◆第26回『山ねずみロッキーチャック』◆(1997/12/1)
- ♪緑が森ってどこだろな、かくれんぼするのに良いところ〜♪でおなじみの『ロッキーチャック』。緑が森ってホントにどこにあるのぉ、行きたーっいと思ったものでしたねぇ。同世代の人ならきっとこの主題歌は歌えるはず、と思うのですが、世代の違う方々のためにちょっと説明すると、かくれんぼするのに良いところらしい緑が森を舞台に、赤いベストを着た山ねずみのロッキーを主人公に、森の動物達の生活が描かれるほのぼのアニメでした。
ほのぼのアニメだったんですけどね、でもリアルだったんですよ。動物の生態はまぁ誇張されてたり、子供向けに面白くなってたりしたと思うんですが、人間の描かれ方がリアルなの。何せ主人公が小動物で視点が低いので、人間って脚しか出てこない。長靴を履いたでーんとした柱みたいな脚がずんずんずんと近づいてきて、ロッキー達が慌てて身を隠すと脚はずんずんずんと遠ざかっていく、というような。時には全身が映ったりもするのですが、あくまで顔は陰になってるとか。動物達の絵がとても可愛いから、妙にリアルな表情の見えない人間の絵がなんか怖いんですよー。ああ、小動物にとって人間ってこんなに怖く見えるんだーって、よくわかりましたね。
利口なロッキーとそのガールフレンドのポリーをはじめ、個性的な動物達が色々と出てくるのですが、何と言っても『ロッキーチャック』と言えば狐のレッド。『ニルスのふしぎな旅』に出てくるレックスそっくりの役回りなのですが(声も同じじゃなかったっけ?)、レックスよりもさらに馬鹿というか子供で、いつも母親狐に「もっとずる賢くなれ」と尻をたたかれている。何とかしてロッキー達を襲おうとするんだけど、いかんせんロッキーの方が頭良くて、いつも逃げられちゃうんだよね。もうホントに何回失敗したか。見ててかわいそうになってくる。
そしてもう一人(?)、忘れちゃならない「ニューッスだよっ!」のカケス君(固有名詞があったような気がするけど覚えてない)。何か事件があると「ニューッスだよっ!」と独特の節回しで叫びながら飛んでくる。これはなー、みんなよく真似してたよ。『ニルス』におんなじカケスが出てきた時は「えーっ、パクリちゃうのぉ」と思いましたが、それだけ印象の強いキャラクターだったんでしょう。耳にやきついてるもん、あの節回し。
再放送したら絶対今の子供達にも受けると思うんですけど、長い間やってないですよね、再放送。知恵を絞って危機を乗り越えたり、動物同士協力したり、前述したとおり「人間は他の動物にとって脅威である」という視点もあり、背景の自然も非常に美しく描かれていて、ホントに質の高い作品でした。別にアニメやTV番組がことさら教育的である必要はないと思いますが、こういう名作が近頃はないのでは……。私がTVを見ていないだけなのかなぁ。
●次回予告●
次回は『海底超特急マリンエクスプレス』です。
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