第三四九号
                 2012芦屋浜塩吹きウルトラマラソン?!


2012年10月22日
京都市在住
有田 行雄氏

       秋のマラソンシーズンにも入ってきましたが、私の秋のレースは下関海響マラソンと
       大阪マラソンがメインイベントです。10月は穴が開いています。10月第1週ということ
       で探すとピッタリのがありました。107日 ”2012芦屋浜潮風ウルトラマラソン”です。

       これは芦屋浜アスリートクラブという地元走友会が芦屋市総合運動公園で開いている
       もので、30キロ、50キロ、70キロの3部門あります。私の家から日帰りで行ける好立
       地だし、しかも、好みのミニ大会です。じゃあ50キロ。距離はちょっと長いけど、「まあ
       大丈夫やろ」と思いエントリーしました。

       受け付けは930分までなので、9時前に阪神電車「芦屋駅」に到着しました。参加
       証には、ここから徒歩15分と書いてあるのに、遠い遠い、30分ぐらいかかりました。
       (ホームページを帰ってから確認したら2キロと正確だったので、何で間違えはったん
       やろ?)

       本部兼スタート地点にはブルーシートが敷かれ、荷物置き場になっています。何せ、
       各部100人が定員ですから呑気なものです。慌てることもなく、トイレに行き休憩です。
       大会役員さんの説明では、コースは、芦屋浜潮風ウルトラマラソンコースといって、
       この本部を中心に、約2.5キロずつに両端がある1往復10キロのコースです。当然私
       は5往復しなければなりません。単調で遮るものが何もないというタイプ的には一番
       苦手なコースです。

       ここで一つ ”エコな取り組みへのお願い“がありました。全員に洗濯バサミが渡され、
       これでエイドステーションで受け取るカップを帽子とかパンツに着けて走ります。次の
       エイドでは中身だけをもらうというシステムです。小さい大会ならではのグッドアイデア
       です。

       そして10時スタートです。「練習の一環だし50キロということもあるので、速いタイム
       はいらんけど、フラットやから、5時間ちょっとぐらいで帰れたらなあ」という感じでスタ
       ートしました。
       最初の5キロは2807秒。ちょっと早いなあ。もうちょっとユックリ。次の5キロは31
       分32秒。そう、1周の後の半分には浜風大橋という橋があり、少しだけ起伏がありま
       す。(2回越します)それの影響もあるのか(距離もちょっと長い気がする)タイムが落
       ちます。

       ここで、ゴム輪1本ゲット!1周するごとに、ゴム輪が渡され4本貯めるとゴールです。
       10キロから15キロは3059秒。ねっ、タイムが回復するでしょ!?
       15キロから20キロは3341秒。後半はやっぱり落ちます。というより、暑さがボディ
       ーブローのように効いてきます。8月の北海道マラソンのようにただただ暑いのでは
       なく、ひんやりした風が吹くので体感温度はましなのですが、遠慮なく日光が差し、半
       端でない暑さです。ちょっとえらいことになってきました。

       20キロから25キロは3341秒。つまり半分走って、2時間380秒です。単純に倍
       にすると5時間16分。もう絶対5時間30分以内は無理です。急激に足に来ています。
       25キロから30キロは3808秒。5分落ちてます。「もう止めよか、練習やし」。
       
       いつも走っていると頭の中で音楽が鳴るのですが、本日は何と私の妻が”追っかけ”
       をするシンガーソングライター&ティーチャー原田博行さん(グリコのCM♪カフェオー
       レが飲みたいのー♪の作曲者)が娘の結婚式で歌ってくれた、結婚する二人のため
       に作ってくれたバラード「たった一回」です。
       「♪好きだと何回も言うより、たった一言愛してるって伝えよう。君を心からー愛してー
       るー♪」(この「愛してーるー」の部分は新郎が歌います)こんなテンポの曲が頭で鳴
       るようでは早よ走れません。

       33キロのところで「もうアカン!止めよ」。足が走る意思があっても動きません。妻へ
       の言い訳を考えながらとぼとぼと歩きだしました。そして、エイドでゆっくり水を飲み、
       また歩き出しました。でも、「35キロの本部までは行かんと‥」ちょっと走りだしました。
       すると走れるのです。「なんでやろ!」実は少し涼しくなってきたのです。体は本当に
       正直です。

       30キロから35キロまでは4150秒。合計タイムは3時間5758秒になりました。
       ここで、ずっと名前を呼び、声をかけてくれていた競技役員さんに確認です。
       私「何時まで走らしてもらえます?」 役員「ラスト5キロを4時までに通過したらゴール
       できます」 私「ということは、10キロ2時間ですね。ほんなら、頑張ります」 役員「頑
       張ってください!陽もかげってきましたし!」 *この役員さんは西川秀郎さんである
       ということが後でわかりました。ありがとうございました。

       「5キロ40分をめどに走ろ。これぐらいなら走れるやろ」。ちょっとやる気が回復してき
       ました。ホンマにこれぐらいやったら走れます。35キロから40キロは4050秒。
       40キロから45キロは4027秒。多分42.196キロは4時間56分ぐらいでの通過です。
       もうここまで来ると、体は動かないけれど気持ちだけで走れます。「ありがとう、お世話
       になりました」とエイドステーションの皆さんにも挨拶をしながらゴールを目指します。
       エイドのスタッフさんには「もうゆっくり走る」といったけど、「おっ、6時間切れるかも」。
       ラストスパートです。でも、6時間0019秒(最後の5キロは4109秒)男子53位・
       総合63位、惜しくも6時間切りならずです。別に、どうでもいいけど‥。

       とにかく、諦めていた完走証ゲットです。これ無茶苦茶嬉しい。いっぺん切れて止める
       気なってから復帰したのは初めてです。”完走の喜び”を久しぶりに感じました。
       ゴール後、喜びを噛みしめながら、しばし、放心状態でブルーシートに寝転がっていま
       した。

       私は自分のコンディションを見ながら、マラソンをゲームメーキングして走ることに最近
       喜びを見出していたのですが、今回はそのゲームメーキングが崩れ去った後、粘れた
       ということがこの喜びにつながったのでしょう。
       結局、マラソンの楽しみて何やろね。いろいろあるなあ。苦しければ苦しいほど喜びが
       大きいし、達成感もある。タイムがいいというのも嬉しいけど、けっしてそれだけやない
       なあ。深いです。

       そうそう、大会スタッフの皆さんには本当にお世話になりました。運営に関しては、小
       なりといえども素晴らしい大会で、快適に走らせていただきました。改めて、主催者の
       熱意がある大会で絶対いい大会だと思いました。
       (大会開催日:2012・10・7)



第三四八号
              2012芦屋浜潮風ウルトラマラソンに参加して !


2012年10月21日
AAC会員

片岡 由紀子氏

       こんにちは! 最近全然定期練習会に参加出来ていない片岡です 。
       今年も70kmの部に参加させていただき、目標の6時間半を切りを楽しく完走すること
       ができました 。潮風ウルトラは私にとってAACに入るきっかけとなった、とても好きな
       大会です。

       周回コースは何度もすれ違うので顔見知りになれて“みんながんばってる”と思うと、
       とても励みになります。たくさんの仲間と選手やボランティアとして参加できる大会で、
       これからもずっと続いてほしい大会です。

       中でも私は70kmが一番好きです。70kmはゆっくり景色を楽しみながら、バーベキュ
       ーおいしそうだなぁ〜なんて思いながら、エイドでちょっと立ち話なんてしながら楽しむ
       ことができます 。70kmはおすすめです!

       今年も楽しく走らせていただき、どうもありがとうございました。これからのマラソンシー
       ズン故障しないで、みなさんがそれぞれ自分の目標を達成できますように〜v(*^_^*)v
       (大会開催日:2012・10・7/事務局より:これで3回目の優勝です)



第三四七号
                   武 庫 川 駅 く す の き 駅 伝 !


2012年10月4日
AAC会員

本地 敏行氏

       9月30日(日)強い台風17号が北緯30度線前(高知沖)にいた。それにもかかわらず
       当日の尼崎の朝は静かだった。外を見て少しの小雨が降っていることを確認したが、
       風はない。本当に台風が来ているのだろうか?疑問に感じるくらいだ。これが嵐の前
       の静けさというものなのか。用意を済ませて8時45分に家を出た。小雨は降ったり、
       やんだりを繰り返している。まだ風が出ていないことが幸いし快適に自転車を進めるこ
       とができた。会場となる阪神武庫川駅に近づくとランナーの姿が見え始めた。昨年の
       ように天候がいいと 2号線近くまで走っている人(アップをしている人)がいたが、今
       日はその姿が見られなかった。駅伝の会場は雨を避けるように武庫川橋の下に入っ
       ていたため、とても小さく感じる。ただ例年と違い、スタート地点およびゴール地点付近
       のコースの両脇には等間隔に杭が打たれ、その杭を支えにビニールテープが張られ
       ていた。武庫川橋の下には もうこれ以上入る隙間はないと感じるくらいに 沢山の人
       で密集している。雨を避ける場所は武庫川橋の下だけでは足りないため川下の阪神
       電車の高架下まで人で溢れていた。天候がよければ、沢山のブルーシートが芝草上
       にひかれていて、あちこちで炭に火を付けたり、各チームには大きなクーラーボックス
       やテントが用意され、駅伝後に開催予定している各々の宴会準備に大忙しのところだ。
       私はいつも通り 会場には9時丁度くらいに到着することができた。いつもは桜の木の
       下に横断幕を張っていて、その近くのシート上に陣をとっていたが、今日は武庫川橋
       の下(川間際のコンクリートの遊歩道上)にブルーシートを敷いていた。旗(のぼり)も
       横断幕もないため、私自身もメンバーの顔を探して少し歩き周り どうにか辿りつくこと
       ができた。幸いなことに、雨風もほとんどないため、雨風のない間にアップを済ませる
       ことにした。歩くペースに近いくらいで南武橋まで走る。南武橋は43号線を過ぎてさらに
       400mくらい川下にかかる橋である。実は阪神電鉄武庫川駅の外にある公衆トイレに
       入ったものの、紙がなかったため、やむなくその場を離れることにした。下流の南武橋
       手前の仮設トイレには紙もあり、トイレ待ちで混雑していないと考えたためでした。川
       下に向かって走り、仮設トイレに到着したものの、なぜか便意がなくなってしまってい
       た。仮設トイレに入る必要もなくなったので、そのまま南武橋まで足を伸ばし、橋の下
       で魚でもないだろうかと川を見ることにした。川は雨と満潮が影響しているため、もう少
       しで遊歩道の上にまで水が侵入してくる勢いだったので少し驚いた。南武橋を折り返し
       てからは 上流に向かってダラダラと走り続けた。スタート地点を通り過ぎ、さらに上流
       へ向かって約700m程度進んだ後に折り返す。スタート地点に戻る最中に雨が降り始
       めたので、武庫川橋に到着後は、その場に止まり 雨を避けることにした。雨足は少し
       ずつ強まってくる上に風も少しずつ強くなるように感じた。遊歩道や芝生に降り続けた
       雨はついには川となり 川間際の遊歩道へ流れてくる。そこは丁度 芦屋浜がブルー
       シートを敷いている場所で流れてくる水はシートの下へと入り込んでくる。シートの下は
       水浸しだが、シートの上までは水は浸透してはこない。改めてブルーシートの防水性の
       良さを感じた。小雨と風の吹く中、第1走者が一斉にスタートを切った。私は第2走者の
       ため、第1走者の走行状況を見て参考にさせてもらうことにした。風は上流から下流へ
       と強く吹き抜ける。上流へ向かう1200mは向い風だが、まだあまり強くない。中盤の
       1500mはいっきに風に乗れると想像した。最後の250mは向い風を耐えれば上手く
       走りきれると考えた。

       タスキをもらい、いざ走り始めて分かったことだが、上流へ向かう1200mは想像より
       も風は強くはなかった。前方には沢山のランナーが走っていたので、風避けのつもり
       でランナーの後ろに付いては追い越し、付いては追い越す行為を繰り返す。上流の折
       り返しポイントを折り返すと、中盤は追い風になるため、風が背中を強く押してくれると
       考えていたが、こちらも予想が外れていた。どちらかいうと無風に感じる程度でした。
       でも前へと進める足は思いのほか軽く感じたため、上げたスピードを維持することがで
       き、スタート地点を通り過ぎて、阪神武庫川駅の下の折り返しポイントまでの1500m
       は快適に走りきることができた。しかし、折り返してからは体力も少なくなっていたため、
       向い風が辛く感じる。向い風に耐えながら、重くなった足を進めて どうにか 次にタス
       キをつなげることができた。

       冷たい雨は降り続いていたが、走ったことにより体温が上がっていたため その雨も
       心地よく感じた。次は第6走のため、次の出番までは40分近く間が開く。シート(陣)に
       戻り、次のゼッケンに付け替えて、第6走の準備を行った。濡れたウエアのまま何も着
       ずに ランナーの走る姿を見たり、チームの走者の応援をしていた。同じゼッケンのチ
       ームメンバーの第4走者が走っているころになると 温かかった体もすっかりと冷えて
       しまったので、冷たい雨を避けるため 橋の下に逃げ込むことにした。私は第5走者が
       出走したことを確認して、暫くした後、体も冷えていたのでトイレを済ませてから雨の中、
       数100mの短いアップを行った。メンバーの第5走者がスタート地点の横を通り過ぎた
       ことを確認して、スタート地点に向い、そこでたすきを待つことにした。第2走の時との
       違いは雨の降る強さと風の吹く強さが増していたことでした。出走後は風が強かったた
       め、風避けしながら走ろう考えたが、第2走のときとは違っていた。前方を走っている
       走者は疎らなため一人追い越すと次の人までたどり着くまで数メートルは開いていた
       ので、風避け作戦は期待できない。その上、強い雨が降り続いたため武庫川河川敷
       きの遊歩道上には多くの水たまりが出来上がっており、とても走りにくくなっていた。
       不運は続くもので500mを走り過ぎたころに 右足のくつの紐が解けたことを靴のフィ
       ット感で分かった。また不思議と右足が地面とのカカト部分の離れ方が悪い。(変?)?
       (古い靴だったためカカト部分のソールクッションが剥がれ始めていたことを後から知っ
       てとても驚いた。)最悪な環境下で心地の悪い状態になったと感じた。今回の走行距
       離が10kmくらいなら一度立ち止まり解けた靴紐を結び直していたが、今日は3km
       った上に、雨も降っていたため靴紐も濡れたことにより摩擦が大きくなるから少しは持
       つだろう。もし緩みきったとしても距離が短いので何とかなるだろうと考えて、そのまま
       靴のひもを直さずに押し通すことにした。前方を見ると70〜80m先に速く走る人が見
       えたので、その人を目印してペースを落とさないように注意して走るようにした。上流の
       折り返しポイントを過ぎて下流へ向かう。風が背中を押しているのが少し分かる。 第
       2走の時と比べると風が背中を押してくれる分 少しは走りやすいと感じた。遊歩道は
       ベチャベチャの水たまり状態だったため、少し川寄りの石道の上を走ることにした。とり
       あえずラストの向い風250mのことを考えないようにしてそのままのペースを維持する。
       石道がなくなり、ベチャベチャの遊歩道に変わっても風に押されることによりペースが維
       持でき、そのままのペースで阪神武庫川駅前の折り返しポイントまで走ることができた。
       折り返した後は、考えたくないくらいに強い向い風だったが、ゴールも近いと考え、我
       慢していっきにゴールを目指した。走っている最中はイッパイイッパイだったが、ゴール
       後はいつもと違い、不思議と疲れ度合いが少ない。がんばり切れていないのだろうか?
       気温が低いため、疲れの要素が体に蓄積しなかったのでしょうか? 足の後ろやお尻、
       背中に異常に張り付いた泥や砂を落とすため、駅近くの水道で足を洗いに行った。
       すぐに寒くなるので、素早く着替えた後に応援へむかった。例年は終わったあとに宴
       会が待っていたが、今日は台風のため記念撮影の後は そうそうに帰宅することにな
       った。2号線近くの折り返し地点では係員2人がまだ雨風に耐えながら番をしていた。
       大会関係者には感謝します。強い雨風の中、帰宅中は木々が風に押されて波打って
       いる。改めて強い台風が近づいてきていることを理解した。
       (大会開催日:2012・9・30)



第三四六号
                丹 後 ウ ル ト ラ マ ラ ソ ン を 終 え て !


2012年9月23日
AAC会員

東 秀明氏

       今回で、6回目の参加となる歴史街道丹後ウルトラマラソンが終わりました。
       この大会が終わると秋らしくなり、快適に過ごせるようになります。
       私は この丹後の大自然が好きです。

       夜明け前に七竜峠を越えて、久美浜湾を1周する30km地点でいつも1回目の限
       界を迎えています。44kmのエ―ドからは平坦な道路にもかかわらず、1kmあた
       り7分ペースでしょうか?
       第二の限界点はあじわいの郷までの通過距離50kmです。3年前からだましだ
       ましの誤魔化しの歩き作戦を展開しています。
       私の第三の限界点は碇高原を下った80km地点です。碇高原から見下ろす日本
       海の海岸線の絶景と稲刈りを終えた黄金色の田んぼの景色に感動しています。

       思い出せば、3年前は元気でした。あの時の山崎さんとのバトルは95km地点で
       終わりました。10時間31分が 私のベスト記録です。彼は10時間25分でした。
       いつの間にか、完走すら危ない崖っぷちファンランナーになってしまいました。
       初参加の時は「目の前の100mを走り続ければ、いつの間にかゴールにたどり着
       きます。」と彼に誘われました。このコースで10回の完走を達成すると、 “タイタン” 
       の称号を得ることができます。

       ここで、夏の疲労について、皆様はどのように?考えておられますか??
       私は三年前から走る練習を怠け続けています。私の月間走行距離は多くても50
       kmです。2年前の5月3日の武庫川ユリカモメ70kmでは6時間48分で走りまし
       た。この後、夏をうまく乗り切れずに、昨年の丹後ウルトラは12時間31分かかり
       ました。
       ただひとつ言えることは、丹後ウルトラマラソンは真夏の疲れをいかに取り、乗り
       越えることができたか?です。私は3年前の目標であるサブテンを達成して、大
       会パンフレットに名前を残すことを諦めていません。

       親しくさせていただいている芦屋浜の仲間の皆様の力をお借りしたいと思ってい
       ます。今回のゴールタイムは 12時間59分51秒。
       今回も芦屋浜の仲間の皆様と楽しく時間を共有させていただけたこと、感謝して
       います。 合言葉は “see you tango” です。
       (大会開催日:2012・9・16)



第三四五号
          IRONMAN 70.3 World Championship LAS VEGAS 2012
                    
に参戦してきました!



2012年9月20日
AAC会員

武田 英明氏

       場所:アメリカ合衆国 ネバダ州 ラスベガス
       天気:晴れ               水温:28
       最高気温:43度            湿度:15
       スイム:1.9km
       バイク:90km
       ラン:21km

       ラスベガスと日本の時差は−16時間
       96日(木)東京・成田空港を1555分に出発後、ラスベガスに着いたのは
       96日(木)1530分。
       日本を出発した時間が現地の到着時間とほぼ同じとは奇妙な感じである。
       いつ起きていつ寝るのか体が結局馴染むことなく、今回のレースの旅が終わった
       ように時差には苦しめられた。

       97日(金)は、選手登録と競技説明会にカーボパーティ。
       98日(土)ランギア、バイクギアの預託とレースに向けたスケジュールを着々と
       こなしていくもののレースに来たという実感がなかなか湧いてこず、終始眠気 に
       襲われ、外へ出ると40度を超える暑さでうんざり、ホテル内は約2425度が逆に
       寒すぎるぐらいに感じるものの外に出る気にならない。
       そうこうしているうちにレース当日を迎える。

       99日(日)レース当日
       スタート時間は、630分の男子プロを皮切りにエイジ別で8時まで5分刻みで続
       くフローティングスタート。水温は、28度とウェットスーツの着用は禁止。
       745分の自分のスタートが始まるまでに先にスタートした選手が続々とスイム
       アップしてバイクへと移っていく。

       (スイム:1.9km 3810秒)
       スイムは淡水のラスベガス湖を使用し、折り返しが1か所の1.9kmのコース。
       自分のエイジは3組に分かれてのスタートで選手が分散されたためバトルなく、
       また波はなく穏やかであるが透明度が50cmもないため水中では前の選手が確
       認できない。終始体が重くだるさを覚え、周りの選手についてはいかず、ほとんど
       単独泳でマイペースを保ってスイムゴールを目指した。

       (第1トランジット 521秒)
       スイムアップからトランジットまでは約200mほどのラン。バイクラックにバイクギア
       は設置しているためそこから、カーフガード・ソックス・サングラス・ヘルメットを身
       に付け、補給食をウェアのポケットに入れて準備をしていると当然時間はかかる
       が、それは想定内としてあせらずバイクへと移行する。

       (バイク:90km 2時間4914秒)
       バイクは、折り返し1か所の1ループ。スイムアップから幹線道路に出るまでは上
       りが続く。初めてのコースは未知数でしかもこの炎天下のレースとなると何が起
       こるか分からない。100%の力を出し切りたいところだが、終始無理をせずという
       気持ちも持って先へ進む。
       ノースシェアロードを東に向かい折り返し35km地点まではアップダウンが続き、
       周りは荒野で人影がない。交通規制はほとんどしていないため、時折大型バン
       やオートバイが横を走り抜けていく。欧米勢は、平地と下りは聞いていた通りDH
       
ポジションでガンガンペダルを踏み込んで、日本人とは速さが明らかに違う。
       上りでは追いつくこともあるが、平地と下りでは圧倒されっ放し。
       DURA ACE Di2の電動シフトは、やはり精神的にストレスがなく、またKESTREL
        4000 LIMITED
の軽快な走りは、アップダウンの多いコースでも有効で練習不足
       を補うほどの効力があり、バイクに助けられた感があった。
       エイドステーションはコース上に4か所のみ。水はキャップを外さずに吸って飲め
       るタイプであるが、スポーツドリンクはキャップを外して飲むタイプの為、非常に扱
       いづらい。補給を失敗すると命取りになるため、慎重にボランティアスタッフから受
       け取り、水1本は頭・体へと被るために使い、もう1本は補給用で使用した。
       しかし、水を被っても乾きが早く、受けとった水・スポーツドリンクがぬるま湯へと
       変化するのも早い。
       スピードメーターはつけていなかったため、速度は不明であるが周りの選手から
       聞くと下りでは70km近いスピードが何度か出ていたと、そんなコースを往復で
       走りながら再びバイクスタート付近まで戻り、残りは20kmほど。いつまでも続く
       上り下りに苦しみ、外国勢に抜かれることで募りながらも自分のペースを守り、
       EXPO会場でもあるバイクフィニッシュ地点に到達。

       (第2トランジット 219秒)
       バイク降車ラインでボランティアスタッフにバイクを渡し、トランジットからランギア
       を持って着替えテントへ。キャッ プをかぶり、ランシューズへ履き替え、補給食の
       チアパックをウェアの背中に入れてテントを出ると若い女性スタッフが大きな青い
       ビニール手袋をして声をかけ てくる。「サンスクリーン!サンスクリーン!」日焼
       け止めを塗るために待ち構えてくれている。「サンキュ〜!オールボディ・プリ〜
       ズ!」上半身の顔以外は 全て塗りたくってもらい元気注入完了。ここからさらに
       長い旅路のスタートである。

       (ラン:21km 1時間5743秒)
       ランは、12か所を折り返す3ループ。男 子プロはそろそろフィニッシュが近づい
       て来た頃にランをスタート。気温は、まだまだ上昇中で今まで感じたことのない暑
       さの中でのハーフマラソンは未知の世 界。走り切れない不安はないものの、この
       暑さでどれぐらいのペースで走ればいいのか、1週目は力をセーブしての走行と
       なった。エイドステーションは3か 所。特に第3エイドから第2エイドまでは約3km
       ほど離れていた為、1週目はこのことに気づかずとにかくのどが渇くため、かなり
       長く感じた。
       2週目は、 持っていたチアパックに水を入れ、この間での補給はうまくいったが、
       なかなかペースが上がらずエイドステーションで立ち止まる時間が長くなっていく
       一方。 欧米勢もランでは歩く選手が多く、泣きながら歩いていた女性選手が叫ぶ
       「so far!」という声に自分もそう思うと同感しながら、3周目に入ると気持ちも前
       向きになってくるが体が思うように前へ進まない。多くの選手が行き交うため全く
       自分の順位が分からなかったが気にする余裕もなく、とにかく早くゴール を迎え
       たい一心でフィニッシュゲートに辿り着いた。

       総合タイム:5時間3245秒 775/1794人 
               40-44エイジ別  100/ 208
               日本人        8
       ※エントリー数:2591名 リタイヤ数:120人 失格:2

       最近レースに出ていて感じるのは、常に戦っているのは他の誰でもなく自分であ
       る。中学時代に恩師から言われた「克己心」という言葉。いつまでたっても満足の
       いくレースはできないが、少しずつは進歩しているのかなと自分に言い聞かせ、
       今期の最終戦は終わりました。しばらくはゆっくり休み英気を養って、またこの舞
       台で満足に戦えるだけの力を取り戻したいと思います。
                  参考:写真に一緒に写っているのは、2011年アイアンマンハワイの
                      チャンピオン(過去3度)のクレイグ・アレキサンダーです。

       (大会開催日:2012・9・9)



第三四四号
                六甲西半山トレイルランに参加して!


2012年9月6日
AAC会員

脇本 正子氏

       今年は、早々にトライアスロンシーズンが終わり、かねてから一度挑戦してみたいと
       思っていたトレイルランに参加しました。六甲山を背にした王子公園に住み、1kmで
       摩耶山の登山口まで行けるという絶好の立地にありながら、山歩きさえ2〜3度しか
       行った事のない私は、気楽に山は涼しいだろう・・・くらいに考えて参加しました。

       ナイトハイク(ウォーク&ラン)に始まり、芦屋〜有馬沢登り滝めぐり、そして今回の六
       甲西半山トレイルランと参加しましたが、想像以上にキツかったです。でも、それ以上
       に楽しかったので3回とも参加したのです。

       今回の西半山は、須磨アルプス/馬の背から見る景色は素晴らしく感激しました。
       しかし、すぐに須磨アルプスの下りに・・・ 下りが苦手な私は、岩場の下りなど、ひど
       い時には後ろ向きで降りてしまいます。やっと降りて平らになったと思ったら、もうみん
       な走って行ってしまって、私と最後尾に付いて下さったトレイルラン部の方だけで、申
       し訳ないやら情けないやらでした。
       何とかしなくてはと、自分でも2〜3回摩耶山へ登ったのですが、やはり下りでは遅れ
       てしまいます。

       でも、そんな時、最後尾に付いて下さる方が、「ゆっくりでいいよ!滑るから焦らんで
       いいから!」と。その言葉に涙が出そうでした。ありがたくて・・・ そして、休憩場所
       では、皆さん嫌な顔ひとつせずに待っていて下さるのです。

       私がトライアスロンを始めた頃のバイク練習を思い出しました。宝塚の長い上りでフラ
       フラの私に、「焦らなくていいよ!ゆっくりでいいから!」と声を掛けてくださった皆さん
       の言葉に支えられて、少しずつ乗れるようになった事を!

       こんな温かい仲間に支えられて、またひとつ出来る事が増えて本当に嬉しいです。
       ありがとうございました。そして、その後の打上会がまた最高!至福のひとときでした!
       これからも、どうぞよろしくお願いいたします。そして、初心者の方もどうぞ挑戦してく
       ださい。温かい仲間がいますヨ! 
       (開催日:2012・9・2)



第三四三号
                淡 路 島 T 合 宿 に つ い て !


2012年9月6日
AAC会員

池条 年弘氏

       練習内容について!
       初日の練習でバイク60km〜70km走りますが、それと並行して淡路1周クラスも並行
       してできたらいいのではないかと思います。参加者に2パターンの練習メニューを選択
       肢として与えてあげれば個人的にあった練習ができて練習効率があがると思います。
       あと、日帰り枠も設けて、宿泊の難しい人の為にも参加しやすい環境もできればよいの
       かと思います。
       あともう一つ、二日目の練習に早朝枠を設け、士気の高い人に参加してもらう、あくまで
       ゆっくりしたい人はゆっくりしてもらうというのを前提で計画する。練習内容はバイクOR
       
ランニング。前日から朝何時からやると明確に示しておけば早起きするのかな?
       あくまで練習の強度、内容の選択は個人の自由、ゆる〜い雰囲気で合宿がこれからも
       継続されていけば、芦屋浜アスリートクラブメンバーの各種目レベルの向上につながる
       と思います。
       そのあとに行われるミニトライアスロンも楽しみの一つですね。トライアスロン初心者には
       経験をつむうえで最高の機会です。バイクをもってない人でもアクアスロンを共催しても
       いいのかなとふと思いました。

       自分の心がけていること!
       練習をするうえで向上心はとても大切なことだと思います。決してやらせられてるのでは
       なく、自分の為にやっていると思うことが大切だと思います。だから練習中に心がけてい
       ることは、弱音を漏らさないこと、練習だからといって手を抜かないこと、遊びこそ本気で
       やらなければ本番で本気はだせない、といい聞かせて頑張るようにしています。

       トラアスリートとしての避けては通れない道!
       トライアスロンは3種目やる関係上、バイクに乗る際には水泳で体力が消耗していたり、
       腕が疲労していたりして思うようバイクをこげない。ランニングをする際にはバイクの疲
       労、特に大腿部の極度の疲労によりまともにランニングすることができない。
       やはりそれぞれの練習を関連づけていかないといけないと思います。自分もそうなんで
       すが、一般的に足りてないことは、これらを関連づけたトレーニングができてないことな
       のかなと思います。ランニングをする前に少しバイクに乗ってから走ったりするだけでも
       効果があると思うし、3種目をクロスさせながらトレーニングをしていけたらいいなあと思
       います。
       そこで土曜日のランニング練習会前に個人的ではありますが、バイク練習会をこじんま
       り開催してランニングにつなぐクロストレーニングを最近始めました。これを続けていけば
       効果が絶対でると確信しています。続けていてだんだんランニングに移行したときの足
       のだるさがなくなってきてるのがよくわかります。朝早くから練習するのはしんどいとは
       思いますが、ちょっと頑張りたい人や短期間で成績をあげたいと思っている方は是非ご
       参加お願いします。実施する際はHPのバイク掲示板に投稿しますので、閲覧していた
       だき皆さんも気軽に投稿してください。開催は不定期ですが自分に仕事がなければほ
       ぼ毎週開催します。シューズ等の荷物がある人は私の家においといてもらっても結構で
       す。この練習、しやす い季節の間にたくさん練習しておきたいものです。

       トライアスロンでのバイクが得意になるためには?
       皆生トライアスロンでリレーのバイクパートでへばった私が言うのもなんですが、バイク
       をトライアスロンの一部と思わないようにした方がいいのではないかと思います。バイク
       のみのレース=ロードレースにまで出る必要まではあしませんが、バイクレースに興味
       をもち、映像をみて走り方を研究したりして探究心をもつことが大切だと思います。
       あとバイクの性能について熟知することです。疑問に思ったことをネットで検索してみれ
       ばいろんな答えがみつかる時代ですので、サドルの高さや角度の定義、理論、ペダリン
       グの理論等を調べてみるのも上達の近道ではないでしょうか?あと、最低限の整備が
       できるようになること。少し勉強すれば自転車を分解して組むことは誰にでもできるよう
       な簡単な仕組みなんです。自分はプラモデルを完成させたことはないですけど、本をみ
       ながら順番にやっていけばできました。これができることよって、命に係わるブレーキ
       等の不具合やボルトの緩みを早期に発見することができ、安全にバイクにのることがで
       きるのです。そして自分のバイクに愛着が今まで以上に沸くでしょう。

       
淡路島合宿に関係ないことばかりかいてしましましたが、次回合宿が開催される際に
     は初めての人も参加してもらえればいいなと思います。

       (開催日:2012・8・18〜19)



第三四二号
             や っ ぱ り 大 谷 峠 は 凄 か っ た !


2012年8月31日
AAC会員

松川 幹雄氏

       8月26日に珠洲トライアスロン大会に出場してきました。この大会は海の綺麗さと急
       勾配の大谷峠をバイク越えると云う 厳しいコースで有名な大会だったのですが、バ
       イクが苦手な私がそもそも出場しようと思ったのは、今亡き父のふるさと能登半島で
       行われていて、小中学生時代に幾度となく里帰りした思い出があったからです。

       前日の早朝妻と二人で出発、千里浜なぎさドライブウェィなどを経由して昼過ぎに珠
       洲に到着、 受付とバイクチェックを完了後説明会を受け、早々にバイクコースの下見
       に出かけました。50kmのバイクコースは半島最北端の朝日と夕日のビュースポット
       である狼煙灯台を経由する、珠洲の山と海岸を回る美しい景色のコースです。
       でも景色を観賞することも無く、ただただアップダウンを確認する下見でした。10km
       地点、20km地点、30km地点と3度のアップダウンを確認 3度目が大谷峠で、これ
       かぁ〜との思いでした。

       当日は快晴でスイムコースの鉢ケ崎海水浴場の波は静かです。海の透明度はバッ
       グンで泳いでいる魚が見える綺麗な海でした。7月に出場した大阪舞洲の海との雲
       泥の差に気持ち良く泳げ、 1.5kmのスイムは目標より速く次のバイクに移れました。

       バイクスタートは向かい風で不吉な予感です。10km地点の登りは順調、20km地点
       もまずまず順調、30km地点の登りでAACの西川さん(2周目)に声を掛けていただき
       気合が入るも、県道249号線の登りまでは順調だったのですが、旧道に入るやすぐ
       にペースダウンです。
       大谷峠の頂上に差し掛かる時にはバイクも真っ直ぐ進めず 左・右とよれよれで登り、
       練習不足の反省です。その時、峠でバイク通過チェックが有り、もう少しで大谷峠通
       過と聞き、何とか全身の力を振り絞り立ち漕ぎで峠を越えました。結果一度もバイク
       から降りる事無く通過出来て良かったかなぁ〜と思っています。残り15kmは登りで
       頑張った分のご褒美坂も有りバイク終点まで・・・でも目標より大幅に遅れです。
       3地点の登りと思っていたのが実際は旧道に入ってからの登りが最大の急勾配で、
       4つ目の坂=ここが大谷峠であり有り一番きつく辛かったです。

       ランは直射日光が照りつけ 風も吹かない町中をひたすら走る10kmです。エイド毎
       に水分補給や美味しいスイカをほおばり 沿道の応援のおばぁちゃん達に手を振りな
       がらゴールへ。
       結果はタイム4:04:04・総合順位は276/471 (スイム185/471  バイク345/471
       
ラン174/471) バイクの力なさに猛反省の大会でしたが、完走出来た事には素直に
       嬉しいです。
       私はバイクコース1周でヨレヨレのBタイプでしたが、他のAACのメンバーはAタイプの
       2周で、正しく鉄人です。来年はAタイプにチャレンジしたい気持ちはありますが、現在
       のバイク力では来年も・・・Bタイプ。一にも二にもバイク練習有るのみです。

       翌日からは改めてゆっくり妻と能登半島周遊の観光・美味しい料理三昧、そして久し
       ぶりの親戚への挨拶回りなどで有意義な休日を過ごしました。
       (大会開催日:2012・8・26)



第三四一号
               水 泳 大 会 に 参 加 し ま し た !


2012年8月29日
AAC会員

田中 弘治氏

       826日(日)に姫路市沖合いの家島にて開催された、ひめじ家島オープンウォータ
       ースイミングに参加しました。参加者は400名ほどでマラソンと同じく申し込みが多い
       ようで抽選でした。

       まずオープンウオータースイミングとは、海や川・湖など自然の水の中で行われる長
       距離の水泳競技です。英語名での名称の頭文字をとってOWSと略されてます。
       ロンドンオリンピックでは、10KMの正式競技がありました。

       朝5時に芦屋を出発し、630分ごろ姫路港到着、船で家島に渡ります。そこから選
       手はまた船で男鹿島に連れて行ってもらえます。夏休みのリゾート島旅行感覚です。
       目標は、1時間を切ることと全体の半分くらいに入れたらいいかと思ってましたが、
       やはり水泳を専門にしてるひとが多いのか皆きれいなフォームで早かったです。

       コースは男鹿島から家島へ渡る3.2KMワンウェイコース、天候は快晴、波はおだやか
       で潮のながれもありませんでした。スタートから中盤はマイペースで、中盤の海上に
       給水所があります。泳いでいたラインとは少し離れてましたが、海水がすごくショッパく
       喉がからからだったので給水しました。水がとてもおいしく少し復活〜

       後半は同じペースの人がいたので並泳、僕が右で息継ぎ、隣の人が左で息継ぎだっ
       たので、時々接近したりしてなんか変な感じでした。水もきれいだったので3.2KMはあ
       っという間でとても楽しんだ分、タイムは1時間123秒と目標には届かず、順位も全
       体の60%くらいと振るいませんでした。ちなみに総合1位の男性は37分台でウエット
       スーツなど着ず生身で勝負してました。

       家島オープンウォーターは島リゾート気分でとても楽しく、ぜひ来年も参加したいと思
       える水泳大会でした。
       (大会開催日:2012・8・26)



第三四〇号
            トランス・エゾ 2012 (to そうや) 完走記!


2012年8月26日
AAC会員

三田 博史氏

       襟裳岬〜宗谷岬を走ってきました。
       まず、トランス・エゾについて簡単に説明させて頂きます。
           襟裳岬から宗谷岬へ向かう『to そうや』555km
           宗谷岬から襟裳岬へ向かう『to えりも』545km
           『to えりも』と『to そうや』を連続して行う『アルティメイト』1100km があります。
       距離の違いを見ても分かる通り、往復しても走るルートは違います。

       ステージ制で、『to えりも』、『to そうや』ともそれぞれ一週間かけて目的地を目指し
       ます。ジャーニーランという形式で、自分の荷物(着替えなども)は全て自分で背負い、
       前日配布される地図をみてルートを確認し、各チェックポイントを通りゴールに向かい
       ます。また、節度時間という時速5.5km程度で動き続けた程度の制限時間があります。
       基本的にはどんなことがあっても節度時間にはゴールに到着しなくてはならず、走れ
       なかった場合でも電車やバスなどを利用して自力でゴールにいなくてはなりません。
       これは節度時間の10分後には翌日のミーティングが始まるからです。
       すべてのステージでエイドステーションも誘導も何もなく、全て自己責任で行います。
       ですので地図が見れない方はそもそも参加してもゴールは出来ません。食事は店が
       開いていればラッキーですが、飲み物や食べ物はどうしても自販やコンビニで調達す
       ることが多くなります。北海道の自販はゴミ箱がなく、殻のペットボトルや空き缶も持
       って走り、ゴミ箱の設置してあるコンビニなどで捨てます。

       toそうや

       1日目(えりも岬〜忠類)82.1km ステージ走行時間 10時間55
       えりも岬は霧で遠くが見れず、この日はほとんど最後までそんな状態でした。このス
       テージではエゾシカ、キタキツネや馬、牛など動物が数多く見られ、海沿いでは昆布
       漁をしていて面白かったです。ただ海岸線の黄金道路というところはトンネル化され
       てしまったところが多く、ガーミンが電波を拾わなかった場所が多かったです。初めて
       のトランス・エゾで一日目ということもあって、快走してしまったのが反省点でしょうか。

       2日目(忠類〜新得)87.2km ステージ走行時間 13時間15
       この日は一日ほぼ雨でした。この日から内陸に入っていきます。高速道路を建設中
       で、すこし寂しさを感じました。初めて行った幸福駅には萌えキャラもありました。
       記念に切符を買いました。もちろん愛国〜幸福です。
       初日を反省してゆっくり走りましたが、最後は右足の小指と人差し指、左足の小指に
       水脹れが出来てました。走り終えて足が異様に赤くなっているのが気になっていました。

       3日目(新得〜富良野)79.8km ステージ走行時間 12時間25
       スタート前に宿の方から熊が出るかもしれないから気を付けた方が良いとのお言葉が。
       村岡でもらった熊除けの鈴を持っていっていたので、スタートから使用しました。
       スタート直後の狩勝峠はほぼ歩いて登りました。山頂は寒くて風が強く、じっとしてる
       と震えが止まらなかったです。途中、幌舞駅という高倉健主演の『鉄道員(ぽっぽや)
       ロケ地がありました。
       近くの「なんぷカレー」がおススメだと伺っていたのですが、早く付き過ぎてしまって
       店の方に聞いたら営業開始は1時間後と言われたので、諦めてコンビニでカツカレー
       を食べてやりすごしましたが、しばらく残念な感じが拭えませんでした。
       この日から晴れてきて、景色を堪能できました。ゴール後はなぜか異様に震えが止
       まらなかったので、富良野ワインを飲んで温まりました。
       3日目ですでに右足の小指と人差し指、左足の小指のマメが潰れてました。足がさら
       に赤く腫れ上がっていたのでやばかったです。原因は靴紐の締め過ぎによるものと
       教えて頂きました。確かに113時間以上走ってたら浮腫みますよね。

       4日目(富良野〜旭川)66.9km ステージ走行時間 10時間40
       当初中休みステージと思っていましたが、足の状態が悪化していてかなり苦戦しました。
       スタート前の気温は11.8℃とすごく涼しかったです。この日は中富良野や美瑛も通り、
       天気が良いこともあって最高の景色を楽しめました。さすが北海道はスケールがデカ
       イです。
       このステージでは新田牧場で食べ物を頂きました。様々なもの全てがメチャクチャ美
       味かったですが、特にスイカの甘さには感激しました。
       靴紐を緩めて走った結果、最初は好調でしたが、やはり痛めたところが痛くなり、後
       半はギリギリの状態でした。
       ここまで1000km以上使っていたasics LYTERACERで走ってきましたが、クッションの
       重要性が分かってきたので多少マシな寝袋とともに送っていたNIKEZOOM SPEED
       CAGE
3 に履き替えました。こちらは300km程度しか使用してなくて、トライアスロ
       ン用にしてたモノです。まぁどちらも底は薄いですが。既にゴール後の銭湯やラーメン
       屋までの道でもまともに歩けない状態になっていました。

       5日目(旭川〜美深)98.3km ステージ走行時間 16時間25
       スタート3時、制限時間22時という最長ステージの山場です。スタート2時間後くらい
       からしばらく大雨警報の中を走りました。天気は回復してこの日も景色を楽しめました
       が、足は限界を超えてきました。最後は気力でゴールの美深温泉で食事が出来るギ
       リギリの19:30にゴール出来ました。もう、足、限界、超えてます。左足の親指と人差し
       指の間にもうひとつ親指くらいの水脹れが出来てたので、水抜きしました。

       6日目(美深〜浜頓別)80.8km ステージ走行時間 14時間05
       朝はすこし靄がかかってましたが、その後良い天気に。このステージから人があまり
       住んでいない所に入ってきたので、飲み物や食べ物の調達に苦労しました。途中、
       中頓別で北海道マラソンに出場すると仰っていたおっちゃんに声を掛けて頂き、ゼリ
       ーを頂きました。また、日本最北の100kmウルトラマラソン、北オホーツク100kmマラ
       ソンに誘われました。一回は参加したいですね。
       この日はチェックポイントでもある長田牧場でしばらく休憩させて頂きました。ご主人
       は中国に行っていて居られなく、奥様が色々面倒を見て下さいました。楽園でしたが、
       まだ20km残っているという現実が頭から離れませんでした。前日の疲れを癒す間も
       無くスタートするので、かなりきつかったです。足は相変わらずですが、しばらく動くと
       感覚がなくなるので気合で乗り切りました。

       7日目(浜頓別〜宗谷岬)60.7km ステージ走行時間 11時間10
       いよいよ壮大な旅走りのフィナーレです。スタートはみんなでしばらく歩き、約束の場
       所()から走り出します。しばらくすると10kmの直線道路が出てきて牛とアブの歓迎
       を受けます。両サイドは牧草地、見渡す限りまっすぐなので、かなり北海道感が出て
       る場所です。直線道路が終わるとオホーツク海に出て、砂浜を2km程度進みます。
       かなり泳ぎたかったですが、まだまだ先は長いので止めておきました。オホーツク海
       沿いにサハリンを見ながら北へと進み、日本の端っこへ。日本最北端の地の碑を周
       ってゴール!かなり感動的でした。
       足がボロボロの状態で海水はマズイとの判断から海に入るのは諦めました。足は赤
       ちゃんのように浮腫み、自分のものとは思えませんでした。痛さを我慢するのも終わ
       りと思うとかなり気が楽になりました。

           ステージ通算走行距離 555.8km
           ステージ通算走行時間 88時間55

       ここまで一緒に走ってきたエゾラー(トランス・エゾを走る人をこう呼ぶらしい)の方々や、
       クルーの方々など素晴らしい仲間と出会えて最高でした。本当に苦しく、それ以上に
       楽しかったです。今度出場する際は、もっと余裕を持って全力で楽しみたいです。
       身体が頑丈な方、如何ですか?早く走る必要はまったくありません。北海道を満喫
       出来ること間違いなしなので、是非エゾラーになりましょう!!

       P.S: Garmin910XTを使用していたので詳細データは手元にあるんですが、コースな
       どネタバレになってしまうので掲載は止めておきます。是非自分の目で見て身体で
       感じて下さい。
       (大会開催日(toそうや):2012・8・12〜18)