環境設定: 基本管理

 ここでは、環境を特定するための「環境名」と、その環境が適用される 「適用対象ファイル」を規定します。
●環境名

 環境名には、「参照名」と「主題名」があります。

 参照名 は、各環境を識別するための名前で、各環境はこの名前で参照されます。 そのため、他の環境で既に登録されている名前と同じ名前は登録できません。 この名前には、任意の ASCII 文字(英数字だけでなく記号等も)が使えますが、 それ以外の文字(全角や半角カタカナ等)は使えません なお、その字数は、1〜8字内に限ります。また、英字の大小が区別されます。

 主題名 は、その環境の内容を分かり易く示すための名前、あるいは、概要です。 これは、単にコメント的な役割があるだけです。この名前には、任意の文字が使えます。 但し、最大80字(半角単位)までです。

●適用対象ファイル

 ここでは、この環境が適用される編集ファイルを規定します。それには、 そのファイル名、あるいは、パス名を、ワイルドカード、または、正規表現で指定します。 このどちらにするかは、それぞれのラジオボタンで選択します。


 例えば、拡張子が、cpp のファイルに適用するには、

 ワイルドカード: *.cpp
 正規表現:    #i.+\.cpp

となります。この例のように、拡張子で対象のファイルを指定する場合は、 ワイルドカードを使う方が簡単です。なお、ワイルドカードの場合、英字の 大文字と小文字の区別はありません。

 複数のファイルを適用対象にすることもできます。その場合、ワイルドカードでは、 各々を、;(セミコロン)で区切ります。
例えば、拡張子が c, cpp, h の3種のファイルに適用するには、

 ワイルドカード: *.c;*.cpp;*.h
 正規表現:    #i.+\.(c|cpp|h)

となります。

 適用対象を、特定のフォルダ内の特定のファイルだけにすることもできます。 例えば、SpecialFiles というフォルダ内にある spc という拡張子のファイルだけに 適用するには、

 ワイルドカード: *\SpecialFiles\*.spc
 正規表現:    #i.+\\SpecialFiles\\[^\\]+\.spc

となります。

 ワイルドカードには、* と ? のメタ文字がありますが、 これらは、それぞれ、正規表現の .+ と . に該当します。そのため、DOSの ワイルドカードとは、若干異なります。例えば、本ワイルドカードの場合、 拡張子のないファイル名は、* と一致しますが、*.* とは一致しません。

 編集ファイルに適用する環境が選ばれる際には、そのフルパス名が、 「適用対象ファイル」で指定されたワイルドカード、または、正規表現の文字列と 比較されます。先程の例のような場合、このことを考慮しておく必要があります。 なお、言うまでもないかもしれませんが、正規表現の場合、パス名の区切りの \ は、 \\ にする必要があります。

 今までの例では、ワイルドカードの方が簡単でしたが、適用条件がもっと複雑に なってくると、正規表現の方が便利になってきます。例えば、先程の例を、もう少し 複雑にして、SpecialFiles というフォルダ内にある拡張子が spc または text の ファイルに適用するには、

 ワイルドカード: *\SpecialFiles\*.spc;*\SpecialFiles\*.text
 正規表現:    #i.+\\SpecialFiles\\[^\\]+\.(spc|text)

となります。

 拡張子がないファイルへの適用は、ワイルドカードでは、指定できません。 正規表現では、次のような指定になります。

 ワイルドカード: (指定不能)
 正規表現:    .+\\[^.]+


≪注意≫

 編集ファイルが、複数の環境の「適用対象ファイル」の指定に一致する場合、 参照名の昇順で先になる方の環境が適用されます。例えば、abc.txt という編集ファイルが、 Env-A と Env-B という参照名の環境の両方の「適用対象ファイル」に一致する場合、 その編集ファイルには、Env-A の方の環境が適用されます。