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更新日 2025年6月10日
11『去勢と避妊について』
 犬の避妊・去勢手術をするメリット
  1・問題行動の抑制
  2・生殖器官に関連する病気予防
  3・ストレスの軽減
  4・望まない妊娠の防止(メスの場合)
  1~3は犬の寿命(長生き)にも関係してくる。

『避妊・去勢手術をするデメリット』
  1・手術の体への負担
  2・手術後、太る、飼い主の手術費用の負担。
  手術後、ホルモンバランスの影響から太ると言われているが、真意は別にして、ストレスが軽  減出来るのは確か。この点は、飼い主の餌の管理が出来るので、デメリットでないかも

『避妊・去勢手術の時期』
 出来るだけ早い時期が良いと思われる。犬が性的に目覚める前(発情する前)と言う事。生後5~6ヶ月以内に避妊去勢手術を受けるのが適している。
 時期については、小型犬・大型犬・メス・オス・個体による差があるので参考程度に留めておく。避妊・去勢手術は全身麻酔するので獣医師として、犬がしっかり成長し、成犬の体型にになり体力が付いてから手術するべきと、考え成犬になるまで、避妊去勢手術を拒否する獣医師もいるので、手術を行うか否かは掛かり付けの獣医師と、しっかり話し合うのが良い。避妊・去勢手術は考えは人それぞれだけど最終的には一番幸せなのか、一番楽しく暮らせるかを考え判断する。

12『犬の発育について』
 犬は年齢により成長の速度や度合が異なるので、犬の年齢に応じた育て方をしなければいけない。躾も訓練も同様。犬の年齢とその特徴をしっかり理解する。
犬の一生に最も影響を与える時期は「新生子期」「過渡期」「社会化期」「幼若期」

「新生子期=生後~2週齢」
 犬が生まれてから目が開くまでの時期。この時期は繁殖者が体験する時期。新生子期の子犬はまだ何も出来ないが、6つの反射機能が見られる。
☆交差伸縮反射
 後ろ足の片方を刺激すると、刺激された足を縮め、もう片方の足を伸ばす。
☆マグナス反射
 頭を左右どちらかに曲げてやると、曲げた側の前後の足を伸ばし反対側の足を縮める
☆ルート反射
 犬の頭を人の指で囲むように触ると前進してくる。
☆唇吸引反射
 犬の唇に人の指を当てると吸引する。おっぱいを探す或いは、おっぱいを吸う為の反射。
☆まばたき反射
 まぶたに触ると穏やかな収縮が起こる。
☆排尿便反射

 母犬に外陰部を舐められ事により、その刺激で排尿便が出来る。交差、マグナス、ルート、まばたき反射は簡単に言えば体を守る為の反射。6つの反射はどれも仔犬が生きる為に必要な反射機能。犬が人に慣れる様にする為にはこの時期から仔犬にどんどん触ることが大切。
 新生子期の子犬に触ろうとして、母犬が唸ったり威嚇したりする場合がある。これは母犬が人を信頼していない為に母性本能を強く発揮することがある。このような母犬に育てられると子犬もその影響を受けて、人を信用出来ない犬に育ってしまう可能性がある。母犬は人との信頼関係を築いていて穏やかな性格でなければならない。

「過渡期-2週齢~4週齢」
 この頃の子犬は視覚の発達とともに探索行動が始まる。感覚機能が発達する時期で様々な体験をさせる。巣箱の中だけではなく少しずつ巣箱の外に出して巣箱外の環境に慣れさせる。この時、子犬がどこに行ったか分からなくならないように目を離さないように充分注意する。飼い主が外出したり就寝したりする時など、子犬を見ていられない時は巣箱に戻すようにする。

「社会化期=4週齢~12週齢」
 この時期の子犬たちは周囲の環境に興味を持ち始めるので、社会環境に慣れさせたり、人との信頼関係を築いたりするのに良い時期。この時期の中でも、5週齢から8週齢が良いとされている。この時期の子犬は色々なことに興味を示し、いつもオープンな気持ちで居るので色々な出来事に順応しやすく、ストレスを感じ難くなっている。社会環境に慣れさせる為に子犬を抱いて外に連れ出し、車やバイクの騒音やエンジン音、クラクションやサイレンの音、子供が遊ぶ声などを聞かせる。他人や子供にも可愛がってもらい好意的な行動が出来る様にする。この社会化期は犬の性格が形成されるとても大切な時期。この時期に人間との接触が極端に少なければ人間を怖がり、自衛本能が強い犬に育つ。また体を触れられる事を嫌がったり怖がったりするようになり、耳掃除や爪切りなどの体の手入れをしている最中に咬みつくなど、問題行動を起こすようになる。

「幼若期=12週齢~1年齢」
 この時期は犬の体格が急速に発達するとともに運動機能も著しく発達する。1歳になった頃には 成犬の体格へと成長し、その後の発育は止まる。成長の速度は犬種やそれぞれの個体差があるが、一般的には大型犬より小型犬の方が成長速度が速いといわれている。丁度、1歳くらいになると、食欲にもムラが出てくるようになり、今までに比べ餌を食べる量が減る事がある。これは発育が止まったっことを意味する。食欲が減っても無理に食べさせたり、嗜好性の高い餌を与えたりしない。病気で食欲がない時は病院に連れていく。
 年齢が1歳を過ぎても犬にしつけや訓練を教えるのには年齢は関係ない様だ。適齢期を過ぎてしまった犬は、しつけや訓練を覚えるのに少し時間がかかるだけで覚えられない事は無い。犬は習慣性の強い動物なので、同じことを繰り返す事によりそれを覚えるので焦らずに根気よく、じっくりとしつけや訓練を継続する。