更新日:2023年3月8日
2023年度(令和5年度)税理士試験の日程(予定)が発表されました。
- 【申し込み】令和5年5月9日〜5月19日
- 【試験日】令和5年8月8日(火)〜8月10日(木)
- 【合格発表】令和5年11月30日
※ 試験日程は、令和5年4月7日の官報公告で確定します。
税理士試験をこれから受験してみようとお考えの皆さんは、税理士試験はいつ実施されるの?誰でも受験できるの?どんな問題が出題されるの?など、気になっているのではないでしょうか。
そこで、このページでは、税理士試験の試験日程や受験資格、試験科目などの概要について、ご紹介していきたいと思います。
【執筆者】 |
![]() 執筆者・アドバイザー紹介 |
【アドバイザー】税理士 佐園達哉 会計事務所で10年の下積み後、2020年に独立した30代の若手税理士。税務のほか経営コンサルティングにも注力し、2022年経営革新等支援機関TOP100に選出。 |
税理士試験の日程
まずは、税理士試験の日程からご紹介していきます。
年1回・8月上旬又は中旬の連続する3日間
税理士試験は、年に1回、8月上旬又は中旬の連続する3日間で実施されます。
一般的に、資格試験の試験日は日曜日のケースが多いですが、税理士試験は平日に実施されますので、仕事などの日程調整に注意が必要ですね。
試験時間は、各日とも、「午前2時間」、「午後(前半)2時間」、「午後(後半)2時間」の3コマあり、それぞれに各試験科目が割り当てられています。
試験日程【2022年度】
2022年度(令和4年度)の税理士試験の日程は、以下のとおりです。
申込受付 |
令和4年5月10日〜5月20日 |
試験日 |
令和4年8月2日(火)〜8月4日(木) |
合格発表 |
令和4年11月30日 |
試験日 | 試験時間 | 試験科目 |
8月2日(火) | 9:00〜11:00 | 簿記論 |
9:00〜11:00 | 財務諸表論 | |
15:30〜17:30 | 消費税法又は酒税法 | |
8月3日(水) | 9:00〜11:00 | 法人税法 |
12:00〜14:00 | 相続税法 | |
15:00〜17:00 | 所得税法 | |
8月4日(木) | 9:00〜11:00 | 国税徴収法 |
12:00〜14:00 | 固定資産税 | |
15:00〜17:00 | 住民税又は事業税 |
試験日程【2023年度(予定)】
2023年度(令和5年度)税理士試験の日程(予定)が発表されました。
- 【申し込み】令和5年5月9日〜5月19日
- 【試験日】令和5年8月8日〜8月10日
- 【合格発表】令和5年11月30日
※ 試験日程は、令和5年4月7日の官報公告で確定します。
受験料
税理士試験の受験料は、申込科目数に応じて、以下のようになっています。
申込科目数 | 1科目 | 2科目 | 2科目 | 4科目 | 5科目 |
受験料 | 4,000円 | 5,500円 | 7,000円 | 8,500円 | 10,000円 |
試験会場
税理士試験は、北海道、宮城県、埼玉県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、熊本県及び沖縄県の全国12地域の試験会場において実施されます。
税理士試験の受験資格
税理士試験には受験資格が設けられていますので、誰でも受験できるわけではありません。
会計学科目の受験資格
会計学科目(簿記論・財務諸表論)については、令和5年度から受験資格が撤廃され、誰でも受験が可能になります。
税法科目の受験資格
税法科目については、以下の学識要件、資格要件、職歴要件のいずれかの要件を満たす必要があります。(令和5年度から、下記のように受験資格が緩和されます。)
以下は、主な要件です。より詳細な要件は、国税庁のホームページ(税理士試験の受験資格)をご参照ください。
学識要件 |
|
資格要件 |
|
職歴要件 | 下記事務に2年以上従事した者
|
※ 社会科学に属する科目…法律学又は経済学に属する科目に該当する科目のほか、社会学、政治学、行政学、政策学、ビジネス学、コミュニケーション学、教育学、福祉学、心理学、統計学等の科目
税理士の試験科目
次は、税理士試験の試験科目について、解説します。
全11科目から5科目を選択
税理士試験の試験科目は、全11科目あります。
この中から、会計学2科目・税法3科目の計5科目に合格することで、税理士試験の最終合格になります。
会計学2科目は必須科目
会計学の@簿記論、A財務諸表論の2科目は必須科目となっています。
税法9科目の中から3科目を選択
そして、税法9科目の中から3科目を選択することになります。
選択必須科目
ただし、どの科目でも自由に選べるわけではなく、B法人税法・C所得税法からは、必ず1科目以上を選択する必要があります。
選択科目
そして、D相続税法、E酒税法又はF消費税法(EFはいずれかのみ選択可能)、G固定資産税、H事業税又はI住民税(HIはいずれかのみ選択可能)、J国税徴収法の中から1〜2科目を選択します。
必須・選択必須・選択科目の一覧表
上記の必須科目・選択必須科目・選択科目を一覧表に整理すると、以下のようになります。
会計学 (2科目) |
@簿記論 | 必須 |
A財務諸表論 | 必須 | |
税法 (3科目) |
B所得税法 | いずれかの選択必須 |
C法人税法 | ||
D相続税法 | 1〜2科目選択 | |
E消費税法又はF酒税法 (いずれかのみ選択可能) |
||
G国税徴収法 | ||
H住民税又はI事業税 (いずれかのみ選択可能) |
||
J固定資産税 |
なお、これらの試験科目は、科目ごとの受験が可能ですので、毎年1〜2科目ずつ受験して合格しながら、最終的に5科目の合格を目指すという受験方法をとることもできます。
出題形式はすべて記述式
税理士試験は、すべて記述式です。
択一式(マークシート方式)はありませんので、偶然合格することはない反面、しっかりと勉強した方にとっては努力が報われる形式となっています。
また、記述式といっても計算問題と理論問題があり、科目ごとにその配点は異なります。
計算問題
計算問題は主に納付税額を計算するといった形式の出題となります。
理論問題
また、理論問題は条文集の持ち込みは不可ですので、各科目の条文・関連法規を暗記した上で、税法に関する規定の論述や事例問題に回答していきます。
難易度・合格率は?
税理士試験は超難関資格です。
必要な勉強時間は3,000時間
一般的に、最終合格(5科目合格)するためには3,000時間程度の勉強時間が必要といわれています。
3年以内で合格できる人は極めて稀で、大半の人は、5〜10年程度かかり、10年以上の方も相当数いらっしゃいます。
合格までの平均年数は10年
実際のところ、合格者が最終合格するまでにかかった年数の平均は、10年程度といわれていますので、かなりの長期戦を覚悟しないといけません。
科目合格率は約15%
2022年度(令和4年度)の税理士試験の受験者数・合格者数・合格率は、以下のようになっています。
試験科目 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率 |
簿記論 | 12,888 | 2,965 | 23.0% |
財務諸表論 | 10,118 | 1,502 | 14.8% |
所得税法 | 1,294 | 182 | 14.1% |
法人税法 | 3,454 | 425 | 12.3% |
相続税法 | 2,370 | 336 | 14.2% |
消費税法 | 6,488 | 740 | 11.4% |
酒税法 | 454 | 60 | 13.2% |
国税徴収法 | 1,709 | 235 | 13.8% |
住民税 | 476 | 82 | 17.2% |
事業税 | 269 | 38 | 14.1% |
固定資産税 | 910 | 167 | 18.4% |
合計 | 40,430 | 6,732 | 16.7% |
この表のとおり、各科目の合格率は15%程度です。
最終合格率は約2%しかない超難関資格
この数値だけ見ると一見超難関には見えませんが、令和4年度は受験者数のうち5科目合格に達した者は全体の約2.1%(28,853人中620人)となっています。
これはつまり、まず1科目を合格するために15%の合格率を突破し、次の科目を合格するためにまた15%を突破し、さらに次の科目で15%を突破し、ということを意味します。
ですので、単純に一発勝負の試験で合格率15%というのとは、まったく意味が異なります。
また、税法科目は会計科目(簿記論・財務諸表論)を突破したレベルの高い受験生との競争となる上、学習が2年目以降のベテラン受験生が大半を占めるため、現実的には初学者が1年目で合格することは厳しい面があります。
資格スクールが宣伝文句としている、働きながら自分のペースで3〜5年で資格取得を目指すこと自体は可能ですが、実際にその期間で資格取得できる人はほんの一握りですので、注意が必要です。
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