第四五九号

            少 し 早 め の 電 車 に 乗 り !

2014年8月29日
AAC会員

本地 敏行氏

       少し早めの電車に乗り、JR芦屋駅に下りる。コーヒーは朝からジョッキで1杯飲んだだ
       けだったので、駅下のマクドナルドでホットコーヒー(砂糖2つ入り)を購入する。朝8時
       ではあるが、額に汗が滴るのも気にせず、ホットコーヒーを飲みながら街中を歩く。集
       合場所となる阪急芦屋川駅にはJR芦屋駅から10分強で到着することができた。集合
       場所にはすでに参加メンバーが数人集まっている。とりあえず、トイレを済ませて会話
       の飛び交う中、トレイルの出発を待つ。天気予報では 午後からかなり強い雨が降る
       ことになっていたがどうなるだろう。集合時間くらいでは、空はまだ曇り空でとどまって
       くれている。今回の沢登り練習会では、盆付近に縦断した台風11号が影響し、六甲
       最高峰から有馬方向にかけての登山道の崩れている箇所があるため、最高峰を基
       点に折り返しコースを組むことの説明を受けた。

       恒例の集合写真を撮ることになったが、最近のデジタルカメラ事情を知らない私を含
       む多くの参加者は、スマートフォンを使うことにより離れたところから任意でシャッター
       を押すことができることにとても驚いていた。デジカメで集合写真を済ませた後、駅を
       後に出発したが、通常なら高座の滝までは走るところだが、今回は最高峰折り返しと
       いう予定が組まれていることが理由なのか?歩いて高座の滝へ進むことになった。

       高座の滝では早くもクールダウンのため滝行が行われて盛り上がる。地獄谷は台風
       の影響は少ないようで、岩などの位置の大きな変化はあまり見られない。いつもと違
       うところは、連日の雨天の影響で若干水量が多いことと考えられる。わざと水が流れ
       る場所を選んでは、よじ登って各所で冷たい川の水を浴びる。ショーベン滝で一度集
       合し、この場所を過ぎると当分水場がないことの説明を受けると、水浴びを名残おしく
       感じた多くの人が頭から水を浴びていた。ピラーロックへ続く山道の風化は激しいが、
       登山者によって作られた足場を利用すると楽に進める。ピラーロックでは一番のポイ
       ントに先客がいたので、その横で集合写真を撮るが、足場の小石が悪さをして静止す
       ることが難しかった。この場所から見下ろすことができた芦屋を中心として大阪方向へ
       続く海岸線はとてもきれいでした。

       そこから風吹岩までは以外にすぐ到着することができた。風吹岩の広場に今日は猫
       が4匹いる。黒猫を筆頭に3匹集団と少し離れたところにもう1匹のミケがいた。私が
       知る限り、彼らの毛並みは何時見てもいいことに驚く。この場に訪れる多くの登山者
       から無償で飲食の提供を受けていると考えられる。これら猫の親猫の姿が見えない
       がおそらく老齢のため高座の滝近くにいるのだろうか?風吹岩の天辺に座ると気持
       ちのいい風が吹き抜けて、気持ちだけでも疲労感が抜けた。

       ここからゴルフ場の入り口までは第1弾のフリー走行となる。進んでいると登山者も多
       くいたので、「すみません」と、山道を譲ってもらいながら、おのおののペースで足を進
       める。途中、ナツハゼの実とスノキの実の生育状況を確認したが、まだ青くてすっぱい
       だけであまり美味しくない。1ヵ月後にもう一度この場に来ることを予定していて、その
       ときには収穫時期だろう。ゴルフ場の入り口で集合した後、雨が峠の東屋までが第2
       弾のフリー走行となった。ゴルフ場の中を進んでいるとあちらこちらにキノコが生えて
       いる。ここ最近の長雨が影響していつもよりも多くキノコが生えていると推測される。

       峠では皆若干の疲労感が出ているように感じた。会長は『この場にキンキンに冷えた
       ビールを持ってきた人には1万円でそのビールを購入する』という言葉に皆少し心が
       動いているように感じた。第3弾フリー走行は七曲手前の川原。雨が峠を越えるとすぐ
       にぬかるみ地帯に入る。連日の雨天が影響してぬかるみはとてもひどい状況となって
       いる。そこを無事越えると川まで一気にくだり、途中、飛び石のある川に差し掛かる。
       その飛び石の場所では川の水深が深くなっている場所があり、また若干広くてプール
       状態になっていたので、クールダウンと汗臭さを消すためにリュックを道脇に置いて、
       頭だけを川から出して10秒くらい大の字で水に浮かんでいた。10秒も川の中に身体を
       浸けると手先はかじかんで動きがにぶくなる。僅かな間ではあったが、身体を一瞬で
       クールダウンさせることができ、とても爽快な気分になった。後続はまだ来ないうちに、
       先導と一緒に本庄橋の場所を越えて集合場所に予定している七曲手前の川に着いた。

       第3弾フリー走行の集合場所に到着してまず川を見て、かなり残念な気持ちになった。
       先ほどのような川に深くて広いプールのような場所がないため、どうにか見つけた水の
       落ち込みで 若干深いと思われる場所に身体全体を浸水させることで満足させること
       にした。後続が到着する約30秒近く水につかっていたが、身体が芯から冷え始めてき
       たので、後続の人たちが到着後早々にその場から上がり冷えた身体を温めなおす。
       ついさっきまで湯気が出ていた身体であったが、川からでると吐息が白くなりそうなく
       らいに身体が冷たい。到着した人たちはみな水場に入り、気がつけば大きな大人達の
       水遊び場となっていた。

       第4弾のフリー走行は一軒茶屋までとなる。このフリー走行場所は一番最長の上に過
       酷なため、足を進める人たちの言葉数は一気に少なくなり、モクモクと足元を見つめな
       がら進んでいく。途中、ガスが出始め若干辺りが僅かに白くなるのと雨が降っているこ
       とが分かった。これから来る雨雲が近くまできていることを示しているのだろう。

       一軒茶屋では屋内でビールを楽しむグループと外の自動販売機でジュースを飲んで
       楽しむ人に分かれた。もちろん外でわいわいする人が多い。私はH2O 170円を購入
       して一気に飲み干して体を潤す。この場が今日の折り返し地点のため、10分くらいの
       休憩の後、最高峰へ進むことになった。一軒茶屋まではよく来るが、最高峰へはなか
       なか足を向けることがない。久しぶりに見る最高峰の柱は新調されていてきれいだっ
       た。最高峰に建てられた柱の前でお決まりとも言える集合写真を撮った後、昭和42年
       に作られたケルンの場所(昔の最高峰地点)でもう一度写真を撮る。

       最高峰から下山後、一軒茶屋前の道路を挟んで反対側にある広場に集まり、有馬へ
       下るグループと折り返して芦屋へ戻るグループへ分かれた。本来、この場ですべての
       メンバーは芦屋方向へ折り返す予定だったが、主催者が試走を行った結果と今日に
       有馬側から来た登山者の意見を聞き思案した結果 二手に分かれることが決定した。
       私は元々有馬へ下る予定だったため、有馬組へ入ったが、有馬へ到着後に折り返し
       て芦屋まで戻る人は居ないようだった。

       20数人いたメンバーが一気に10人に満たなくなった。これから先の山道は先の台風
       11号の影響のため各所で土砂崩れがあり、登山道はかなり変化しているということだ。
       有馬方向へ進み、途中の神社から白石谷へ向かうべく、かなりアドベンチャーに感じ
       る沢沿いを下り始めた。本来は笹薮の登山道へ進むべき道を越えて、更に沢沿いを
       下ると、砂防ダムに到着した。私自身も初めて訪れる砂防ダムの懐に集合して先に
       進めるかを相談した結果、もう少し足を延ばすことが決まった。その砂防ダムに設け
       られた作業用の足場(はしご)下り、更に砂防ダムの下へ降りる。降りると次の砂防ダ
       ムがすぐそこにあり、その砂防ダムを超えてしまうと その高さから想像すると後戻り
       が出来なくなる可能性があるようだった。(後から調べた結果、推測だが、白石第00
       堰堤(上流へ向かうたびに00の数が増えていく)と考えられる。そのまま強行すると
       白石谷のコースと重なるらしいがあまり人が歩んでいない模様。ただ、0ではないらし
       く登山者は訪れるらしい。)皆で集まって相談した結果、下ってきた沢を戻ることになっ
       た。

       間違えたと思われる場所まで戻り、辺りを見渡すと魚屋道がすぐそこに見えるため、
       皆少し愕然としたようだった。地面に落下して、笹薮で見えにくくなった看板を拾い上
       げて誰もが見やすい場所に看板を置きなおしてから若干の笹の藪漕ぎで先へ進む。
       こちらでも途中に多くのキノコが生えていて、あっちこっちで毒キノコという声が聞こえ
       るが実際は毒なのか無毒なのか判別は難しい。一般的にはキノコで想像する言葉は
       当たるや死ぬというマイナスイメージらしい。おそらく世の中でフグとキノコで当たる人
       が多いため、不必要に忌み嫌われてしまったと考えられる。その状況は私的にいえば、
       競走相手(取る人)がいないのなら、きのこは取り放題になるのでは?とそう考えてし
       まう。

       途中の道は以前訪れたときとは違い、完全に変わり果てていた。岩などがえぐられて
       しまい、長いロープでくだらなければいけない15mの高さの崖場や、山道が崩落して
       迂回しなければいけない場所もあった。白石谷の滝は以前とは違って姿を少し変えて
       いるようだった。また回りに自生していた植物も増水した川の水の影響で川近くのもの
       は流されていてなくなっていた。川沿いの川原や土手を選んで下るが、その場を進む
       よりも川の中を進んだほうが余計な植物がないため進みやすい。

       砂防ダムを幾つか超え、白石谷の最終点辺りにある大量の水が流れ落ちる砂防ダム
       のところで記念撮影を行った。そこから林道を進み、六甲のロープウエイへ足を向ける。
       川で林道が寸断され、少しだだっ広い川原となった場所で小休憩を行った後、私は折
       り返して芦屋へ戻る予定を組んでいたため、本来有馬まで行きたいところだったが、
       降雨も強くなり始め時刻が14時ということもあり、ロープウエイへ向かう林道の途中に
       ある炭の道で分かれて一人で魚屋道へ戻った。

       魚屋道へ戻るころには、雨天は若干の豪雨となっていた。東屋では数人の登山者が
       静かに休憩を行っていた。私も東屋の長いすに座り、エネルギー補給のため、チョコレ
       ートを食べて小休憩後、身体が冷える前に先へ進んだ。雨天のため有馬へ下る登山
       者がとても少ない。それでも20名くらいの登山者がいる。途中、魚屋道では1箇所だけ
       大規模崩落箇所があったが、緊急で土のうと使って足場が作られていていたので安
       心して進むことができた。一軒茶屋でも数人しか人は居ない。ペットボトル(H2O 170
       円)を購入して一気飲みをし、ここでも身体が冷える前に出発。そこから七曲を下り始
       める。通常なら上がってくる登山者で足止めすることが多いが、今日は人が上がって
       こない。出会った登山者の数は、有馬行きの登山者が5名と芦屋行きの登山者が1名
       の6名だけで、ほとんど止まることなく本庄橋に到着することができた。その先にある
       飛び石を使って川を渡る場所では、あまりの豪雨のため、それだけでクールダウンが
       出来ていたので、行きの時ように川に入りたいという気持ちにはならなかった。

       雨が峠手前の泥場は雨天のため更に悪化していた。雨が峠には誰もいない。そこか
       らはロックガーデンまでは沢下り状態になっていた。登山道には周辺から集まった雨
       水が流れ込み、川に変わっている。丁度、今年の春に行われた六甲全山縦走練習会
       の前半の高取山の状態と同じだった。足場は泥水のため、泥水の下には石があるの
       かくぼ地になっているのか?全く分からない。登山道を沢下りしている途中、恐れてい
       たことが起こった。ゴルフ場の柵を越えた付近で、泥水で分からなくなった山道に足を
       着地させた時に急激に足首だけが身体が進む方向とは交差する別方向へ持っていか
       れてしまった。足首に激痛が走り、1分程度激痛に耐えるため休憩をした後、足首に痛
       みはかなり残るがこらえてペースを落として走り続ける。

       芦屋方向へ下る登山者は途中で3名いたが、登ってくるトレイルランナーは6名いた。
       雨で涼しくなると夏山はランナーにとっては都合がいいので、練習のために上がってく
       るのだろうか?ただ、足場は泥水のため、見えない上に岩は滑って危ない。時刻も15
       時くらいのため、事故が起こると対処ができない。豪雨などの悪天候の山では余計に
       気を張る必要があるので、練習会以外ではなるべく避けたい。

       風吹岩はもちろん素通りし、沢(登山道)を下っていく。ロックガーデンの手前で登山道
       を流れていた雨水がようやく道をそれて山肌へ流れ落ちてくれた。ロックガーデンは雨
       水で濡れているため、やたら滑って危ない。結局ロックガーデンでは最後まで手足の
       3点で岩を保持しながらペースダウンして下山することになった。高座の滝からは雨天
       のため?車道を下山する登山者が以外に多くいて、その中を追い越してJR芦屋駅へ
       到着することができた。

       家に帰宅し、皆に毒キノコと命名されていていた大きなアカヤマドリ(乱獲を防ぐため
       場所は非公開)を調理した。うれしくてついつい写真でアップを取ってもらいました。
       調理方法はバター焼きが一番いいだろう。食感は今では食べることが難しくなった生
       レバーそのもの。味はエリンギを薄めた上品な感じで上手い。ただ、一つ不満をいえ
       るなら、内部のほとんどが虫食いのため、予想通り全体の3分の1くらいしか調理する
       ことが出来なかった。一人で帰り途中でも2つ見つけたがあまりに小さい(5CMくらい)
       ため、取らずに見守りました。お酒の肴にとても美味しくいただきました。(写真付き)
       (注意)知らない植物やきのこは絶対に口にしないようにしてください♪
       (トレイルラン開催日 : 2014・8・24)



第四五八号

          トランスジャパンアルプスレース参戦記!

2014年8月21日
AAC会員

千原 昇氏

       この夏、トランスジャパンアルプスレース(TJAR)に参加しました。TJARとは、日本海
       を出発し、北アルプス、中央アルプス、南アルプスを越え、太平洋まで(距離415Km、
       総合標高差27000m)を自身の足のみで8日間以内に踏破するレースです。
       その間の宿泊は、自分で担いだテント、ツェルト(簡易テント)によるビバーク(緊急露
       営)のみが許され、トレランというより登山の要素が大きくなります。

       このレースの存在は数年前から知っていたのですが、私はマラソンやトライアスロン
       が中心で山岳の経験はほとんどなく、地図読みなど出来ないし、ましてやツェルトを背
       負ってビバークしながら進むなど、自分には不可能で無縁だと思っていました。
       その考えが変わったのは3年前、アドベンチャーレーサーの田中正人さんが講師とし
       て来られた芦屋の地図読み講習会に参加してからでした。こういう練習をつめば、あ
       のTJARに出られるのではないかと思い始めました。それをきっかけに、六甲山に地
       図を持ち込んだり、オリエンテーリングに参加しながら地図読み練習を積んできました。

       さらに、山岳専門の方々とコンタクトを取り、山の技術を身につけるようにしてきました。
       やりだして段々気が付いてきたのですが、一朝一夕では身につかない技術が非常に
       多いため、トライアスロンは一時中断で山岳練習に取り組んできました。
       加えて、TJARは出たいと思えば誰でも出られるレースではなく、6月に実施された選
       考会で勝ち残り、30人の出場枠に入らなくてはなりませんでした。選考会にはトレイル
       ランの世界で強豪の方々が数々参加され、走力は私が明らかに劣っていましたが、
       それまで練習してきた地図読みやビバーク練習が功を奏してどうにか勝ち残り、念願
       の30人枠に入ることができました。ゼッケンは年齢の若い順から1番、2番…と降られ
       るのですが、私は高齢の部に入るので、ゼッケン27番をいただきました。

       【レース初日】
       レース前の開会式、予想外にも非常に盛大に行われ、出場選手一人一人が紹介され
       ました。http://www.tjar.jp/2014/info/2014/08/12051950.html
       これで気合が入り、8/10に0時に富山湾をスタートしました。しかしながら、台風の影
       響で天候は常に悪く、レースは難航を極めました。
       開始早々から台風の影響でコース変更があり、最初の難関である剱岳を回避する代
       わりに、大きく西側から回り込んで40kmロードを走った後、立山から入るルートに変更
       されました。このコース変更により、工程はいくらか楽になりましたが、予定していたコ
       ースタイムからは大きく遅れることになりました。
       また、今回の作戦として、食事は主に山小屋でご飯ものをしっかり食べ、間を携行食
       で繋ごうと考えていましたが、これは大きく当てが外れました。山小屋が空いている時
       間は6時~18時くらいなのですが、その時間にうまく山小屋には着かず、朝方あるい
       は夜についてしまうことが多く、山小屋でまともなものが食べられたのは初日のラーメ
       ンと二日目のカレーのみになってしまいました。これが、後々の疲労に繋がったものと
       思います。

       初日のコースに話を戻すと、40kmロード、そして富山鉄道の立山駅を超えるとトレイル
       となり、しばらくはまずまずのペースで進んでいました。このあたりまでは楽しい気分に
       もなっていたのですが、一の瀬山荘を超えて鬼岳、獅子岳に入ると、これまで経験し
       たことのない強風が吹き荒れ、気を抜いたら谷底に吹き飛ばされそうで、気をつけな
       がら徐々に進みました。このために、五色ヶ原山荘に着くのが18時少し前と、予定よ
       りかなり遅れました。天気も非常に悪く、ここでビバークして翌日早くに出発するのも
       一つの手でしたが、私は、当初の予定通りスゴ乗越キャンプ場に行くことを決めました。
       そこまで行けば、翌日以降の展開が楽になると踏んだからです。しかし、これも作戦ミ
       スだったかも知れません。悪天候でなかなか進めず、スゴ乗越に着いたのが23時過
       ぎと極めて遅い時間で、大きく疲労してしまいました。

       【2日目
       このためか、2日目は全く調子が上がらず、後続の選手に抜かれるばかりでした。
       携行食は常に口にしていましたが、やはりしっかりしたものを食べたい。しかし、前述
       の通り、この日のまともな食事は昼前に薬師寺山荘でカレーを食べられたのみでした。
       黒部五郎岳から黒部五郎小屋に至る下りでは、日も暮れていたこと、雨で足場が悪く
       なっていたことに加え、次第に足の踏ん張りが効かなくなり、何度もこける状態になり
       ました。後で鏡を見て気が付いたのですが、この時に顔中は傷だらけ、あざだらけに
       なっていたようです。しかし、アドレナリンでも出ていたのでしょうか、さほど痛みは感
       じておらず、その時は自分ではそこまでの怪我を負っているとは気が付いていません
       でした。

       【3日目】
       黒部五郎小屋から三俣蓮華岳に登る最中、明らかに自分は遅く、次の関門の上高地
       までは間に合わないと判断し、リタイヤを決意しました。朝5時頃だったと思います。
       しかし、自己完結、自己解決が基本のTJARでは、このリタイヤはタイミングが少し遅か
       ったようです。前日の黒部五郎小屋の段階でリタイヤを決めるべきだったのかも知れ
       ません。というのも、リタイヤを事務局に報告しようとしても電話が通じず、とりあえず
       食事を取ろうと向かった次の山小屋(三俣山荘)に着くまでに体が冷え切ってしまった
       ようで、到着したその場で低体温症と診断されてしまいました。この件は、公式HPでも
       私について「低体温症で避難」と記され、私のことを公式HPでずっと追って頂いた方々
       には大変な御心配をおかけしてしまったものと思います。

       【TJARを終えて】
       結果として、北アルプスも越えることができなかった上に、まさかの低体温症の診断ま
       でついてしまいました。反省点はいくつもありますが、AAC会員の皆様にも参考になれ
       ばと思う点を2点あげさせていただきます。
        ①山では決して無理をしてはいけない。これは勿論、自分でも初めから気をつけて
          いたことですが、特に山やトレランでは自分が限界と感じるそのだいぶ手前の段
          階で止めなければならないと思いました。
        ②普段からトライアスロンやマラソンに取り組んでいると、自分でも気づかず自然に
          限界まで追い込めてしまうように思います。私も今回は、自分でも気づかないま
          ま追い込んでしまっていました。救護体制がしっかりしているマラソンやトライアス
          ロンのレースではそのまま行ってしまってよい場合でも、山やトレランではそこま
          で追い込んではいけないですね。

       以上、反省点ばかりになってしまいましたが、憧れのTJARに出場できたのは一生の
       宝です。この経験を糧に、今後のアスリート人生をより価値あるものにしていきます。
       最後になりましたが、今回は本当に皆様から沢山の応援をいただき、どうもありがとう
       ございました。
       (大会参加日 : 2014・8・10~12)



第四五七号

          ト ラ イ  ア ス ロ ン が ん ば る ぞ ー ☆

2014年8月1日
AAC会員

田中 有朱氏

       はじめまして、田中有朱(ありす)です。私は去年の潮芦屋アクアスロンに初参加した
       時に、アスリートクラブを紹介して頂き入会しました。
       私の目標は、トライアスロンの試合に出場して完走することです!!
       私は、0歳から水泳を始めて、中学までシンクロナイズドスイミング、高校からは競泳
       をしていて、水泳中心の生活で普通に友達と遊んだり、遠足や修学旅行に行ったりし
       たことがなかったので、最後くらい普通に学生生活をしてみたくて大学ではスポーツ
       から離れ、そのまま普通に就職しました。

       大学での学生生活は本当に楽しかったです。就職した会社は大変でしたがやりがい
       のある仕事を頂けるようになれました。でも、毎日何か物足りなくて、自分の生活に
       充実感がありませんでした。
       そんな時、たまたま潮芦屋アクアスロンに出て、海で泳ぐことの感動や達成感、何より
       も楽しくてイキイキしてる自分に出逢えて、選手の頃のような充実感を味わうことがで
       き、「もっとやってみたいな!」 と思えることに出逢えた気がしました。
       と同時にその日にたまたま芦屋浜アスリートクラブを紹介して頂けたことも、トライアス
       ロンという新たなチャレンジへの一歩を踏み出すことにつながりました。

       しかしながら、最近まで仕事の疲労でほとんど練習に参加できませんでした。そして、
       アホな私は「もっと若いうちに広い世界を知りたい、もっといろんなことに挑戦したい!」
       という思いが爆発して、ついに先月会社を辞め、水泳コーチを始めました。
       お金にはかなり困っていますが、今は好きな水泳ができて、今までできなかったこと
       に挑戦したり、沢山新しい自分を発見できていて、ココロもカラダもとっても充実してい
       ます。

       そして、何よりも芦屋浜アスリートクラブの練習会に参加できるようになり、且つ自主
       練の時間もとれるようになり、憧れのトライアスロンに一歩近づいてるようで、ワクワ
       クしています! これからいろんな大会に出て、失敗を恐れずにチャレンジしていきた
       いです!

       トライアスロンを通じて、人生がもっと幅広いものになって、もっと楽しくなれたらいい
       なー! こんな私ですが、みなさん、これからもどうぞよろしくお願いします!!!



第四五六号

            私 の 今 、 そ し て こ れ か ら !

2014年7月28日
AAC会員

宮武 智恵子氏

       一度切れかけていた糸を、どうにか繋ぎ止めて・・・そう、トライアスロン・・・
       ラン強化と、精神的リフレッシュのために始めたトレイルランに、どっぷりのめり込み、
       山という自然の中で、あまりにも楽しくて、「トライアスロンはもう辞める?、どうする?」
       そんな、自問自答を繰り返して4年・・・

       今年も昨年に引き継き、富士山に会いたくて、UTMFに参加。 私にとっては、達成
       感、充実感はかなりなもの! けれど、辞める前に、もう一度トライアスロンに出てお
       こうかと、思いなおして申し込んだ皆生大会。周囲の方からは、「どうして今、急にトラ
       イアスロン?」と怪訝な顔をされたけれど、私自身は、「はぁ~?」まあ確かに・・・
       ましてや、ショートでもよかったのだけれど、やはり魅力はロング。ラッキーにも、参加
       出来ることがわかり、ちょっぴり後悔もしたけれど、偶然にもある方のご縁で、自転車
       のポジションを見ていただく機会が持てたことで、もう一度頑張ってみようと・・・

       それからの2か月は、無我夢中で、坂のバイク練習にポイントを絞り、記憶をたどって
       4年分のブランクを、一気に巻き戻したような、まぬけな私です。
       皆生大会は、3回目。ロングレースは、決して楽ではなく、今回も予想通り、かなり苦
       しみました。当たり前! 自分で自分に与えた試練ですものね。それでも、共に戦っ
       た選手と、応援やボランティアの方に支えられ、目標の完走と、来年に繋げる完走記
       録ができ、何より一安心です。

       今は、トライアスロンのレースを、初めて完走した時の、純粋な感動はないけれど、「
       何とか帰ってこれて良かった~」という安堵感でしょうか。これからですが、記録を追
       いかけるのも素敵なのですが、私は、長年かかえる腰痛と、悪戦苦闘する日々です。
       ですので、これからは、これまでに出会ったご縁を大切にし、トレランにトライアスロン
       にと欲張りですが、いけるぎりぎりのところまで、体調と相談しながら楽しめたらと思い
       ます。

       「両立なんか、中途半端で出来ないでしょう~?」と、またまたお叱りを受けるかもし
       れませんが、今は、一度しかない人生、悔いの残ることのないよう、自分が輝けると
       思う場所で、なりたい自分探しができたらと思います。

       まだまだしたい事がいっぱいです。いくつになっても、前向きに、一歩ずつ歩き続ける
       マイペースさが、私のスタイルです。そして、練習会やレースで、「どんな出会いがあ
       るかなあ~?」と、ワクワクしています。これからも、感動の種を見つけることがあれば、
       是非とも皆さんと、思いを共有できたらと思います。
       AACの皆さん、こんな風来坊な私ですが、そっと見ててやってくださいね!
       (大会参加日 : 2014・7・20)



第四五五号

    みんなで走るロングマラニックの楽しさに開眼させて頂いた一日でした!

2014年7月9日
AAC会員

吉岡 茂行氏

       昨年の12月にAACに入会した吉岡茂行と申します。投稿が非常に遅くなり申し訳ご
       ざいませんが、AACトレイルラン部企画の「東海自然歩道ロングマラニック」(嵐山~
       箕面)に参加させて頂きました。今まで居住地(大津市)に起因する距離的な制約も
       あり、練習会の未参加状態が続いておりましたが、ようやく、練習会デビューを果たす
       ことができました。素直に嬉しいです。

       さて、この企画、事前に「嵐山~箕面間のルート」と伺っていたのですが、名称が「東
       海自然歩道ロングマラニック」ということで軽い違和感。「ググっ」てみたところ、東海
       自然歩道は、昭和44年に、各地方のインフラ整備や都市の過密化が急激に進められ
       四大公害病等の高度経済成長の影の面が顕在化した当時、憩いの場としての自然
       を見直そうという構想に基づいて整備されたものらしいです。ルートは、東京の明治の
       森・高尾国定公園が起点で、大阪の明治の森・箕面国定公園が終点とのこと。今回
       は、その最終部分を走破致しました。
       朝早くに京都・嵐山をスタートし、途中、ポンポン山、摂津峡、竜王峠、箕面の滝を経
       て、最終的には、箕面スパー・ガーデンにゴールし、その後、入浴・懇親会という行程
       でした。参加させて頂いた感想を一言で表現すると、冒頭の題に掲げました「大人の
       遠足」で「みんなで走るロングマラニックの楽しさに開眼させて頂いた一日」と言ったと
       ころでしょうか。以下、開眼に至った理由を説明致します。

       < みんなと走るので頑張れる >
       ご存じの方もおられるとは思いますが、小生は基本的に根性なしで、「今日は○○キ
       ロ走る」と決意して練習に出向かっても、すぐに色んな言い訳を用意して短縮しがち
       です。ですので、まとまった距離を走るのは非常に苦手です。しかし、やはり、皆さん
       と一緒に走ると、「サボルことはできない」と自分に言い聞かせたこともあり、いつもよ
       り頑張れた気がします。
       後半は、いつになったら箕面の滝に近づくのか・・・と自問しながら、周りの皆様のご
       健走を励みに踏ん張りました。特に、最後の箕面の滝からのスパー・ガーデンまでの
       数キロは、かなり速いペースで皆様が走られました(練習会恒例のようですね)ので、
       びっくりです。既に50キロ以上を走った後とは思えない激走ペースにご一緒させて頂
       き、結構、自分を追い込めたのでは・・・という充実感とともにゴールできました。絶対
       に自分一人ではできない練習でした(汗)
       さらに、今回のコースは山道も多く、小生は登り下りともあまり得意ではないのですが、
       一緒に走って頂いた皆様の走りを拝見し、コースの取り方(坂道での足の運び方?)
       なども勉強させて頂くことができ、(少しだけですが)自分の中の苦手意識を払拭でき
       たようにも思えます。
       そして、一番の収穫は、この日の山道走行、そして、そのランニング中の会話を通し
       て、私自身のトレイルランに対する関心が高まったことです。もう少し経験値を上げて、
       なんとか来シーズンには、本格的なトレイルランのレースに参戦を果たしたいと思い
       ます。

       < いろんな名所を訪問できる >
       京都勤務が15年になる小生ですが、京都の有名な寺社仏閣ですら、ほとんど行った
       ことがありません。ましてや、この日に訪れた鈴虫の寺、竹の寺、勝持寺なども初耳
       のところばかりでした。しかし、侮ることなかれ、一見マイナーな思われるお寺などで
       も歴史的に由緒あるものだったり、国宝や重要文化財を所有していたりして、京都の
       懐の深さを痛感致しました。また、ポンポン山、摂津峡、そして、竜王峠なども初めて
       訪れましたが、それぞれにその景観を楽しませて頂きました。また、嵐山~箕面間っ
       て想像以上に山があって、距離が長いことにびっくりです。この辺りも実際に走らない
       と体感できないものですね。
       普段、観光名所等に車で出向くと、渋滞・駐車場確保に悩まされがちですが、最高に
       小回りが利く「自分の足」を使っての訪問も楽しいものです。トレーニング時間の確保
       とレジャーを充実させたい方にはかなり楽しめること間違いなしです。今後、小生も京
       都・滋賀の名所をマラニックで訪れたいと思っています。

       < 苦しさのあとの「お楽しみ」でさらに満足度アップ >
       ゴール地点は箕面スパー・ガーデンでした。こちらで、入浴の後、懇親会。 まさに、
       「大人の遠足」の総仕上げです。私を含め男性3人は、辛抱たまらず入浴の前にフラ
       イングして祝杯を上げましたが、完走後にビールを飲むという楽しみを「心の糧」として
       走ってきた私にとって、この1杯は格別のものがありました。本当に美味しかった。
       そして、山道でのランニングで汗と汚れにまみれた身体を入浴で綺麗にした後で、改
       めて、皆様とお酒を飲みながら歓談。レースの近況報告や練習方法を拝聴でき、楽し
       みながらも勉強させて頂きました。
       懇親会解散後は、マラニックによる疲労感、入浴による爽快感、そして、美味しく頂い
       たアルコールによる酩酊感を楽しみながら、遠く離れた拙宅への帰路につきました。
       帰りにスパー・ガーデンからみた大阪平野の夜景がより美しくみえた夜でした。

       最後になりましたが、今般の企画を計画して頂いた役員の皆様、そして、一緒に走っ
       て頂いた皆様、ありがとうございました。冒頭でも触れましたが、なかなか練習会に参
       加する機会がありませんが、今後ともよろしくお願いします。
       (練習会参加日 : 2014・6・15)



第四五四号

          「ふるさとの中海」で小原工さんと泳ぐ!

2014年7月1日
AAC会員

山田 敦子氏

       6月29日、鳥取県米子市で開かれた中海オープンウォータースイム大会の3000mの
       部に参加してきました。私は鳥取大学医学部の出身なので、研究室からいつも中海
       を眺めていて「こんなところ泳げないよね」と普通に思っていた場所を、何のご縁か泳
       ぐことになりました。転勤族の私にとっては、大学生活7年を過ごしたこの地は、ふるさ
       とです。
       そこでなんと! シドニーオリ ンピックなどに出られた小原工さんが、ガイドに名乗り
       出てくださったのです。彼にとっても全く未経験なことですが、チャレンジすることにし
       てくださったそうです。

       前日もジュニア指導でお忙しい小原さんとは軽い打ち合わせのみで終了。全くのぶっ
       つけ本番となりました。前日はトークイベントと懇親会に参加し、アテネオリンピック競
       泳800m金メダリストの柴田亜衣さんと小原さんのトークでいろいろ勉強させていただ
       き、鳥取県や競泳会の方々とも交流することができました。
       柴田選手は、スイムのフォームを直接ご指導くださいました。鳥取県では、少し前から
       タンデム自転車の走行を許可しようという動きがありますが、元はパラリンピアンの方
       が言い出したことで、でも今回のレー スに私が出ることを聞いた方々が「鳥大出身者
       がパラリンピックを目指しているなら」と動いてくださったそうです。

       翌日、山陰にしては当たり前の曇り空。私にとってはナイスコンディションでしたし、
       なぜかいつもの緊張は全くありませんでした。スタート前も取材がたくさんあり、ばた
       ばたとスタートに向かうことになりました。小原さんと初めてロープで足をつなぐと、小
       原さんの緊張が伝わってきました。身近な方々には「山田さんとのスイム、緊張して
       る」とお話されていたそうです。
       スロープから50mくらい泳いだスタートラインに行くと、後輩のだんな様でライフセーバ
       ーの方が待ってました。あとで聞いた話、彼がずっと私たちについてレースを見守って
       いてくれたそうです。きっと 落ち着いて泳げたのは彼のおかげもあったんだと思いま
       す。

       最初の直線250mはゆっくりめに進みましたが、プールのようでした。中海(なかうみ)
       は鳥取県と島根県の間にある海水と淡水の混じっている汽水の海ですが、飲んでも
       しょっぱくありません。1つ目の船を曲がってから、どうも中間集団に巻き込まれ、たく
       さんの選手にぶつかり足を捕まれました。めげずにバトルしていたら、さらにクラゲとも
       顔面衝突し、痛いのをこらえながら2000くらい泳ぎ進みました。すると…さすが山陰で
       す。急に波が出てきて、息をするたびに水を飲み、それが私にとっては楽しくて仕方
       なくて「スイマーズハイ」になり、最後の船からの250mペースを上げられました。
       あっという間にフィニッシュ、でも最後のスロー プで手がすべり、タイムロスをしてしま
       った結果、なんと1:00:02!!目標の1時間切りを達成することができませんでした。
       (スイムだけならいけてたのに!)

       小原さんのガイドは、初めてとは思えないくらいのすばらしいもので、ほんの少し前を
       泳いでくださったのでこんないいタイムが出たと思います。今回の目標は、いつものレ
       ースではもっと距離が短くても出せていないペースでの設定で、きびしめのものでし
       た。だから、2秒は悔しいけど上出来です。
       今回、柴田選手のアドバイスを生かすこともでき、小原さんにも海スイムに向いている
       とお墨付きをいただき、さらには鳥取県のみなさんの大歓迎をうけ、本当に幸せな
       「帰省」になりました!

       視覚障害というだけで、全然レベルは低いのに、こ んなにすごい方々が動いてくださ
       り、力を与えてくださるのは、本当に幸せなことだと思います。恥ずかしくないレベルに
       なって、来年もまた参加したいなと思っています。
       READYFOR(レディーフォー) https://readyfor.jp/ でたくさんの方々からご支援をい
       ただき、ありがとうございました!それが今の私を支えてくれています。レースで苦し
       い時、練習でつらい時、皆様のことを思い浮かべて耐えています。
       これからもどんどん背中を押していただけましたら幸いです!!



第四五三号

         6 月 15 日 は 芦 屋 浜 A C 記 念 日 !

2014年6月28日
AAC会員

奥野 英明氏

       年末に会員の方に『一緒に出ようよ』と誘われたことから始まった長崎バラモンキング
       Aタイプ(226.2km)へのチャレンジ。トライアスロン歴1年の自分には「とても完走は無
       理だろう」と思いながらも、「誘われて、断る理由も無いのに断るのは主義ではない」
       と、勢いのみで申し込んでしまったというのが始まりでした。

       大会当日2:50起き。皆、黙々と食事をし出す。クラブの方々が周りにいるだけで自分
       などは安心感に包まれている。エネルギー不足にならないように飯三杯を頂く。
       用意を済ませ、宿近くの乗り場からスイムスタート会場へバス移動。移動はバスで約
       30分弱。到着後、バイクラックを見ると、昨日預けた我がバイクも並べられてあり、一
       安心。おっ、空気もちゃんと入っている! その他の用意をサッと済ませ、皆を探し出
       す。同世代の小○さんを見つけたので声をかける。満面の笑みで返ってきた言葉が、
       『バイクシューズを宿に忘れてきました・・・』
       「え~~。それ、満面の笑みで言う言葉ちゃうやん」と突っ込んだら、
       「大丈夫です。時間はまだ有りますから」と、余裕綽々。
       それから小○さんは帰り便のバスで宿に帰られ、タクシーで戻ってこられ、普通にス
       タートに立たれていました。朝一番から人の懐を感じて感動。凄いっす?!

       そんなことも有り、緊張することなく自分もスタートへ。「スイムの作戦」 は、3週間前
       の長良川で閃いた、あえてバトルの中へ突っ込む。「それが最短距離やろ?!」と、
       考えたのでサッサと海に入り、フローティングスタート地点の一番前の満々中に陣取
       る。周りは気合が入ってる。当然ですが、なんか笑えてきた。スタートの号砲は聞こえ
       ず。しまった!と、思いながらも、取りあえず、一瞬だけでも一位に成っとこうと、気合
       入れて泳ぐ・・・が、横の人が速すぎ!残念。一瞬も一位にならず。直ぐ諦めて、最
       適バトル集団を探し出す。そんなことをしていると、1.9km×2周の1周目は直ぐに
       終わる。2周目もバトル集団を探すも、結構バラけており、そんな集団は無し。しょうが
       ないので適当に泳ぎだす。冷静になってみると、海が想像より綺麗でないことを認識。
       なんか寂しくなったので、しばらくの時間背泳ぎで進んでみた。空は広い!広いぞ!
       無性にやる気になってきた! 残り1キロ程は息があがらない程度に一生懸命手を
       動かしゴール。(スイム3.8km=1:16:51)

       ここからが自分は正念場。バイクの連続180km走行は結局未経験。目標は15:30に
       バイクフィニッシュ。取りあえず、無理しすぎずに走りきることを考えスタート。40kmほ
       ど進むと、55kmの周回コースにぶち当たる。この55km周回×2周がほぼメインコース。
       途中、対面通行箇所があり、AACメンバーの大体の位置関係を把握できた。脇○さん。
       松○さん(1)。松○さん(2)。本○さん。新○さん。中○さん。西○さん。小○さん。が自
       分の前後周辺で走っている。なんか楽しくなってきたぞ。・・・と、思っていたのは100
       km位まで。その後は、厳しかった。前後に仲間の方々がいるというのは、サボったら
       直ぐにバレるという状況の裏返し。無理しすぎず・・・なんて何処へやら?!無理しすぎ
       まくって最後まで走行。(バイク180km=7:31::06)

       トランジット(バイク~ラン) バイク終わりの時点では足がヘロヘロ。腰は激痛。こりゃ
       あかんと思い、念のため用意していた痛み止めを飲み、鎮痛ローションも全身に塗り、
       トランジット内が綺麗な芝生だったので、仰向けで横になる。 ・・・・・・『 ぐがっ! 』と、
       いう自分のイビキで飛び起きる。ヤバい!時計を見たら5分ほどしか経ってない。良か
       った。こんな所で寝ててタイムアップしてしまったら恥さらし、というか、練習会にも参
       加できん。飛び起きて、いざランへ。

       だいぶマシに成ったが、全身がガス欠であることを実感。タイムアップは22時なので
       ランには6時間かけることができる。取りあえず進むべし。と、歩くように? いえ、全
       力で歩いて進みだす。しばらく行くと、小○さんと遭遇。『かる~く 走りますか♪』と、
       満面の笑み。そこからなんとなく走れ出し、何となく前に進めてる!顔を上げると、対
       面通行なのでAACのメンバーと所々で遭遇。普段、サイボーグか人造人間だと思っ
       ていた人々が苦しそうな顔をして必死に走ってる。俺も負けちゃいかんと、自分で自
       分にムチを打つ。最後の折り返し地点(残り10km)の堂崎教会前でまたも小○さんと
       遭遇。『絶対に21時までにはゴールしましょう』と、二人で誓い合う。真っ暗闇の中を
       二人で励ましあいながらただただ前に進む。

       ゴールの明かりが見えてきたときは、ただただ『終われる!』という感情しか湧き出て
       くること無く。ゴールしたときは『終われた!』という感情しか湧き出なかった。
       (ラン42km=5:3:21)
       トータル13:51:18という記録は自分には上出来すぎる記録です。丁度1年前の6月
       15日に入会させて頂き、偶然にも同じ6月15日にロングのトライアスロンを初完走。
       だから6月15日は芦屋浜AC記念日。感動や興奮は後からジワジワと湧き出しており、
       不思議な感覚です。AACや会員の方々には本当に心より感謝しております。
       これからも精進しますので末永くよろしくお付き合いください!
       (大会参加日 : 2014・6・15)



第四五二号

       3 年 越 し の 五 島 長 崎 大 会 を 参 加 完 走 !

2014年6月27日
AAC会員

中島 守氏

       トライアスロンを始めて5年目、その間鎖骨骨折次の年には不幸が続き、2年続けて
       大会直前にしてキャンセルと言う不運に見舞われましたが、今年ようやく3年越で故
       郷の大会に参加し無事完走を果たすことができました。

       とは言え、気分も天候も最高の好条件の中でしたが、ヘルメットとランキャップに関す
       る2件の事件が発生するという思い出多い大会となりました。
       しかし、2つとも3年越しの神が救ってくれたのか順調にレースは進み、目標の8時間
       台は逃したものの9時間台で完走出来たことは満足で、悔いの無い結果でした。

       どれもこれもすべてAACのメンバーの方々が温かく数多くのアドバイス、そして地元の
       方々のボランティアや応援がすごく力となって、この記録が達成できたと思い感謝感
       謝のレースでした。来年はロングで走るかどうか未定ですが、実現に向けて励みたい
       と思っています。前進あるのみ!^ ^

       2件の事件とは?
       ヘルメット検査で一人前のW本さんの検査時に、小さいキズで不合格になった直後に
       別の列に移動したので私の検査は無事合格になった。実はW本さんより私のキズの
       方が大きく、その上ヒモの部分も改良していたので厳しい検査なら不合格で大会出
       ができなかった事でしょう。

       ランキャップを受付会場で買い求め用意していたのに、入れたつもりのランキャップが
       荷物の中に見当たらずそのまま走り始め、途中でかぶってないのに気付いたがもう
       遅い、そのまま走ったがやはり太陽が暑すぎた!帰りの荷づくりダンボールの中から
       ランキャップが出てきて・・・ワ~~~ ヤッパリ有ったんだ・・・・・
       (大会参加日 : 2014・6・15)



第四五一号

       東海自然歩道ロングマラニックは楽しく充実した一日でした!


2014年6月26日
AAC会員

谷口 ひとみ氏

       6月15日(日) AACトレイルラン部企画の東海自然歩道ロングマラニック(嵐山~箕面)
       に参加してきました。今回は男性13名と女性5名の合計18名の参加でした。
       走行距離約56キロ。この56キロは、私にとって今年の篠山マラソンのフルが最長なの
       で初挑戦となります。 しかも山を走破するという私にとっては厳しいことになるかもと
       不安もありました。
       今月は、猛暑の中の「たたらぎダム湖」とアップダウンのきつい「みかた残酷」と2週
       続けて完走できた自信と3週連続になるので走力をつけるチャンスだと思い、思い切
       って参加させて頂きました。

       集合場所の嵐山駅を出発し、松尾大社、鈴虫の寺、竹の寺、勝持寺とお寺が続きます。
       松尾大社のみ入りましたが、他は早朝の為入れませんでした。各所記念撮影をし通過
       して、山へと入って行きます。竹林は、今にも「♪かぐや~姫~♪」が出てきそうな、涼
       しくて風情があり気持ちの良い所でした。
       山の中は時折り日陰もあり、途中の湧水、お寺のお水にとても助けられました。皆さん
       頭から腕、足と水を掛けたり、飲んだりして暑さを凌いでいました。私はずっとタオルを
       濡らして首に巻いて走りました。水が意外と冷たいのでタオルを顔や耳に当てたらなん
       と気持ちのいいこと。結構やみつきになりました。

       主人が試走した時に、ポンポン山を下ってから売店があり、瓶のコーラとテーブル席が
       ありコップで飲めると聞いていたのですが、なんとその売店が閉まっていました。楽しみ
       にしていたのでショックでした。
       摂津峡でもビールが飲めると聞いていましたが、またしてもお店が閉まっていました。
       なんてことでしょう!私と同じようにそれを楽しみにしていた人も多かったのでは?
       あとで思いましたが、そんな休憩をしていたら、きっと日が暮れていたかもしれませんね。

       竜王山の山頂のやぐらに登り終えた時には、暑さでさすがに皆さんも疲労が溜まってき
       ているようでした。景色も霞んでいて残念ながら絶景とまでは言えませんが、見晴らし
       はよかったです。途中の数少ない貴重な自販機では皆さん群がるように(笑)ドリンク
       を補充して「元気復活」です。
       私も最後の自販機で飲んだコーラが最高に美味しく元気にいざ出発です!ところが、
       ある「ハプニング」があって元気がなくなりました(^_^;)

       後半の北摂霊園の手前の最後の杉林の200mを登りきった時には座り込んで休憩しま
       した。開成皇子の墓の前で、下りはこれで終わると聞いて、やっと終わるーっという気
       持ちで山を下りました。
       しかし、待てよ?山は終わっても箕面の大滝までまだ下るのでは?やはりそうでした。
       山は終わりましたが、次はロードの下りが待っていました。大滝まで近くないことを聞い
       て心が折れました。何とか大滝に着いて一息付き、箕面名物の猿が一匹もいなくて残
       念でした。

       皆さん、大滝から急に今までにない速いスピードで走って行くので皆さんの元気に驚き
       ました。大滝からゴールの箕面スパーガーデンまで、子供時分の記憶から、ものの数
       分で着くと勘違いしていました。大滝からスパーガーデンまでこんなにも距離があるな
       んて・・・ しかもずっと下り。
       「えー、まだ走るの?まだ着かないの?もう嫌やー!」と叫んでいました!
       (すみません!)山を走っているより辛い道のりでした。距離を聞いたら3km程とのこと
       でしたが私は長かったです。いつも先を行かれる原さんのお姿が最初に見えた時はと
       ても嬉しかったです。(終わりだー。)

       皆さんも待っていてくださり感動のゴーール!やがて日も暮れてきて、スパーガーデン
       の建物の明かりと夜景の素晴らしいこと。とっても綺麗でした。お風呂の後のビールは
       とっても美味しかったです(待ち遠しい時間でした)男性陣の一部は待てずにお風呂の
       前に飲んでいたようですが(笑)
       誰も怪我なく無事にゴールができました。っと言いたいところですが、実は私、両足親指
       の爪が半分死んでしまいました。今回は足の筋肉痛も軽く済んだのに爪の痛みがひど
       く、時間が経つごとに爪の付け根が悪化してきました。足全体と親指が腫れて次の日の
       月曜日から靴が履けなくなり唯一、1足だけ履けるサンダルがありました。6日後、爪を
       無理矢理、とある医者に半分剥がされました!足に心臓ができたようでバクバクです!
       むちゃくちゃ痛いです(涙)私にとって、ラストの箕面の「下り」がかなり痛くてきつかった
       のはこの為でした。

       教訓 : 靴選び、紐の締め方には注意です!
       痛い思いはしましたが、ロングマラニックをやり遂げた達成感は最高でした!
       最後になりましたが、このロングマラニックを成功させる為にわざわざ試走をし、本番で
       は誘導と見守るように伴走をして下さった役員の方々、一緒に参加された素敵な皆さん
       に本当に感謝いたします。ありがとうございました。



第四五〇号

    2007年大学1回生の時に芦屋浜アスリートクラブの会員になりました!


2014年6月25日
AAC会員

上田 敦之氏

       芦屋浜アスリートクラブの皆様こんにちは。そしてお久しぶりです。といっても、私と
       面識のない方々が殆どかと思います。大学1回生の時にマラソンを始めて大学生の
       時に芦屋浜アスリートクラブの会員になりました。現在は、転勤で仙台に住んでいま
       す。

       さて、先日、6月8日(日)第3回飛騨高山ウルトラマラソンに参加してきました。私にと
       って、昨年の丹後100㎞ウルトラマラソ ン以降で初めてのウルトラマラソンでした。
       前日、仙台から名古屋へ、そして名古屋から高山へ、約8時間かけて受付会場に到
       着しました。時は既に夕方18時になっておりました。ゆっくり休めるかどうかもとても
       心配でした。丹後の時は、民宿に泊まったので、夕食や朝食を買いに行く必要もあり
       ませんでした。参加者と話す機会もありましたし、ストレスを感じることはなかったの
       です。
       しかし、今回はホテルしか取れなかったためかなり厳しい船出となりました。ホテルに
       到着後、コンビニに夕食を買いにいくと、オニギリが全くない!渋々、うどんやパン類
       を買いましたがこんな食事で明日パワーが出せるのだろうかととても不安になりまし
       た。夜 もゼッケンの取り付けや風呂に入っているとあっという間に21時となりました。

       次の朝、早朝2時半に起床しました。コンビニに向かい朝食を買いにいきました。前日
       に買えなかったオニギリが食べたかったのです。これ程、準備不足の大会は今まで
       無かったですし、こんな食事ではエネルギーが途中で切れてしまうのではないかと、
       またしても不安になりました。
       午前3時半スタート会場の高山市役所に向かいました。着替えやスタートまでの待機
       場所として市役所が解放されていました。そして、私はスタート会場でいつも通りテー
       ピングをしてもらいました。レース途中でいつも着替えないのでゴール地点での着替
       のみトラックに詰め込みました。どうせずぶ濡れになる からです。

       スタート時間が近づいて参りました。遠方からこられた方々、岐阜県や愛知県など近
       隣にお住いの方々、沢山の方々がスタート地点に並んでいました。(72㎞の部門で
       は、弁護士の丸山氏も参加していました。) そして、スタートしました。これほどまで
       に孤独でスタート地点に向かったことは初めてでしたが、100㎞で宮城県から唯一の
       参加ということで必ず11時間以内でゴールして仙台に帰るぞという気持ちで走り始め
       ました。

       最初はいつも通りペースを上げずゆっくり走ることを心がけました。そしてスタートして
       すぐに伝統的な古い町並みを通りました。いつもならゆっくり観光を楽しむ場所もあっ
       という間に通り過ぎてしまいました。20㎞地点を2時間以内で通過しました。まだまだ
       行けます。しかし、30㎞地点で左足に少し痛みを感じました。前日ゆっくり出来なかっ
       たこと、移動距離の長さが影響したのだと感じました。そしてここから暫くの間は、標
       高差があることからか、酸素濃度が低下しているように感じましたし、少し呼吸も苦し
       かったです。70㎞地点までは、1時間10㎞の良いペースで進めていたと思います。
       しかし、70㎞を過ぎて、ついに走ろうと思っても走れなくなり、ただ歩くことしか出来な
       くなりました。とても悔しかったです。完全に準備不足が影響し自分の走りが出来なく
       なったのです。また、気温も雨という予想に反して上昇していました。ただ歩きました。
       そして後方からランナーに抜か れていきました。吐き気と眩暈がして、おそらく80㎞
       辺りのエイドステーションで暫く休みました。こんなことは初めてでした。その前後から
       は雨が降っていました。

       82.7㎞。最後の関門に到着しました。ただ、自分が思った以上に距離を走っていなか
       ったことにがっくりしました。87㎞過ぎ。絶壁のような坂が現れました。仕方ないです。
       皆さんが歩いていたので少し安心したくらいです。やっと、標高差の激しいハードコー
       スの終わりかと思いきや、最後の最後に千光寺までの長い階段が待っていました。
       すごいな飛騨高山のコースは、と改めて感じました。
       90㎞を過ぎました。吐き気と眩暈が極限に達し、2度座り込みました。途中で一人の
       40代くらいの男性に声を掛けられまし た。「大丈夫か」私は答えました。「いや、無理
       です。しんどいです」と。「後ろ向きに歩いたら違う筋肉使うから少しは楽やから。」と
       言われました。そのように声を掛けて頂いたことは非常に嬉しかったのですが、後ろ
       向きに歩いても逆にしんどいだけでした。ただ、声を掛けて頂いたことに感謝していま
       す。
       93㎞を過ぎ、なぜか分かりませんが急に走り出せるようになりました。95㎞まで来ま
       した。せめて11時間台でゴールしたいという思いもあり最後の力を振り絞りました。
       しかし、98㎞地点で12時間を過ぎてしまいました。ただ、最後まで一人でも多くのラン
       ナーを抜いてゴールしようと走り抜きました。

       結局、結果は、12時間06分55秒という記録でした。目標時間 はクリアできませんでし
       たが、沿道で応援して下さった方々、エイドステーションのスタッフの方々に感謝して
       おります。これから先も長いマラソン生活が送れるよう、無理をせずマイペースに大
       会に参加して行きたいと思います。そして、芦屋浜アスリートクラブのメンバーの方々
       のご健康とご多幸をお祈りいたします。それでは、また会える日まで。
          (丹後ウルトラマラソンの実績   2007年=13:37:45 ・ 2013年=11:48:53)