。また、ステータスバー の「テキスト選択形態」の枠内に「 * 」が表示されます。 この状態の編集テキストは、複数あってもかまいません。その場合、 クリップボードの更新時にその内容が、その複数のテキストに同時に、取り込まれます。