== グロスタイム と ネットタイム ==
     
    これで良いのか? 公式完走時間!

       2009年3月1日初版
2020年6月23日改定


ネットタイムを公式完走時間にする会
代表 宗政義仁
連絡先:兵庫県芦屋市大東町18-6-913
090-5676-8060   
munemasa@nike.eonet.ne.jp
      http://www.eonet.ne.jp/~munemune/  
  読者の皆さんの忌憚のないご意見をお寄せください!
ご意見・ご感想はこちらから・・・

    1、はじめに!
      マラソンを心から愛するランナーの皆さん、これから始めようとしている活動の内容を
      よく理解してください。その内容は『自動応答計時システムを使用する民間マラソン
      大会の公式完走時間は、全て「ネットタイム」を採用し公開すべきだ!
』と言う趣旨で、
      現在日本のマラソン界で常識化されている「グロスタイム」を「ネットタイム」で公開
      する様にしようという活動なのです。この度、この場を借りて公開に至った理由は、先
      ず皆さんに活動内容を正しく理解していただき、今後の活動に是非ご協力願いたいと
      言うことを思ったからです。

      今年の2009年1月22日付で日本陸上競技連盟・(株)アールビーズ・(株)ベー
      スボールマガジンの3個所に【提言文】と【検討依頼書】を送り回答を求めました。
      その内容は下記に示すとおりですがその結果、現時点では日本陸上競技連盟として近日
      中に開催される競技運営委員会で協議しますとの回答あり、また(株)アールビーズと
      しては検討し改めて回答します、(株)ベースボールマガジンは無回答と言う状況でし
      た。

      そこで今回の要点をまとめて見ますと下記の様になります。変更する実作業は簡単で
      あってもマラソン界の常識を大きく変える内容だけに、そう簡単には変革が出来るも
      のとも思えません。そこで今後、マラソンを心から愛するランナーの皆さんのご賛同を
      得ながら共に活動して行き、是非目的を達成したいと思いますので、ご協力のほどよ
      ろしくお願いいたします。今後の経過動向に付きましてはこのホームページで公開し
      ていく他、今後の推移に応じて他メディアおよび走友を通じ、状況報告やご賛同者を
      得るための呼びかけをして行きたいと思います。 今後の動向にご注視下さい!

      【改革の要点
        ①公式完走時間を「グロスタイム」から「ネットタイム」に変更すると言うこと。
        ②マラソンを愛するランナーの皆さんが要望する姿に変えて行きたいと言うこと。
        ③今後のマラソン界発展に繋がる事であれば積極的にやって行こうと言うこと。
        ④ランナーの安全性を最優先し気持ちよく走れる場を提供して欲しいと言うこと。
        ⑤大会主催者に技術的・金銭的・運営面で大きな負担にならないと言うこと。
          等々が考えられます。


    2、現状
      『完走時間はどうだったの?』 
      『3時間2分25秒だった! でもネットは2時間59分55秒だったんだヨ! 
      畜生、実際は3時間を切ってたのに悔しい・・・

      このような会話をあちこちでたまに耳にする事がある。誠に残念な事だ。その度に、
      本人は悔しい思いをし、いつも何か割り切れない気持ちになるのは私だけではない
      だろう。
      『そんなに目くじらをたてて時間ばかり気にする事は無いよ!』と言われても、何
      故か気になってしまうのが「公式完走時間」なのだ。「本当の実力」って何なのか?
      これって何とかどうにかならないのか!? そう思います。

      結論から言うと『自動応答計時システムを使用する民間マラソン大会の公式完走
       時間は、全て「ネットタイム」を採用し公開すべきだ!
』と考えます。
      (以下、自動応答計時システムは「本システム」と言う)

      昔と違って現在は計時技術が開発され進歩し、走路面に敷いた発信機(マット)と体
      に取り付けた受信機(センサー)によって電気的に通過時間を瞬時に測定できる本シ
      ステムが採用されるようになった。従って走者がゴールラインを通過すると二つの
      完走時間、つまりスタートラインを通過してからゴールラインを通過するまでの「
       ットタイム
」(センサータイム)と、自分がスタートした場所からスタートラインを
      通過するまでの時間を含んだ「グロスタイム」(ガンタイム)が正確に計測できる事
      になりました。

      この本システムの採用によって、従来から行われてきた目視やストップウオッチによる
      「手動計時」では到底対応不可能な千人単位の所要時間が瞬時且つ正確に記録され
      、しかも現在ではゴール後直ちに「完走証」まで発行できるなど画期的な計時システム
      に至っている。全国全ての大会がこのような本システムを採り入れるのは経済的に困
      かも知れないが、今後一つでも二つでも採用する大会が増える事を願っています。

      最近では、この本システムと相まって大会参加申込時に自分の完走予想時間を書くよ
      うな大会も増え、その申告時間の順番に従って並ぶ事によってスタート直後の混乱を
      避け事故発生を未然に防止し、且つスタートまでの待ち時間を短縮できる等を目的と
      するような大会が増えてきたことも大変に喜ばしく思います。

    3、対策
      さて、現在の日本陸上競技連盟(以下、陸連と言う)では本システムの適応基準を
      陸上競技ルールブック2008 の第165条(計時と写真判定)に定め詳しく解説さ
      れている。この第165条のただし書きに「非公認ではあるが、競技者がスタートラ
      インを通過してからフィニッシュラインに到達するまでの時間を知らせることがで
      きる
」とある。このことは、ここで言うネットタイムの事であり、非公認としてだが
      公開する事を一応認めている状況もある。もちろん、世界を対象とする競技に関与・
      運営する日本陸連が、このルールブックを採用し「公認記録」で公開することに異論
      はない。

      そこで問題なのは、『民間のマラソン大会なのになぜ公式完走時間はグロスタイム
        なのだ、なぜネットタイムを採用し公開しないのか!?
』という疑問がわいて来る。
      参加者が多い場合はスタートラインを通過した後でも自分本来のペースで走れないの
      で、個人が持つ「真の走力」の計測は出来ないが、これは参加者が多いので仕方の
      ない事と諦めよう!
      しかし、各個人の「ネットタイム」が正確に記録されているのに、なぜ未だに公式完走
      時間が「グロスタイム」のままなのか理解できない。少なくとも本システムを採用す
        る民間マラソン大会の公式完走時間は全て「ネットタイム」を採用し公開して欲し
        い』
と願うものです。


      入賞を目的とする人に限らず、速い人も遅い人も全国でランニングを楽しむ多くのラン
      ナーは「自己新記録」を目指していて、「自分の本当の完走時間を公開して欲しい
      !」
と痛切に望んでいる。公開される事によって益々マラソンに興味を持ち、新たな意
      欲が湧き上がり、マラソン愛好者が増え、マラソン界がより一層発展するものと確信し
      ている。
      またネットタイムで公開される事によって、完走予想時間を虚偽申請してまでも前に並
      ぼうとする人が少なくなり、かつ走力に劣る人が無理して前に並んでスタートしようと
      する人も少なくなるので、危険を冒すことなくより安全な大会となります。
      
公式完走時間は「ネットタイム」であり、参考値として「グロスタイム」が公開されて
      も全く問題は無く、誰に迷惑をかけるものでもないはずだ。逆に民間マラソン大会の
      「公式完走記録がグロスタイムで無ければならない!」と言う理由があれば是非
      答えて欲しい。

      少なくとも現在、日本の民間マラソン界に大きな影響力のあるランニング雑誌を発行す
      る
(株)アールビーズ社発行の「ランナーズ」誌や、(株)ベースボール・マガジン社
      発行の「ランニングマガジン・クリール」誌が紹介する、日本全国で開催されている
      民間マラソン大会の公式完走時間は、速やかに「ネットタイム」で公開される事を強く
      要望するものです。

    4、まとめ
      【ネットタイム】を採用する事による利点および理由
      1、真の走力を公開する事によって個人の正当な評価ができる。
      2、それによって益々マラソンに興味を持ち、新たな意欲が湧き上がり、マラソン愛好
        者が増え、第二次マラソンブームのマラソン界をより一層発展さす事ができる。
      3、完走予想時間を虚偽申請してまで前に並ぼうとする人がなくなり、かつ走力の劣る
        人が無理して前に行こうとする事がなくなり、スタート直前直後の安全性がより大
        きく向上する。
      4、トップ集団の走者は駆け引きだけではなく、自分の本当の走力を発揮することが必
        要となり、数秒差の事とは言え最後まで全力を出し尽くす走りをすることによって
        記録向上が期待できる。
      5、大会主催者がネットタイムを採用しても、技術的・金銭的・運営面で特に新たな問
        題は発生しないと考える。
      6、公式完走時間がグロスタイムで無ければならない正当な理由が見付からない。

      【ネットタイム】を採用する事による問題点
      1、希に、最初にゴールした人が1位になるとは限らなくなる。
        しかしながら、総合入賞を狙う殆どの人は最前グループに並んでいるので問題ない。
      2、従って、順位の確定は総合・年代別共に、最初にゴールした人の時間からスタート
        時の最終走者がスタートラインを通過するまでのロスタイムだけ待ってから決定す
        る必要がある。
      3、通常このロスタイムは3~30分程度なので、完走証発行や表彰式などの進行上
        特に大きな問題は起こらないと言える。

    5、今後の活動方針
       当面の目標は下記の通りする。
         *表彰は「グロスタイム」を採用する。
         *公式完走時間は「ネットタイム」を採用する。
         この活動にご賛同の全てのマラソン愛好者は仲間に呼びかけ、更に下記2社に対し
         あらゆる手段によって請願(嘆願)行動を起こしてください。
         なお、活動に関しては本文のご活用をお奨めします。ご連絡をお待ちしております。

        ===まずは日本から、世界のマラソン界の常識を変えていこう!===
              <<Yes! We can change.>>


       ランナーズ」誌発行社の(株)アールビーズ社
             ランナーズ編集部
       ランニングマガジン・クリール」誌発行社の(株)ベースボール・マガジン社
           ランニングマガジン・クリール編集部

                                                            以上




             <参考1:神戸マラソンでは・・・>
              2011年に開催された第1回神戸マラソンでの表彰は従来通り「グロスタイム」
              採用して行っています。
              ただし、全完走者は参考記録として「ネットタイム」で公表し順位付しています。
              この様な大会を経験するのは初めての事でした。
              このHpで訴えてきた【これで良いのか?公式完走時間!】の目標に一歩近づき
              ました。今後ともこの様な大会が増えていき、全ての大会で採用されるようになること
             
を望んでいます                     2011年12月



            
<参考2:本HP公開後の動き・・・>
          この投稿文を発表してから12年目を迎えた。
         (株)アールビーズ社が企画・発行する2019年度「全日本マラソン
         ランキング(旧:フルマラソン1歳刻みランキング)」
でネットタ
         イムでの評価対象レースは、新型コロナウイルス感染症の影響で<前年
         比12大会減>
になってしまい、大変に残念な結果となってしまった。

          しかしながら、今回も69大会中56大会でネットタイム評価が安定し
         て80%を超える大会で採用されるようになり、この記事で訴えてきた
         主張に一歩も二歩も近づいてきたと言える。

 
         現在、開催されている大会は殆どが「自動応答計時システム」
          採用している実状なので、即、全大会に於いて「ネットタイム」を採用し
                公開して欲しいのだが、なぜ採用してもらえないのか理解できない。
                何故だろう? 早く100%公開して欲しいと思います!

              
今後ともより多くの大会が「ネットタイムで正当な評価」がなされ、
          かつ公式完走時間が「ネットタイムで公開」されるよう、各大会の
          主催者や関係機関に於かれましては一層の努力をお願いいたします!
                       
            2020年6月



            <参考3:ネットタイムの導入が認められた❣>
           
スポーツ報知 2020/11/12(木)   ネットタイムの導入が認められた

              日本陸連は12日、理事会を開き、ロードレースにおけるネットタイム(スタートラインを踏み
              越えてからゴールするまでの記録)の運用方法についてのルール改正を発表した。従来の
              マラソン大会では、表彰や参加資格記録としてグロスタイム(号砲からゴールまでの記録)

              のみが用いられてきたが、ネットタイムも主催者の裁量で運用されることとなった。

              ほとんどのマラソン大会では、シューズやゼッケンに装着されたタグによってタイム計測が
              されている。人気のマラソン大会では、号砲が鳴ってもスタートラインを通過するまでに10分
              以上を要する場合もある。

              これまでは、その時間も加算されるグロスタイムのみが資格記録として認められてきたが、
              今回のルール改正によりネットタイムの導入も可能となった。

              資格記録次第でスタート位置が決まるレースも多いため、今回のルール改正を喜ぶ市民ラン
              ナーは多い。さらに、昨秋のドーハ世界陸上代表でプロランナーの川内優輝(33)も「スタート
              位置により、ネットとグロスが大きく異なることがあるサブ4やサブ3.5が標準記録のマラソンへ
              の出場を狙う市民ランナーにとっては、重要なルール改正になると思います」とツイッターを
              更新した。

              ただし、エリートの部の参加標準記録や表彰についてはこれまで通りグロスタイムを採用する。