美容と健康 Hiroe 鍼灸サロン&スクールVoce 院長 新開弘枝 dr.hiroe@gmail.com 専門学校 非常勤講師 ひょうご仕事と生活センター 健康経営専門講師 薬膳教室主宰 スポーツライフの3要素 アスリートがより強くなるためには、 「運動(トレーニング)」に見合った「食事(栄養)」と「睡眠(休養)」 をとることが不可欠。 普段の食事や必ず摂りたい栄養素、 効率の良い睡眠と食事の関係など、 アスリートのカラダのケアについてお伝えします。 *疲労を感じたら食べたい食物11選 *貧血を改善する食材 *肝臓をサポートとする食材 *腸に良い食べ物 *たまごの驚くべき効果 *ビタミンEの若返り効果 |
本命のレースに向けて 大会1週間~4日前 お勧めの食事
●レース1週間前から調整期に入ります。
とはいっても、食事面では普段からのバランスのとれた食事をとるということで変わりはありま
せん。食事とトレーニングについてのポイントを紹介します。
ポイントは、食事に5品目をそろえる工夫バランスの良い食事を取るには次の5品をそろえるの
がポイントです。
・主食
・おかず(肉・魚・卵・大豆)
・野菜
・果物
・乳製
*5品目をそろえるのは大変かもしれませんが、1品目でも足りないものを加える意識をもつこと
が大切です。1日で考えて、足りない品目を1日のどこかで摂るようにして下さいネ!
朝食に卵やサラダ、ヨーグルトを付け加えるなど工夫をして普段からバランスの良い食事を心
がけて下さい。
*アルコールは控える。
アルコールはレースが終わるまで控えましょう。お酒好きには苦しいですが、自己ベストを更新
するためです。完走後に最高のお酒を味わうためにも我慢をしましょう。
また、どうしてもお酒を我慢することが苦しい人はストレスになるのもよくありませんので適量に
控えましょう。
*具体的なメニュー例
朝食:ごはん、納豆、ほうれん草のおひたし、みそ汁、オレンジジュース、ヨーグルト
昼食:うどん(わかめ、たまごトッピング)、野菜ジュース、ヨーグルト
夕食:ごはん、肉野菜炒め(肉・野菜)、りんご、ヨーグルト
*トレーニングは質を落とさず量を減らす
トレーニング面では1週間前から練習量を減らしてからだの疲労を抜いていきます。
ここで大事なのが質は落とさずに量を減らして下さいね。
*レースの3日前から食事面でのカーボローディングをはじめます。
炭水化物70%。タンパク質・脂質30%の食事に切り替える。
炭水化物中心の食事にしていきます。割合的には炭水化物70%のタンパク質・脂質30%が
目安です。ここで注意しなければいけないのは、炭水化物の量を増やした分、タンパク質・脂質
を減らして摂取するカロリーを増やしすぎないようにします。
摂取カロリーが増えることで体重を増やさないためです。主食が増える分おかずを減らすように
調整しましょう。
*おすすめは「ごはん+麺類」です。
主食中心の食事にするためのおすすめは、ごはんにプラスしてうどんやそばなどの麺類を加
えることです。こうすれば自然に高炭水化物の食事を取ることができます。
うどんやそばにお餅を入れるのもいいでしょう。ラーメンにライスというのもいいですが、
ラーメンは脂が多いものもあるのでそこは注意が必要です。
*消化に時間のかかる食べ物を控える。
一方で高脂質、高カロリーの食べ物は消化に時間がかかるため、なるべく食べるのを控えま
しょう。 揚げ物・炒め物・マヨネーズ・バター・クリームを使った料理などは消化に時間がかか
るので避けましょう。
*ビタミン補給で体調管理もしっかりと。
高炭水化物の食事とともにビタミン補給も大切です。免疫力を高め体調を整えるのにはビタミ
ンCが大きな役割を果たします。オレンジ、グレープフルーツ、いちご、キウイフルーツなどは
ビタミンCが豊富に摂取することができます。生の果物で取るのが難しいのであれば、果汁100
%ジュースやサプリメントで摂取するのも効果的です。
*具体的なメニュー例
朝食:ごはん、さといもの煮付け、鮭の塩焼き、サラダ、みそ汁、ヨーグルト、オレンジ
昼食:油脂が少ないパスタ、パン、コーンスープ、野菜ジュース
夕食:ごはん、肉じゃが、マカロニサラダ、しじみ汁、オレンジジュース、ヨーグルト
間食:あんぱん(カステラ、どら焼き)
朝・昼・夕食でまかえなかった分を食べると効果的です。食べ過ぎには注意しましょう。
*トレーニングは質を落とさずさらに量を減らす。
1週間まえから徐々に練習量を減らしていきます。3日前~2日前も同様に、質を落とさず量を
減らして翌日に疲れを残さないように気をつけましょう。
●レース前日の食事のポイントについて紹介していきます。
レース前日は遠征などで普段とは違った環境下のなかで過ごすことも多いため、食事にはより
注意が必要です。
*炭水化物と果物を中心にした食事にする。
炭水化物と果物中心の食事を意識して取りましょう。また、エネルギーを蓄えるために食べ過
ぎてしまうと消化不良や胃もたれの原因になってしまいますので注意しましょう。
*前日は消化に良いものを食べる。
前日は特に消化に良いものを食べるように心がけましょう。肉や脂っこいものは消化に悪いの
で食べてはいけません。生ものは消化に悪く食あたりの可能性もあるので控えましょう
*普段食べ慣れているものを食べる。
普段から食べ慣れているものを食べるようにしましょう。食べ慣れないものは自分のからだに
合わず、消化不良や思わぬストレスにつながる可能性があります。
遠征のレースに出場する際にはご当地の美味しいそうな食べ物がたくさんあると思いますが、
明日のレースを意識した食事を心がけましょう。
*具体的なメニュー例
朝食:パン(ジャム、はちみつやメープルシロップ)、じゃがいもスープ、バナナ、低脂肪乳
昼食:親子丼、そば、かぼちゃの煮物、オレンジジュース、ヨーグルト
夕食:ごはん、力うどん(うどん+もち)、ほうれん草のおひたし、バナナ、いちご、オレンジ
*トレーニングをしないで積極的に休息を。
個人差はありますが、前日は走らないで翌日のレースに備えます。
人によっては、数キロを走ったり、ウィンドスプリント(70~80%の力でダッシュをする)で刺激
を与えて翌日のレースにのぞむ人もいます。
明日の本番に、疲れが全くない状態で迎えることが一番大切です。
*睡眠をしっかりとる。
前日は緊張や期待、不安などの様々な感情があるかもしれませんが、早めに準備を済ませ
睡眠をとるようにしましょう。 「興奮してて眠れない~」という場合でもベット(ふとん)のなかに
入って目をつぶるようにしましょう。
●いよいよレース本番です。
期待と不安や高揚感などが入り乱れていると思いますが、当日の準備をしっかり行いレースに
望みましょう。炭水化物中心に食べて、果物で糖質を効果的にとる。スタート3時間前には食事
を終えましょう。
*最低でも、スタート3時間前には朝食を食べ終えます。炭水化物を中心とした食事でおかずは、
少量にしましょう。おにぎりやうどんなどの炭水化物とりんご、オレンジなどの果物で糖質を効果
的に摂取します。また、エネルギーを蓄えるためといって、食べ過ぎるのには注意しましょう。
*消化に良いものだけを食べる。
脂質の多い食品や生野菜は消化に時間がかかるため、避けましょう。特に、洋食ではパンを食
べる場合、バターやマーガリンを避け、はちみつやいちごジャムなどをたっぷり付けて食べるよ
うにしましょう。
*具体的なメニュー例
和食:おにぎり(梅とこんぶ)、うどん、りんご、オレンジジュース
洋食:パン(はちみつたっぷり)、シリアル、バナナ、オレンジジュース
水分補給も大切です。のどが渇いたと感じた時には遅いので、こまめに少量の水分補給を心
がけましょう。飲みものは電解質が含まれているスポーツドリンクがいいでしょう。
●スタート1時間前にさらにエネルギー補給をする。
朝食に加えて、さらに1時間前にエネルギー補給をします。
バナナ・エナジージェル・カステラなどは、消化が早いのでこの時間に食べても消化吸収されます。
この中から1つ選びエネルギー補給をしましょう。ごはんやパンなどは消化吸収が間に合わない
のでこの時間には食べないようにしましょう。
*スタート30分前にアミノ酸系サプリをとる。
さらに30分前にアミノ酸サプリを摂取します。そうすることで長時間動き続けるからだの疲労を
軽減しレース後半に力強い走りにつながります。
●レース中からゴールをしたあとについても気をつける。
30km地点でエネルギー補給をする。
カーボローディングによって普段よりも多くの糖質(グリコーゲン)を蓄えていますが、それでも
後半35kmを過ぎたあたりからエネルギー切れとなることが多々あります。
そのため、30km地点を目安にさらにエネルギー補給をしましょう。
補給するものは「マルトデキストリン」が入ったエナジージェルがいいです。
なぜなら、吸収時間が15~30分程度と早く、多くの糖質を効率的に摂取できるからです。
30km地点のエネルギー戦略で最後までスピードを維持して走りきりましょう。
また、レース中の水分補給(スポーツドリンク)もしっかり取りましょう。
●ゴール後は水分補給をしっかりとる。
30分以内に炭水化物とタンパク質を摂取する。
ゴール後にはしっかりと水分補給をしましょう。電解質が入ったスポーツドリンクが最適です。
また、レース後の疲労したからだをより早く回復させるために栄養補給をしましょう。炭水化物と
タンパク質を3:1の割合で摂取するのが理想です。リカバリー用のエナジージェルなどは効果
的で手軽に補給できるのでいいと思います!
参考:『走×山×旅=E』のメディア
1 鶏もも肉は、塩麹に漬け込んで一晩おく。
2 水550ccに干ししいたけ、だしパックを入れて一晩冷蔵庫におく。
3 ほうれん草はさっとゆでて、4センチぐらいに切り、②の干ししいたけを取り出し薄切りにする。
4 餅を焼く
5 ②の汁に③で切った干ししいたけをもどして火にかけ、沸騰したら、弱火で3分煮る。
人参と鶏もも肉を2センチ角に切って加える。
6 鶏もも肉に火が通ったら、酒、薄口醤油で味を整え、④で焼いておいた餅を加える。
(冷凍ほうれん草の場合はここで加える)
7 お椀に⑥を盛り付け、③のほうれん草を盛る。
大補気
ランニングのスタミナ持続に欠かせないのは「エネルギー」。薬膳では「気のエネルギー」をチャー
ジすることを「補気(ほき)」と呼びます。補気の食材は、前回も紹介しましたが、特に強力にエネル
ギーを補うことでレースの間、スタミナ切れを起こさず、体力を持続させることができます。
高麗人参などの「ウゴキ科」の食材は特におすすめ。ぜひ、レース当日のスペシャル食材として、
取り入れてください。
柱となる食材メモ
①鶏の手羽元
鶏の手羽元
「気」をおぎなっておなかを温める作用があります。
消化吸収が良く活動力をつけるので虚弱体質の人の体力強化におすすめです。
旨味があり良質のコラーゲンを豊富に含んでいるので、皮膚の弾力を保ち関節痛の緩和に
効果があります。
②干ししいたけ
生のしいたけよりも干すことによって栄養素は凝縮されます。「気」や「血」を補い元気をつけてくれ
ます。カラダに必要なミネラル、βーグルカンやビタミンB1、葉酸、食物繊維などを含んでいるので
運動後に失われがちなミネラル分もしっかり補給できます。
昔から不老長寿の薬や万能薬として知られています。「気」を補って元気を高める効果が強く、幅
広い効能で疲労を回復し体力を補ってくれます。赤血球を増やす作用があるのでカラダの細部ま
で酸素や栄養を運ぶことで疲労を早く回復してくれるのです。そして新陳代謝もよくなるのでスタミ
ナも持続できます。
③餅
運動中のエネルギーの源となる炭水化物が豊富な餅。少ない量で必要なエネルギーを摂ることが
できます。これはでんぷんの成分アミロペクチンが消化吸収がよいからです。ゆっくりとエネルギー
にかわるのでスポーツをする方にはもってこいの食材です。
2、レース後の故障を防ぐご飯!
■ しめさばとクレソン・ナッツのえごまオイルサラダ
・しめ鯖……1パック
・万能ねぎ……5本
・クレソン……1束(50g)
・アーモンド……20g
■ドレッシング
・白すりごま……大さじ1
・昆布しょうゆ……大さじ1(めんつゆでも代用可)
・レモン汁……小さじ2
・えごま油……大さじ2
1 しめ鯖を斜めに薄切りにする。万能ねぎを斜めに3センチぐらいの長さに切り、クレソンは洗っ
て葉は食べやすい大きさにちぎり、茎は斜めに切る。
2 アーモンドを荒く刻む。
3 白すりごま、昆布しょうゆ、レモン汁、えごま油を混ぜ合わせてドレッシングを作る。
4 ①をよく混ぜ合わせ上に②のアーモンドを乗せ③のドレッシンをかけて混ぜ合わせる。
補気・活血
ランナーの練習やレースの後の筋肉疲労や痛みは「瘀血」という一種の「血」の汚れと考えます。
そのようなときは「気」のエネルギーをチャージしながら、血行を促進し回復を早くする食材を摂取
します。オメガ3脂肪酸は必須脂肪酸のひとつ。青魚・亜麻仁油・えごま油・くるみなどに含まれて
います。
薬膳でも補気、活血の効果のある食材です。
オメガ3オイルは炎症を抑えるホルモンの原料になるため、ランナーが摂取することでレースや
練習の際のケガの炎症を抑え、筋肉痛や傷ついた筋肉の回復を早める効果があると言われます。
レース後は質のよいオイルをとって次のレースに向けてカラダの回復につとめましょう。
柱となる食材メモ
①しめ鯖
鯖は「気」や「血」を補い、消化吸収を高めるので疲労回復に効果があります。EPAやDHAを豊
富に含み血行促進、老化防止に効果があります。運動後には、たんぱく質をとることで筋肉を
早く回復させます。しめ鯖にすることで、鯖と酢のクエン酸の相乗効果で血液をサラサラにし疲
労回復力もより期待できます。
②クレソン
肉料理に添えられているクレソンは、血液をきれいにし、カラダの熱を取り除いて血液の循環を
改善します。辛味成分のシニグリンは血行を促進。ビタミンCも多く含まれ血行をよくすることで
疲労回復につながります。また、鉄分も多く含まれているので、運動後に汗とともに失われた
鉄分も補給することができます。
③アーモンド
血行を高めて老化を予防、骨と筋肉を強くするアーモンド。若返りのビタミンといわれるビタミンE
が豊富に含まれています。強い抗酸化力があり、「血」のめ ぐりをよくすることで疲労回復が
期待できます。
④ごま油
カラダに良い質の良いえごま油は、αリノレン酸というオメガ3系の脂肪酸を多く含んでいます。
ロスマリン酸には抗炎症作用や抗酸化作用があるので、運動後の筋肉痛の軽減や疲労回復を
促進してくれます。また、血流を良くする効果があり、「血」がめぐることで健康なカラダを維持する
ことにつながります。
3、練習の質を上げる食事!
意識してますか?
速くなるのに練習、休息、栄養が大切!
だけど、なかなか自炊はできない・・・。
そんな時は、コンビニも使えます!コンビにで手軽に買える食品を紹介!
①バナナ
タイミング:練習前、練習後
バナナの炭水化物は、即効性と持続性がある長距離に最適なエネルギー!
②オレンジジュース
タイミング:練習前、練習後、食事
ビタミンC・クエン酸・果糖が多く含まれるので、疲労回復やエネルギー補給に最適!
③サラダチキン
タイミング:練習後、食事、間食
低脂質・高たんぱく質の食品!さらに「イミドペプチド」という抗酸化作用があるので疲労回復に最適
な食品!
④ゆで卵
タイミング:練習後、食事、間食
「完全栄養食」と呼ばれるほどたんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルが豊富
⑤ミックスナッツ
タイミング:食事、間食(練習前は避ける)
代謝を促進するビタミンB群、強い抗酸化作用をもつビタミンE「良い脂肪」の不飽和脂肪酸を多く含む。
栄養の質で、結果は変わるかも・・・。
手軽に使えるコンビにで選ぶなら!
【第6弾】レース前後の栄養補給
レース前後の栄養補給はどのようにしているのかというと、レース前はスタート時間から逆算して、
いつどのような物をどのくらい摂るのか計画します。消化に時間がかかる選手など、個々の体質
によって何時間前に食事を終えているのがベストなのかは異なります。そのため、選手は普段の
練習や記録会などでも食事時間を逆算して食事を摂るなどして、どのタイミングが自分にとって
安心できるタイミングかを見つけています。
レース前の注意点を少しまとめてみまました。
【レース前の食事のポイント】
1.エネルギー源となる炭水化物中心のメニュー
2.脂肪(油)の少ないメニューを選ぶ
3.胃に負担のかかるメニューは控える
4.食べ慣れない物は控える
5.生物(刺身、生卵など)は控える
6.食物繊維の多い食品は控える(お腹の張り予防)
【いつ炭水化物を摂れば効果的? 】
*レース前
レース前に選手が食べようと思う人気メニューは、豚肉の生姜焼き定食が多いそうです。
ご飯が進むおかずであり、豚肉には炭水化物をエネルギーに変える過程で使われるビタミンB1
が多く含まれているからです。
*レース後
そして、レース後の栄養補給はというと、レース後、早めに栄養補給をすることが疲労回復の
ためには必要不可欠です。
また、レース後にたんぱく質をしっかり摂る!という意識を持っている選手は多いです。
トレーニングジムでも運動直後にゴクゴクとプロテインを飲んでいる方を見かけたりもしますね。
しかし、たんぱく質だけで良いかというとそうではありません。
レース後は、速やかに炭水化物とたんぱく質を一緒に摂るのが効果的です。
【ここがポイント!】
それは、運動によって消費したエネルギーの補給と運動によって傷が付いた筋肉の修復をする
ためです。さらに筋グリコーゲンの回復においては、炭水化物とたんぱく質を一緒に摂ることで、
筋グリコーゲンの増加量が、炭水化物だけを摂取した時よりも多くなるという報告もされています。
ご飯には炭水化物だけでなくたんぱく質も含まれているので、おにぎりはお勧めです。
しかし、レース直後にすぐ食べられるかというと、すぐに固形物は無理という選手もいます。
そんな時は持ち運びも楽で手軽にとれるゼリー飲料もお勧めです。
運動時のエネルギー源は主に筋グリコーゲンが使われるため、運動前にはしっかりと筋グリコー
ゲンを蓄えておく必要があります。
レース後やトレーニング後にしっかりと炭水化物(糖質)補給が出来ているかどうかで翌日以降の
筋グリコーゲンレベルに大きな差が出てきます。筋グリコーゲン量が減ってくると、持久系の運動
の継続が辛くなったり、練習の質の低下に繋がったりする事もあります。
図 筋グリコーゲンの回復には高糖質食が必要である
*人間の体内に存在する糖質のほとんどは、グリコーゲンとして肝臓や筋肉中に存在しています。
肝臓での主な機能は、食事からの炭水化物がエネルギー源として速やかに供給されない場合に、
グリコーゲンを分解してグルコースを生成し、他の組織に供給することです。
筋肉に含まれるグリコーゲンを筋グリコーゲンといいます。筋肉のエネルギー源を速やかに供給
することに使われます。筋肉に蓄えられる量は筋肉の1~2%ほどですが、筋肉は体のあらゆる
場所にあるので、総合的には筋肉のグリコーゲンは肝臓のグリコーゲンの2倍ほどになります。
12~18時間絶食すると肝臓におけるグリコーゲンは枯渇しますが、筋肉のグリコーゲンは運動
負荷後にのみ枯渇します。マラソン選手はゴールにたどり着くころにはほとんどすべての筋肉
グリコーゲンを燃焼します。
【糖質の上手な摂り方】
体内で糖質がエネルギーに変わるときには、エネルギー変換をサポートするビタミンB1が必要です。
ビタミンB1が不足すると、糖質がうまくエネルギーに変換されず、疲労のもとである乳酸として
体内に残ってしまいます。玄米や胚芽米、麦やきびなどの雑穀・全粒パン・胚芽パンなどビタミン
B1の豊富な食品を積極的に利用することが大切です。
特に、胚芽や豚肉はビタミンB1の宝庫と呼ばれ多く含まれています。
ほぼ毎日運動をする選手にとって、十分な糖質補給はとても重要な事です。
疲れが抜けない時、練習やレースの後半バテてしまうといった時、まずは食生活を振り返ってみま
しょう!
主食・主菜・副菜のバランスが揃っているか、しっかりと炭水化物の必要量が確保できているかを
振り返りつつ、より良い食生活に出来ると良いですね。
【図表の出典】
※1 Nutrition for Athletes スポーツ栄養に関するIOCの合意声明2010より
※2 アスリートのための糖質摂取に関するガイドライン
Burke LM,Kiens B,Ivy JL.:Carbohydrates and fat for training and recovery.J
sports Sci.22(1)
,pp15-30,2004.)抜粋
※3 日本食品標準成分表2015年版(七訂)参考
※4 筋グリコーゲンの回復には高糖質食が必要である
Costill DL and Miller JM:Nutrition for endurance sport;carbohydrate
and fluid balance.Int
J Sports Med 1:2-14,1980
【第5弾】夏バテと熱中症
食欲がわかない・全身のだるさが抜けない・なかなか寝付けない・やる気が出てこない・・・
これらは夏バテのサインと考えてください。気温と湿度が高い屋外とエアコンを効かせた室内の
行き来により、「自律神経」のコントロールが悪くなり、これらのサインが出始めます。
熱中症は、「高温・多湿・無風」の環境でのトレーニングによって、体温上昇→発汗→脱水症→発汗
が止まる(身体からこれ以上水分を放出できないため)というサイクル(図1)で起こりますが、
夏バテは熱中症(Ⅰ度)※の繰り返しと生活環境の中で徐々に引き起ります。
※参照)熱中症診療ガイドライン2015日本救急医学会
【熱中症Ⅰ度】
・立ちくらみ(脳への血流が瞬間的に不十分になったことで生じる)
・筋肉痛、筋肉の硬直(発汗に伴う塩分の不足で生じるこむら返り)
・大量の発汗
自律神経のコントロールが悪くなってくると、胃腸の働き(消化吸収能力)が低下します。
また、食欲が低下している場合は食事量が減りやすくなるため、エネルギー・栄養素の不足に繋がります。
この状態では身体の回復が追い付かず、質の高いトレーニングを積むことはできませんね。
7月の過ごし方(過ごした)によっては、8〜9月の体調不良を引き起こしかねません。
現在の睡眠や食事など生活の質を見直しましょう!
<夏バテ予防のコンディショニング>
①水分・ミネラルの補給の仕方
水だけの給水では、汗により失われたミネラルを補うことができず、熱中症に繋がりやすくなります。
必ず水分と一緒にミネラルを補給するようにしましょう。また、水分を素早く吸収させることも重要です。
水だけや甘すぎる(糖度の高い)飲料は吸収に時間がかかるため、胃が重くなりトレーニングの
妨げになる場合もあります。適度な塩分と糖分の含まれるスポーツドリンクを飲みましょう。
また、熱中症(Ⅰ度)※の時には経口補水液の活用を心がけましょう。(例えば OS-1等)
日常生活では冷たい飲料は控えるようにしていますか? トレーニング以外の場面で、
冷たい飲料を飲み過ぎると、身体が冷えることなどから胃腸の働きを低下させます。
また、過剰な水分摂取により胃酸が薄まることで、消化機能を悪くすることもあります。
熱中症対策として水分補給は大切ですが、トレーニング前後の体重変動から、
日常の水分補給の量・質を考えましょう。
②夏場に必要なエネルギー・栄養素量の確保はできていますか?
【ポイントは朝ごはん!】
朝食を食べることは、トレーニング時に必要な水分やミネラルの補給になり、
熱中症、夏バテの予防に繋がります。暑さのせいで寝付けなかったり、気持ちよく起きられず、
なかなか食事がのどを通らない日も、果物(オレンジ、スイカ)や夏の野菜(きゅうり、トマト)だけでも
取り入れることで、水分やミネラルの補給になります。
③胃腸のコンディションをよくする料理は?
「うま味」成分であるグルタミン酸は、胃腸の働き(消化吸収能力)を良くすると言われています。
肉や魚にも多く含まれていますが、「味噌・昆布だし」 にも多く含まれるため、食欲が落ちている初夏は、
「味噌汁」を飲むことで水分・ミネラル補給を行いつつ、胃腸のコンディションを整えてみては
いかがでしょうか。
また、食欲が無い時に麺類を選ぶ方も多いと思いますが、味付けに「めんつゆ(昆布だし・かつおだし)」、
「味噌」を選ぶことで、コンディショニングに一役買ってくれるかもしれません。
【長芋の冷や汁(材料4人前)】
・長芋 160g(好きなだけ)
・(A)水 汁椀4・1/2杯
・だし(顆粒タイプ) 小さじ2
・かつおぶし 2袋(小)
・味噌 大さじ2
・すりごま 小さじ2
・飾り用(トマト、オクラなど)
【作り方】
1.鍋に(A)を入れ、火にかける
2.長芋の皮をむきする
3.1の鍋が沸騰したら、かつおぶしを入れ1分ほど加熱する
4.火を止め、味噌を溶かす
5.氷水にあて、4の鍋を冷やす(短時間で冷やしたい場合は、直接氷を入れる)
6.汁が冷えたら長芋、すりごまを入れて完成!
(今回はアレンジでトマト、オクラを添えました)
飾り用のトマトやオクラも夏バテ予防に良い食材です!
トマト、オクラ、長芋は消化機能を高める働きがある食材です。
暑い時期にはなかなか味噌汁は飲みづらいですが、
冷や汁にすることで胃をクールダウンしてみてはいかがでしょうか。
【第4弾】意外と多い?
1時間くらい走るランナーの「糖質摂取量」はこのくらい
糖質の適切な摂取量はその人の体型、運動習慣で大きく変わる。では、よく走るランナーなど、
「有酸素運動好きの人」はどれほどの炭水化物量で摂れるのか。
筋肉には速筋と遅筋があります。
ランなどのエアロ(有酸素運動)で活躍するのは遅筋、酸素を介して体脂肪を運動の
エネルギー源として燃やします。
その意味ではエアロは脂質メインの運動ですが、体脂肪が燃えるときは糖質も必ず一緒に
代謝されます。
ゆえに糖質の摂取も大切で、筋肉内に貯蔵されている糖質(グリコーゲン)の量は
パフォーマンスを左右します。
アメリカスポーツ医学会(ACSM)は体重と強度に応じて1日の糖質摂取のガイドラインを
定めています。
1日1時間以内の中強度のトレーニングなら体重1kg当たり5〜7g
1日1〜3時間の中・高強度のエアロなら体重1kg当たり6〜10g
P=タンパク質、F=脂質、C=炭水化物のバランス
マラソンなどのレースに出る前に、カーボローディングをしますが、その狙いは、筋肉に
蓄積するグリコーゲン量の上乗せですね。筋グリコーゲンが十分多いと、糖質の涸渇による
レース後半の失速が避けられる狙いは皆さんも理解されてますよね。
ローディングにはいろいろなやり方がありますが、アメリカスポーツ医学会(ACSM)は
90分以上続くレース本番の36〜48時間前に、1日に体重1kg当たり10〜12gの糖質を摂る
ことを推奨しています。
トレーニング日に摂取する糖質量の基準
420g
仮に体重60kgで7gなら、1日420gになります。
●1日1時間以内の中強度の有酸素トレ:体重(㎏)×5~7g
●1日1~3時間の中強度から高強度の有酸素トレ:体重(㎏)×6~10g
カーボローディング日に摂取する糖質量の基準
720g
体重60㎏で12gなら、1日720gになります。
1日の糖質摂取量(36~48時間前):体重(㎏)×10~12g
レース前夜に付け焼き刃で大盛りのパスタを食べるくらいでは、グリコーゲンは
思ったように増えてくれませんので、計画的にカーボローディングを!
目安として参考にその日の食事をイメージしてみてください。
ご飯 1膳(150g/約0.4合) 約50g
パン6枚切り1枚 約25g
パスタ1人前(乾麺100g) 約80g
ラーメン1人前 約75g
蕎麦 1人前 約65g
うどん 1人前 約55g
*麺類は『麺の糖質量のみ』『茹で重量250g』の表記となります。
*大会レベルの練習されるときは、他、おかずや果物、間食などでしっかり糖質を補って下さい!
【第3弾】梅雨の時期に食べるべき食材
梅雨前線や低気圧がとどまるこの時期は、といっても今年は猛暑の梅雨ですが・・・。(´;ω;`)ウゥゥ
気圧の変動が激しく、そのため体内でストレスを感じ、血圧の上昇につながったり、自分の変動に影響します。
日本のある調査は、梅雨の多い6月は、「気分が悪くなりやすい」という回答が多かったようです。
①食事で自律神経を調える.
どのようにして、食事に気を付けるべきでしょう。
梅雨では、自律神経が乱れやすい人が多いです。
自律神経を調える方法はさまざまありますが、きちんと食事をとることが重要です。
まずは、朝食をきちんと食べることです。少食でも構いません。
これにより、生活リズムの一つが回復しし始め自律神経に刺激を与えるのです。
また、朝食をたべることは、昼食や夕食の血糖値を抑制する「セカンドミール効果」があります。
特に朝食に食べて欲しいものは、卵、フルーツ、蛋白質、お米、もち麦、味噌、
発酵食品)などです。
②季節の野菜とフルーツを食べるメリット
旬の野菜や季節のフルーツを食べるメリットとして、野菜やフルーツの植物は、たとえば、
この梅雨に耐えて生き抜いていくための栄養をため込んだり、合成したりすることにあります。
私たち人も、この時期を乗り超える栄養は、植物とおなじです。
ですので、旬のものを食べることは意味があるんです。どの季節にもいえます。
③ビタミンD
梅雨の時期は、本来なら紫外線量が減ります。(今年は・・・(;’∀’))
そうすると紫外線によって皮膚で合成されるビタミンDが体内から減少します。
ビタミンDは精神を安定する栄養素でもあります、そのため、ビタミンDを意識して摂る必要があります。
ビタミンDが欠乏すると、腸管からのカルシウム吸収の低下と腎臓でのカルシウム再吸収が低下し、
カルシウムが不足して低カルシウム血症となります。
そのため、骨の軟化がおこり、成人、特に妊婦や授乳婦では骨軟化症になります。
また、小児の場合は骨の成長障害が起こり、姿勢が悪くなったり、足の骨が曲がったりくる病になったりします。
骨量が低下している高齢者の場合は、骨粗鬆症になりやすくなり、骨折による寝たきりのリスクが高くなります。
*注意!
脂溶性ビタミンのため過剰摂取による健康障害が知られています。ビタミンDをとりすぎると、
高カルシウム血症が起こり、血管壁や腎臓、心筋、肺などに多量のカルシウムが沈着します。
そのため腎機能障害や食欲不振、嘔吐、神経の興奮性の亢進などの症状が現れます。
ビタミンDの食事摂取基準(㎍/日)a,1)
性別 |
男性 |
女性 |
||
年齢等 |
目安量 |
耐容上限量 |
目安量 |
耐容上限量 |
50~64(歳) |
8.5 |
100 |
8.5 |
100 |
65~74(歳) |
8.5 |
100 |
8.5 |
100 |
75以上(歳) |
8.5 |
100 |
8.5 |
100 |
食品名 |
可食部100g当たりの |
食品の目安重量(廃棄部分を含む) |
|
ビタミンD(㎍) |
単位 |
重量 |
|
きくらげ 乾 |
85.0 |
乾10個 |
5g |
乾しいたけ 乾 |
17.0 |
大1個 |
5g |
まいたけ 生 |
4.9 |
1パック |
100g |
エリンギ 生 |
1.2 |
1本 |
30~40g |
えのきたけ 生 |
0.9 |
1袋 |
100g |
ぶなしめじ 生 |
0.5 |
1パック |
100g |
生しいたけ 原木栽培 生 |
0.4 |
1枚 |
10~30g |
卵類に含まれるビタミンD量
食品名 |
可食部100g当たりの成分量 |
食品の目安重量(廃棄部分を含む) |
|
ビタミンD(㎍) |
単位 |
重量 |
|
鶏卵 卵黄 生 |
12.0 |
1個 |
16g |
鶏卵 全卵 生 |
3.8 |
1個(Mサイズ殻付) |
60g |
うずら卵 全卵 生 |
2.5 |
1個 |
10~12g |
食品名 |
可食部100g当たりの成分量 |
食品の目安重量(廃棄部分を含む) |
|
ビタミンD(㎍) |
単位 |
重量 |
|
あんこう きも 生 |
110.0 |
1人分 |
60g |
しらす干し 半乾燥品 |
61.0 |
大さじ1 |
5g |
べにざけ 生 |
33.0 |
1切れ |
80~150g |
まいわし 生 |
32.0 |
1尾 |
80g |
しろさけ 生 |
32.0 |
1切れ |
80~150g |
にしん 生 |
22.0 |
1尾 |
300g |
1日あたりのタンパク質の推奨量(男性) |
||
18~29歳 |
30~49歳 |
50~64歳 |
86~133g/日 |
88~135g/日 |
91~130g/日 |
1日あたりのタンパク質の推奨量(女性) |
||
18~29歳 |
30~49歳 |
50~64歳 |
65~100g/日 |
67~103g/日 |
68~98g/日 |
出典 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)策定検討会報告書
*タンパク質の必要量は、年齢や身体活動レベルによって異なります。
どんな食品に多いか、参考にして下さいね。
「肉類のタンパク質含有量」
食材 可食部100gあたりのタンパク質量
鶏むね肉(皮なし・生) 24.4g
豚ロース肉(赤肉・生) 22.7g
牛もも肉(赤肉・生) 21.3g
「魚介類のタンパク質含有量」
食材 可食部100gあたりのタンパク質量
まぐろ(赤身) 26.4g
鮭(生) 22.3g
あまえび(生) 19.8g
「卵類のタンパク質含有量」
食材 可食部100gあたりのタンパク質量
鶏卵(生) 12.3g
ピータン 13.7g
うずら卵(生) 12.6g
「乳製品のタンパク質含有量」
食材 可食部100gあたりのタンパク質量
普通牛乳
3.3g
ヨーグルト(低脂肪無糖) 3.7g
プロセスチーズ
22.7g
「豆類のタンパク質含有量」
食材 可食部100gあたりのタンパク質量
大豆(全粒・国産・黄大豆・乾) 33.8g
木綿豆腐
6.6g
納豆(糸引き納豆)
16.5g
「野菜のタンパク質含有量」
食材 可食部100gあたりのタンパク質量
えだまめ 11.7g
そらまめ 10.9g
ブロッコリー 4.3g
出典 文部科学省の「日本食品標準成分表」を参考にしています。
*タンパク質を摂るさいには単一の食品ではなく、
いくつかの食品と組み合わせて取って下さい!!
♪簡単メニュー♪
効率よくタンパク質を摂取できる「ささみ」は、コクがあるチーズとの相性が抜群!!
【1人前の食材・調味料】
ささみ:100g
大葉:1~2枚
パルメザンチーズ:大さじ1
サラダ油:小さじ1/2
○塩:少々
○片栗粉:大さじ1/2
○酒:大さじ1/2
○こしょう:少々
【作り方】
(1)ささみを2~3等分に斜めに切り、「○」を加えて揉み込む
大葉を千切りにする
(2)サラダ油を熱したフライパン(中火)で、ささみを両面焼く
(3)中に火が通り両面に焼き色がついたら、
細かく切った大葉とパルメザンチーズを入れて混ぜ合わせる
出来上がり❣^ ^
【第1弾】疲労を感じたら食べたい食物11選
疲れを感じた時、どうやって疲労回復を図っていますか?
よく寝る、マッサージ、温泉など様々な方法がありますが、
身体の根本から元気になれる「食材」に注目してみましょう。
おすすめの食材、また自宅や外食で手軽に食べられるメニューをご紹介します!
あなたの疲労はどこから?
スタミナがつきそうなボリュームのある食事が有効とは限りません。
体調や疲労のタイプによっては逆効果になってしまう可能性もあります。
身体の代謝を良くするには、エネルギー源となる糖質・タンパク質とともに、
エネルギーを作り出す回路を動かすために必要なビタミン・ミネラルが必要です。
身体の調子を整えるための栄養素・食事を取り入れてみましょう。
これらを選んだポイントは?
・エネルギー効率の良いもので、習慣摂取において悪影響のないもの
・体内の乳酸を減らしてくれる栄養素
・ビタミン・ミネラルが豊富なもの・・・となります。
では、今週は①~③の具体的食品をご紹介していきましょう!
①クエン酸食品
「クエン酸」は乳酸を減らしたり、ミネラル吸収を高める栄養素です。
クエン酸は、レモン、ライム、グレープフルーツ、オレンジなどの柑橘類や、梅干しに多く
含まれており、これらの「あの酸っぱさ」はほとんどクエン酸の味によるものです。
クエン酸はそもそも、ミトコンドリア(身体を動かすエネルギー)で合成される代謝産物でも
ありますが、体外から摂取することで、疲労の原因となる「乳酸の処理」をサポートしてくれます。
ちょっと疲れたな~と思ったら、レモンや柑橘類を入れた炭酸水などを飲んだり、
梅干しを1~2粒食べてみましょう~。
②お酢
お酢の主成分である「酢酸」は、疲労回復、乳酸の減少、ミネラル吸収の増加に働きます。
お酢は人類が造った最古の調味料で、健康効果が本当に高いです。
日本には酢を使った料理がたくさんあります。
酢の物、酢味噌、酢あんかけなどなど・・・
しかし、普通の料理に少し、お酢をたらすだけでも良いのです。
味もさっぱりしますし、お酢のおかげで塩分も控えめにできます。
胃腸が弱い方は、食前リンゴ酢(水で希釈)を少し飲むだけでも胃腸の消化が活発化します。
*合わない場合は無理せずお試し下さい。
③MCTオイル
MCTオイルとは中鎖脂肪酸の油のことで、カプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)が主成分の油です。
多くの研究で、MCTオイルには疲労回復、乳酸の減少などが発表されています。
なにより摂取後のエネルギー効率が良いので、元気を出したい方は是非!
ただし、胃が空っぽの状態で摂ると、どうしても胃が熱くなったり、腸の不快感が出ることもあります。
そうならないように、卵焼きをつくる時に溶いた卵に混ぜて食べたり、お味噌汁に入れたり、
ドレッシングのオイルにと、いろいろ工夫で摂りましょう!
先ずは少量(小さじ1)からはじめて、慣れてきたら徐々に増やしていきましょう!
④ビタミンンC食品
ビタミンCは乳酸を減らす働きがあるということが臨床結果で得られています。
また、疲労時には、体内で参加ストレスも増えていますが、ビタミンCはこうした酸化を減らすことも
できます。食べてほしいビタミンC食品は、赤ピーマン、黄色ピーマン、ゆず、キウイ、ケール、
モロヘイヤ、菜の花、パセリ、ブロッコリー、芽キャベツ、海苔、にがうり、フルーツなどです。
また、ビタミンCが高濃度に含まれている健康食品として、カムカム、アセロラ、グアバなども有名です。
ちなみに、サプリで摂る場合は1g~3g/日を摂ることをおすすめします。
⑤ビタミンB1食品
疲労回復といえば「ビタミンB1」と聞いたことがないでしょうか?
実際に2011年のオーストラリアの研究では、乳酸アシドーシスといって、重度の乳酸過剰に陥った
患者らに、ビタミンB1を静脈注射すると、一気に血中の乳酸が低下し、改善がみられたらことを
臨床報告しています。
ビタミンB1は、圧倒して「豚肉」に多く、」ほか、米ぬか、小麦胚芽、ひまわり種、海苔、ごま、
ナッツ、大豆、うなぎ、レバー、全粒ライ麦、そば、ピーナッツ、松の実、玄米、きび、あわ、
ひえ、キノコ類、枝豆、グリーンピース、ドライトマト、鮭などに多く含まれています。玄米を食べ
ればB1量は、白米の5倍です。
また、ビタミンB1は「アリシン」と同時に摂ると、吸収が高まり、疲労回復も一段と改善されます。
アリシンは、葱、玉ねぎ、にんにく、ニラ、生姜に多く含まれています。
「豚の生姜焼き」や「レバニラ」は、実に理にかなった料理なのです。
⑥パントテン酸
パントテン酸は、抗疲労効果のあるビタミンB群の一つです。
また、脳の下垂体や、副腎というストレスに対抗する臓器の重要な栄養源にもなります。
どうしても疲労が摂れない場合は、ビタミンBコンプレックスとともに、追加してパントテン酸
500~ 1.000mg/日を摂ることでだいぶ変わったりします。
パントテン酸食品は、レバー、魚貝、豚肉、鶏肉、卵黄、全粒穀物、ヨーグルト、豆類、
マッシュルーム、アボカド、ブロッコリー、サツマイモなどです。
⑦ホエイプロテイン
プロテインは疲労効果があります。疲労の根本の多くが脳や筋肉組織からくる不具合です。
ここには、より多くのたんぱく質やアミノ酸を必要としている箇所です。
だからこそ補っていくのです。
プロテインパウダーは、消化が良く、生体利用率も著しく高いです。
ホエイプロテインの約25%ぐらいはBCAAという分岐鎖アミノ酸です。
分岐鎖アミノ酸とは、バリン、ロイシン、イソロイシンの総称です。
これらは、消耗した筋肉組織に補給されたり、疲労を取り除くことも有名です。
また、ホエイプロテインには、システインやメチオニンなどの含硫アミノ酸も豊富で、抗酸化に
働いたり、解毒の活性を促進します。
また、アルギニンも多く含まれており、これは成長ホルモンを活性化させ、筋肉の維持に
はかったり、また血管を拡張させることで、血流をよくします。
ホエイプロテインは摂る場合は、一日10g~30g(大さじ1~2)から試してみて下さい。
⑧イミダペプチド
渡り鳥は、不眠不休で何十キロも飛び続けられます。
研究者らは、その秘密を探ったところ、渡り鳥の体内にある大量の「イミダペプチド」がその
理由でした。イミダペプチドは、乳酸を控え、疲労効果のある成分です。
ヒトの臨床でも証明されています。
*イミダペプチドは「アンセリン」や「カルノシン」の総称です。
ちなみに人間にも体内で合成されます。が、体内の合成だけでは、疲労効果を期待するには
足りないことがわかっています。そこで、直接、食事から摂るのが良いです。
そこで食材ベスト5!!
1位 鶏むね肉1,223mg
2位 豚ロース928mg
3位 鹿肉脚 921mg
4位 豚もも肉833mg
5位 かつお 811mg
です。
とくに鶏むね肉がお勧めです。
なお、鶏むね肉は栄養学的にブロッコリーと相性が良いです。ぜひ、試してください!
*ブロッコリーは野菜の中でもたんぱく質が多い食べ物!!ある意味アスリート食 (^^♪
⑨カルニチン食品
カルニチンとは、脂質をエネルギーにするときに必要なビタミン様成分です。
一部な体内で合成されますが、やはり、これも食事で摂るのがベストです。
カルニチンをしっかり摂ると、乳酸が減ることが研究で分かっています。
また、エネルギーも増えます。だから元気になるし、なにより持久力がついてきますので、
疲れににくくなるのです。
カルニチン食品といえば、牛肉、ラム肉、鹿肉、アボカド、マッシュルームなどです。
是非、意識して摂りましょう。
⑩マグネシウム食品
疲労を感じ、乳酸値が高い人に、マグネシウムを補給すると、乳酸が下がるとことが
証明されています。
マグネシウムは、1日350~500mgは摂ってほしいです。
マグネシウムを多く含む食品
1 豆や種
2 海藻類
他にも、干しエビ、煮干し、紫蘇、つるむらさきをたくさん含みますので。ぜひ、意識して
食べて下さい。
⑪タウリン食品
2022年2月に臨床研究でタウリンによる抗疲労効果が発表されました。
疲労回復にタウリンは欠かせないでしょう。
タウリンを多く含む食材には魚貝類が多く、牡蛎、あさり、しじみ、ほたて、はまぐり、たこ、
かに、いか、鯵や鯖などの近海魚、ブリやカツオなどがあります。
【タウリンを多く含む食品】
・牡蛎:1,130mg
・ほたて:769mg
・あさり:664mg
・たこ:520mg
・たら:300~450mg
・いか:350mg
・かつお:80mg
以上、疲労を改善する食べ物11選でした。