2012年10月22日 京都市在住 有田 行雄氏 |
秋のマラソンシーズンにも入ってきましたが、私の秋のレースは下関海響マラソンと
大阪マラソンがメインイベントです。10月は穴が開いています。10月第1週ということ
で探すとピッタリのがありました。10月7日 ”2012芦屋浜潮風ウルトラマラソン”です。
これは芦屋浜アスリートクラブという地元走友会が芦屋市総合運動公園で開いている
もので、30キロ、50キロ、70キロの3部門あります。私の家から日帰りで行ける好立
地だし、しかも、好みのミニ大会です。じゃあ50キロ。距離はちょっと長いけど、「まあ
大丈夫やろ」と思いエントリーしました。
受け付けは9時30分までなので、9時前に阪神電車「芦屋駅」に到着しました。参加
証には、ここから徒歩15分と書いてあるのに、遠い遠い、30分ぐらいかかりました。
(ホームページを帰ってから確認したら2キロと正確だったので、何で間違えはったん
やろ?)
本部兼スタート地点にはブルーシートが敷かれ、荷物置き場になっています。何せ、
各部100人が定員ですから呑気なものです。慌てることもなく、トイレに行き休憩です。
大会役員さんの説明では、コースは、芦屋浜潮風ウルトラマラソンコースといって、
この本部を中心に、約2.5キロずつに両端がある1往復10キロのコースです。当然私
は5往復しなければなりません。単調で遮るものが何もないというタイプ的には一番
苦手なコースです。
ここで一つ ”エコな取り組みへのお願い“がありました。全員に洗濯バサミが渡され、
これでエイドステーションで受け取るカップを帽子とかパンツに着けて走ります。次の
エイドでは中身だけをもらうというシステムです。小さい大会ならではのグッドアイデア
です。
そして10時スタートです。「練習の一環だし50キロということもあるので、速いタイム
はいらんけど、フラットやから、5時間ちょっとぐらいで帰れたらなあ」という感じでスタ
ートしました。
最初の5キロは28分07秒。ちょっと早いなあ。もうちょっとユックリ。次の5キロは31
分32秒。そう、1周の後の半分には浜風大橋という橋があり、少しだけ起伏がありま
す。(2回越します)それの影響もあるのか(距離もちょっと長い気がする)タイムが落
ちます。
ここで、ゴム輪1本ゲット!1周するごとに、ゴム輪が渡され4本貯めるとゴールです。
10キロから15キロは30分59秒。ねっ、タイムが回復するでしょ!?
15キロから20キロは33分41秒。後半はやっぱり落ちます。というより、暑さがボディ
ーブローのように効いてきます。8月の北海道マラソンのようにただただ暑いのでは
なく、ひんやりした風が吹くので体感温度はましなのですが、遠慮なく日光が差し、半
端でない暑さです。ちょっとえらいことになってきました。
20キロから25キロは33分41秒。つまり半分走って、2時間38分0秒です。単純に倍
にすると5時間16分。もう絶対5時間30分以内は無理です。急激に足に来ています。
25キロから30キロは38分08秒。5分落ちてます。「もう止めよか、練習やし」。
いつも走っていると頭の中で音楽が鳴るのですが、本日は何と私の妻が”追っかけ”
をするシンガーソングライター&ティーチャー原田博行さん(グリコのCM♪カフェオー
レが飲みたいのー♪の作曲者)が娘の結婚式で歌ってくれた、結婚する二人のため
に作ってくれたバラード「たった一回」です。
「♪好きだと何回も言うより、たった一言愛してるって伝えよう。君を心からー愛してー
るー♪」(この「愛してーるー」の部分は新郎が歌います)こんなテンポの曲が頭で鳴
るようでは早よ走れません。
33キロのところで「もうアカン!止めよ」。足が走る意思があっても動きません。妻へ
の言い訳を考えながらとぼとぼと歩きだしました。そして、エイドでゆっくり水を飲み、
また歩き出しました。でも、「35キロの本部までは行かんと‥」ちょっと走りだしました。
すると走れるのです。「なんでやろ!」実は少し涼しくなってきたのです。体は本当に
正直です。
30キロから35キロまでは41分50秒。合計タイムは3時間57分58秒になりました。
ここで、ずっと名前を呼び、声をかけてくれていた競技役員さんに確認です。
私「何時まで走らしてもらえます?」 役員「ラスト5キロを4時までに通過したらゴール
できます」 私「ということは、10キロ2時間ですね。ほんなら、頑張ります」 役員「頑
張ってください!陽もかげってきましたし!」 *この役員さんは西川秀郎さんである
ということが後でわかりました。ありがとうございました。
「5キロ40分をめどに走ろ。これぐらいなら走れるやろ」。ちょっとやる気が回復してき
ました。ホンマにこれぐらいやったら走れます。35キロから40キロは40分50秒。
40キロから45キロは40分27秒。多分42.196キロは4時間56分ぐらいでの通過です。
もうここまで来ると、体は動かないけれど気持ちだけで走れます。「ありがとう、お世話
になりました」とエイドステーションの皆さんにも挨拶をしながらゴールを目指します。
エイドのスタッフさんには「もうゆっくり走る」といったけど、「おっ、6時間切れるかも」。
ラストスパートです。でも、6時間00分19秒(最後の5キロは41分09秒)男子53位・
総合63位、惜しくも6時間切りならずです。別に、どうでもいいけど‥。
とにかく、諦めていた完走証ゲットです。これ無茶苦茶嬉しい。いっぺん切れて止める
気なってから復帰したのは初めてです。”完走の喜び”を久しぶりに感じました。
ゴール後、喜びを噛みしめながら、しばし、放心状態でブルーシートに寝転がっていま
した。
私は自分のコンディションを見ながら、マラソンをゲームメーキングして走ることに最近
喜びを見出していたのですが、今回はそのゲームメーキングが崩れ去った後、粘れた
ということがこの喜びにつながったのでしょう。
結局、マラソンの楽しみて何やろね。いろいろあるなあ。苦しければ苦しいほど喜びが
大きいし、達成感もある。タイムがいいというのも嬉しいけど、けっしてそれだけやない
なあ。深いです。
そうそう、大会スタッフの皆さんには本当にお世話になりました。運営に関しては、小
なりといえども素晴らしい大会で、快適に走らせていただきました。改めて、主催者の
熱意がある大会で絶対いい大会だと思いました。
(大会開催日:2012・10・7)
第三四八号
2012芦屋浜潮風ウルトラマラソンに参加して !
2012年10月21日 AAC会員 片岡 由紀子氏 |
2012年10月4日 AAC会員 本地 敏行氏 |
2012年9月23日 AAC会員 東 秀明氏 |
2012年9月20日 AAC会員 武田 英明氏 |
2012年9月6日 AAC会員 脇本 正子氏 |
2012年9月6日 AAC会員 池条 年弘氏 |
2012年8月31日 AAC会員 松川 幹雄氏 |
8月26日に珠洲トライアスロン大会に出場してきました。この大会は海の綺麗さと急
勾配の大谷峠をバイク越えると云う 厳しいコースで有名な大会だったのですが、バ
イクが苦手な私がそもそも出場しようと思ったのは、今亡き父のふるさと能登半島で
行われていて、小中学生時代に幾度となく里帰りした思い出があったからです。
前日の早朝妻と二人で出発、千里浜なぎさドライブウェィなどを経由して昼過ぎに珠
洲に到着、 受付とバイクチェックを完了後説明会を受け、早々にバイクコースの下見
に出かけました。50kmのバイクコースは半島最北端の朝日と夕日のビュースポット
である狼煙灯台を経由する、珠洲の山と海岸を回る美しい景色のコースです。
でも景色を観賞することも無く、ただただアップダウンを確認する下見でした。10km
地点、20km地点、30km地点と3度のアップダウンを確認 3度目が大谷峠で、これ
かぁ〜との思いでした。
当日は快晴でスイムコースの鉢ケ崎海水浴場の波は静かです。海の透明度はバッ
グンで泳いでいる魚が見える綺麗な海でした。7月に出場した大阪舞洲の海との雲
泥の差に気持ち良く泳げ、 1.5kmのスイムは目標より速く次のバイクに移れました。
バイクスタートは向かい風で不吉な予感です。10km地点の登りは順調、20km地点
もまずまず順調、30km地点の登りでAACの西川さん(2周目)に声を掛けていただき
気合が入るも、県道249号線の登りまでは順調だったのですが、旧道に入るやすぐ
にペースダウンです。
大谷峠の頂上に差し掛かる時にはバイクも真っ直ぐ進めず 左・右とよれよれで登り、
練習不足の反省です。その時、峠でバイク通過チェックが有り、もう少しで大谷峠通
過と聞き、何とか全身の力を振り絞り立ち漕ぎで峠を越えました。結果一度もバイク
から降りる事無く通過出来て良かったかなぁ〜と思っています。残り15kmは登りで
頑張った分のご褒美坂も有りバイク終点まで・・・でも目標より大幅に遅れです。
3地点の登りと思っていたのが実際は旧道に入ってからの登りが最大の急勾配で、
4つ目の坂=ここが大谷峠であり有り一番きつく辛かったです。
ランは直射日光が照りつけ 風も吹かない町中をひたすら走る10kmです。エイド毎
に水分補給や美味しいスイカをほおばり 沿道の応援のおばぁちゃん達に手を振りな
がらゴールへ。
結果はタイム4:04:04・総合順位は276/471 (スイム185/471 バイク345/471
ラン174/471) バイクの力なさに猛反省の大会でしたが、完走出来た事には素直に
嬉しいです。
私はバイクコース1周でヨレヨレのBタイプでしたが、他のAACのメンバーはAタイプの
2周で、正しく鉄人です。来年はAタイプにチャレンジしたい気持ちはありますが、現在
のバイク力では来年も・・・Bタイプ。一にも二にもバイク練習有るのみです。
翌日からは改めてゆっくり妻と能登半島周遊の観光・美味しい料理三昧、そして久し
ぶりの親戚への挨拶回りなどで有意義な休日を過ごしました。
(大会開催日:2012・8・26)
第三四一号
水 泳 大 会 に 参 加 し ま し た !
2012年8月29日 AAC会員 田中 弘治氏 |
2012年8月26日 AAC会員 三田 博史氏 |
襟裳岬〜宗谷岬を走ってきました。
まず、トランス・エゾについて簡単に説明させて頂きます。
襟裳岬から宗谷岬へ向かう『to そうや』555km
宗谷岬から襟裳岬へ向かう『to えりも』545km
『to えりも』と『to そうや』を連続して行う『アルティメイト』1100km があります。
距離の違いを見ても分かる通り、往復しても走るルートは違います。
ステージ制で、『to えりも』、『to そうや』ともそれぞれ一週間かけて目的地を目指し
ます。ジャーニーランという形式で、自分の荷物(着替えなども)は全て自分で背負い、
前日配布される地図をみてルートを確認し、各チェックポイントを通りゴールに向かい
ます。また、節度時間という時速5.5km程度で動き続けた程度の制限時間があります。
基本的にはどんなことがあっても節度時間にはゴールに到着しなくてはならず、走れ
なかった場合でも電車やバスなどを利用して自力でゴールにいなくてはなりません。
これは節度時間の10分後には翌日のミーティングが始まるからです。
すべてのステージでエイドステーションも誘導も何もなく、全て自己責任で行います。
ですので地図が見れない方はそもそも参加してもゴールは出来ません。食事は店が
開いていればラッキーですが、飲み物や食べ物はどうしても自販やコンビニで調達す
ることが多くなります。北海道の自販はゴミ箱がなく、殻のペットボトルや空き缶も持
って走り、ゴミ箱の設置してあるコンビニなどで捨てます。
toそうや
1日目(えりも岬〜忠類)82.1km ステージ走行時間 10時間55分
えりも岬は霧で遠くが見れず、この日はほとんど最後までそんな状態でした。このス
テージではエゾシカ、キタキツネや馬、牛など動物が数多く見られ、海沿いでは昆布
漁をしていて面白かったです。ただ海岸線の黄金道路というところはトンネル化され
てしまったところが多く、ガーミンが電波を拾わなかった場所が多かったです。初めて
のトランス・エゾで一日目ということもあって、快走してしまったのが反省点でしょうか。
2日目(忠類〜新得)87.2km ステージ走行時間 13時間15分
この日は一日ほぼ雨でした。この日から内陸に入っていきます。高速道路を建設中
で、すこし寂しさを感じました。初めて行った幸福駅には萌えキャラもありました。
記念に切符を買いました。もちろん愛国〜幸福です。
初日を反省してゆっくり走りましたが、最後は右足の小指と人差し指、左足の小指に
水脹れが出来てました。走り終えて足が異様に赤くなっているのが気になっていました。
3日目(新得〜富良野)79.8km ステージ走行時間 12時間25分
スタート前に宿の方から熊が出るかもしれないから気を付けた方が良いとのお言葉が。
村岡でもらった熊除けの鈴を持っていっていたので、スタートから使用しました。
スタート直後の狩勝峠はほぼ歩いて登りました。山頂は寒くて風が強く、じっとしてる
と震えが止まらなかったです。途中、幌舞駅という高倉健主演の『鉄道員(ぽっぽや)』
ロケ地がありました。
近くの「なんぷカレー」がおススメだと伺っていたのですが、早く付き過ぎてしまって
店の方に聞いたら営業開始は1時間後と言われたので、諦めてコンビニでカツカレー
を食べてやりすごしましたが、しばらく残念な感じが拭えませんでした。
この日から晴れてきて、景色を堪能できました。ゴール後はなぜか異様に震えが止
まらなかったので、富良野ワインを飲んで温まりました。
3日目ですでに右足の小指と人差し指、左足の小指のマメが潰れてました。足がさら
に赤く腫れ上がっていたのでやばかったです。原因は靴紐の締め過ぎによるものと
教えて頂きました。確かに1日13時間以上走ってたら浮腫みますよね。
4日目(富良野〜旭川)66.9km ステージ走行時間 10時間40分
当初中休みステージと思っていましたが、足の状態が悪化していてかなり苦戦しました。
スタート前の気温は11.8℃とすごく涼しかったです。この日は中富良野や美瑛も通り、
天気が良いこともあって最高の景色を楽しめました。さすが北海道はスケールがデカ
イです。
このステージでは新田牧場で食べ物を頂きました。様々なもの全てがメチャクチャ美
味かったですが、特にスイカの甘さには感激しました。
靴紐を緩めて走った結果、最初は好調でしたが、やはり痛めたところが痛くなり、後
半はギリギリの状態でした。
ここまで1000km以上使っていたasics LYTERACERで走ってきましたが、クッションの
重要性が分かってきたので多少マシな寝袋とともに送っていたNIKEのZOOM SPEED
CAGE+3 に履き替えました。こちらは300km程度しか使用してなくて、トライアスロ
ン用にしてたモノです。まぁどちらも底は薄いですが。既にゴール後の銭湯やラーメン
屋までの道でもまともに歩けない状態になっていました。
5日目(旭川〜美深)98.3km ステージ走行時間 16時間25分
スタート3時、制限時間22時という最長ステージの山場です。スタート2時間後くらい
からしばらく大雨警報の中を走りました。天気は回復してこの日も景色を楽しめました
が、足は限界を超えてきました。最後は気力でゴールの美深温泉で食事が出来るギ
リギリの19:30にゴール出来ました。もう、足、限界、超えてます。左足の親指と人差し
指の間にもうひとつ親指くらいの水脹れが出来てたので、水抜きしました。
6日目(美深〜浜頓別)80.8km ステージ走行時間 14時間05分
朝はすこし靄がかかってましたが、その後良い天気に。このステージから人があまり
住んでいない所に入ってきたので、飲み物や食べ物の調達に苦労しました。途中、
中頓別で北海道マラソンに出場すると仰っていたおっちゃんに声を掛けて頂き、ゼリ
ーを頂きました。また、日本最北の100kmウルトラマラソン、北オホーツク100kmマラ
ソンに誘われました。一回は参加したいですね。
この日はチェックポイントでもある長田牧場でしばらく休憩させて頂きました。ご主人
は中国に行っていて居られなく、奥様が色々面倒を見て下さいました。楽園でしたが、
まだ20km残っているという現実が頭から離れませんでした。前日の疲れを癒す間も
無くスタートするので、かなりきつかったです。足は相変わらずですが、しばらく動くと
感覚がなくなるので気合で乗り切りました。
7日目(浜頓別〜宗谷岬)60.7km ステージ走行時間 11時間10分
いよいよ壮大な旅走りのフィナーレです。スタートはみんなでしばらく歩き、約束の場
所(橋)から走り出します。しばらくすると10kmの直線道路が出てきて牛とアブの歓迎
を受けます。両サイドは牧草地、見渡す限りまっすぐなので、かなり北海道感が出て
る場所です。直線道路が終わるとオホーツク海に出て、砂浜を2km程度進みます。
かなり泳ぎたかったですが、まだまだ先は長いので止めておきました。オホーツク海
沿いにサハリンを見ながら北へと進み、日本の端っこへ。日本最北端の地の碑を周
ってゴール!かなり感動的でした。
足がボロボロの状態で海水はマズイとの判断から海に入るのは諦めました。足は赤
ちゃんのように浮腫み、自分のものとは思えませんでした。痛さを我慢するのも終わ
りと思うとかなり気が楽になりました。
ステージ通算走行距離 555.8km
ステージ通算走行時間 88時間55分
ここまで一緒に走ってきたエゾラー(トランス・エゾを走る人をこう呼ぶらしい)の方々や、
クルーの方々など素晴らしい仲間と出会えて最高でした。本当に苦しく、それ以上に
楽しかったです。今度出場する際は、もっと余裕を持って全力で楽しみたいです。
身体が頑丈な方、如何ですか?早く走る必要はまったくありません。北海道を満喫
出来ること間違いなしなので、是非エゾラーになりましょう!!
P.S: Garmin910XTを使用していたので詳細データは手元にあるんですが、コースな
どネタバレになってしまうので掲載は止めておきます。是非自分の目で見て身体で
感じて下さい。
(大会開催日(toそうや):2012・8・12〜18)