◆『キャプテン翼』◆
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ついに禁断の少年愛マンガ登場! じゃなかった、このマンガ(及びアニメ)がなかったらJリーグはなかっただろう、ということは2002FIFAワールドカップKOREA/JAPAN(長いなぁ)もなかったかもしれない、伝説のサッカー作品。W杯に合わせてまた新作アニメも放送され、マンガも復活してますが、今回取り上げるのはあくまで昔の作品です(って言うより『C翼』に関するまったく個人的な思い出、というのが正しい。これもW杯の後遺症、どうかお目こぼしを)
もう随分昔だなぁと思って調べてみると、アニメの放送はなんと1983(昭和58)年10月13日から1986(昭和61)年3月27日。かれこれ20年近く前。うわー、そんなに昔だったのか。主題歌沖田浩之だもんなぁ。時代を感じるよなぁ。W杯2得点の稲本選手なんか1979年生まれだから、当時まだ幼稚園児。がー、みんな若いねぇ、おばさんもう中学生だったよ(涙)。
既にコミックスも手放し、ビデオもなく、手元にあるのはコミケで買ったレターセットのみということでうろ覚えなんだけども、アニメ自体の出来はまぁ悪くなかったような気がする。原作とイメージが違ってがっかり、ということはなかった。いくらなんでも鈴置洋孝さんの声の小学生はいまい、とか、30分の放送の中で5分しか時間が進まないとか、ひどい時には前半15分が全部先週のおさらいだったりとか、なんで小学生の試合に実況アナがいるんだとか、ツッコミたい部分は色々あったけれども、これはそもそも原作の問題でもあるわけで。何ヶ月かかっても試合が終わらないというのはスポーツマンガの宿命のようなもんだし、重力を無視してるったって、『ドカベン』殿馬の「秘打」だって『侍ジャイアンツ』の「エビ投げハイジャンプ」だって、はたまた『燃えろアタック!』の「ひぐま落とし」だって現実には不可能だからねぇ。「消える魔球」とかないだけリアリティあるかも。
中学の時から好きだったけど、私の中で『C翼』がブレイクするのはもうちょっと後で、大学生の時。たぶん再放送をやっていた。そして友人に『C翼』ファンがおり、改めてコミックスを貸してもらって、いよいよ禁断の園に……って、なんでサッカーマンガに「禁断の」などという枕詞がつくのか? それは当時(ひょっとして今も?)同人誌で『C翼』キャラを使った「やおい」(正しい語義は知らないんだけど、少年愛系パロディを指す)が花盛りだったから。何しろ可愛い男の子が山のように出てくるし(1チーム11人で、全国大会になると7〜8チームは出てくるわけで。名前考えるだけでも面倒だよなー。顔の描き分けなんてあなた、求めるだけ野暮ってもんだ)、友情はたやすく(?)愛情に変わるってんで、みんな自分の好きなキャラを主役に好き勝手描いとった。
中でも一番人気は日向小次郎&若島津健のカップルで、「小次受け」とか「健受け」とかいう言葉がコミケでは当たり前のように飛びかっていた(「受け」というのはつまり、どっちが押し倒される側かってことなんだけど…いやはやすごい言葉だ)。「やおい」じゃない健全なパロディでも圧倒的に東邦メンバーが優位であった。翼くん&岬くんじゃ爽やかすぎて(ガキっぽすぎて?)お姉様方の食指は動かないらしい。ご多分に漏れず私も小次郎ファンなのであって(「日向」という名前も小次郎にもらった)、小次&健のパロディ小説を書いて喜んでたりした(ちなみに「やおい」ではない)。そんなことしてるから小説家になれなかったんだよなぁ。
でもパロディって面白い。今回この原稿を書くにあたって、昔好きだった同人サークルさんが未だ活動を続けているのを確認し(インターネットってすごいよなぁ。一発検索)、『C翼』の底力というか、同人さんのパワーにびっくり。それぞれの同人さんの数だけ、違うバリエーションを生み出せる『C翼』。原作者高橋さんのキャラ作りがうまかったということなんだろうか。
私の「小次&健」もオリジナルを離れ、既に自分のキャラのような気がしている。『蒼き月 きらめく太陽』の主役コンビだって、よく考えたら「小次&健」の発展形。ムトーとジュリアンもけっこう……。うむむ、となると一番影響を受けた作家は高橋陽一であったのか。恐るべし、『C翼』!
【おまけ】
サッカーマンガといえば、『C翼』と同時期に少年サンデー誌上に連載されていた『はしれ走(かける)/みやたけし』も楽しかった。天才肌の翼くん達とは違って、いたって普通の、どっちかというとどんくさい小学生達がそれでも一生懸命ボールを蹴って、ちょっとずつちょっとずつ成長していく様は実にほのぼのと可愛らしかった。
それからLaLaで連載されていた『シャンペン・シャワー/かわみなみ』。少女漫画でサッカーのプロリーグ(それも南米。国は架空だけど)が舞台っていうのは後にも先にもこれしかないのでは。あー、読みたぁい。
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