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◆番外編その4『超人バロム・1』◆(1999/7/5)

 いつまで続く特撮シリーズ。今回は「バロム、クロスっ!」でおなじみの『超人バロム・1』です。再放送も多かったので、前回の『ロボット刑事K』よりもかなりメジャーな作品だと思います。健太郎と猛という二人の少年がボップという小道具を投げて「バロムクロス」(早い話が変身ポーズ。互いの腕を交差させる。イラスト参照)し、正義のヒーローに変身するというお話。自分たちと同じ子供がヒーローになるというのが嬉しかったですねぇ。「二人の友情エネルギーが300バロムを超えないと変身できない」という設定だったそうですが、そんなこと見ててもちっとも気づきませんでした。ケンカすると変身が解けるというエピソードは出てきましたけどね。

バロムクロス  健太郎は「モヤシ」君タイプの頭のいい少年で、猛は力自慢の「相撲取り」型。バロム・1に変身しても頭脳は健太郎が司り、肉体は猛が司る。で、頭の部分に健太郎、体の部分に猛が「入ってる」というイメージ映像が出てきたような気がするのですが、それじゃあ「バロム・1」は着ぐるみなの!? まぁ変身モノに「変身の科学的説明」を求めても仕方ありませんが、二人が一人の人間になるって一体どういう仕組みだったんでしょうねぇ。どう見ても大人の男の人が仮面かぶってるとしか思えない代物に変身して、でも闘ってる最中に二人の顔が現れて「手強いぞ」とか何とか相談しちゃったりする。あの頃は別に疑問にも思わず受け入れていたのかしら。それとも納得ずくで見ていたのかなぁ。

 『バロム・1』で印象に残っていることと言ったら、主人公二人よりもむしろ敵側。毎回毎回出てくる怪人がめちゃグロテスクなんだよねぇ。でっかい手首がのっそのっそと指を蠢かしながら迫ってくるユビゲルゲの恐怖ときたら。指の1本1本に目がついてて、掌にもひときわ大きい目がついてたような気がする。とにかく不気味というかなんというか、生理的嫌悪感を催させる造形なんです。絶対追いかけられたくない!

 あと「♪やごやごや〜ごの子守歌〜♪」とかいうヤゴゲルゲのテーマソング(?)も忘れられません。でもってそのグロテスクな怪人達がみんな「元は人間」なのが怖い。普通の人間を悪の権化ドルゲが怪人に「変身」させちゃうんですが、健太郎&猛の友達のお父さんが怪人になっちゃう話もあって、「うわー、私のお父さんがあんなんなったらどうしよう」と、ここでも恐怖をそそられる。その怖ろしい怪人達に狙われ、追いつめられるのは自分たちと同じ子供で、頼りになる大人はちっとも出てこない。猛のおじさんの「松おじ」っていうのがメインキャラとして出てくるんだけど、この人も二人を助けるどころか敵側のターゲットになってていつも窮地に陥ってる。ま、自分たちがヒーローなんだから当たり前なんだけど、健太郎と猛は松おじを助けるために毎回奮闘しなくちゃならない。ヒーローやるのも大変だ。

 ヒーローに憧れ、ヒーローになりきって遊ぶ子どもたちの心をつかむなら、子供がヒーローに変身するっていう番組はもっとあってもよさそうなもんだけど、他にはあんまりないですよね。『バロム・1』も視聴率はそれほど良くなかったそうで、やっぱり子どもたちは等身大のヒーローよりも雲の上のヒーローの方が好きなんでしょうか。「いざとなったらヒーローに助けてもらう」方が、「ヒーローとして孤軍奮闘する」より楽だし。でも♪マッハロッドでブロロロロ、ブロロロロ、ブロロロロ〜。ぶっとばすんだ、ビュンビュビュン♪はやってみたかったなぁ。

参考文献『メーキング・オブ・東映ヒーロー@』講談社編(講談社X文庫)


●次回予告●

次回は『ターンAガンダム』です。


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