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2『見ないとは』
 しつけを行う際は、犬を見ないでしつけを行うと言うこと。実際に犬を全く見ないことではなく、視野に入れて犬を見て見ないふりをする。何故、見てないふりをするのか、これは犬の習性によるもの。犬は群れを作って生活し、その群れの中で順位付けを行い、下位の者は上位の者の行動を見て、上位の者の行動に従う。上位の者は下位の者を見ない。見ない事がリーダーシップに繋がるので、リーダーとならなければならない飼い主は、犬を見てはいけない。もし、いつも犬をみつめていたら、犬は視線を感じ、「この飼い主はいつも僕の方ばかり見ているぞ、きっと、僕の方が上位なんだ!」と思い、犬がリーダー(ボス)となり、主従関係が逆転してしまう。
3『喋らないとは』 
 しつけを行う際には犬に話しかけないこと。また、もし問題行動を起こしても、ギャーギャー騒がないこと。犬は人間の言葉を理解出来ないので、いくら話しかけても「いったい何を喋っているんだ?」或いは「弱い奴が俺様に媚びているんだな」くらいにしか感じない。また、問題行動を起こした時にギャーギャー騒ぐと「この行動をすると人間の気を引けるぞ。もっと注目を集めてやれ」と思うだけ。注目を集めれば犬は自分の方が上位であると思い、犬はリーダー(ボス)となり主従関係が逆転する。
 人間は音を出す動物。「まあまあまあ」「どうもどうもどうも」「はいはいはい」と音(声)を出す。トントントンと同じ音を繰り返し出す。猿も同様に「ヒイヒイヒイ」「ホッーホッーホッー」という音(声)を出し、人間と同じ文化だ。
 しかし、犬は犬文化で音を出さない動物。音を出さない犬に対して話しかけても効果がないどころか、逆効果になってしまう。犬に対して音を出せば(話しかければ)、犬は「弱い奴が媚びている」くらいにか思わない。犬を見たり話しかけたりすることは、犬を猿文化として捉えているということだ。 犬を擬人化していることになる。犬を、まるで自分の子供であるかのように擬人化する事によって犬は飼い主を自分よりも下位の者と判断するようになる。
 犬を擬人化しないことは飼い主にとって非常に難しいことで、いつもこのことを意識して行動するように心掛ける。