アニメ大好き

◆第23回『バビル2世』◆(1997/9/7)

 TV欄で『夏休みBSアニメ特選』というのを見つけて、その下に『バビル2世』とあったので、しっかり録画予約をして出かけ、帰宅して再生してみるとやっぱりというか何というか、リメイク版だったのでがっかりしました。リメイク版でも面白ければ言うことはないんだけど、ひどかったんですよ、これが。バビル2世は何の信念もなくひたすら電撃を放射しまくるだけ、ヨミ側の(つまり敵側の)女の子(もちろん超能力者)とのロマンスも無理矢理だし、何より3つのしもべの存在意義がほとんどない。ロデムなんてしゃべらないし。人間化もしないし。ロデムびいきの私としてはそれだけでもう許せない。

ロデムのお話  「砂の嵐に隠されたバビルの塔に住んでいる超能力少年♪」バビル2世のことを、私と同世代で知らない人はまずいないと思いますが、一応説明しておきましょう。その昔地球に不時着した宇宙人(バビル1世)が、母星と交信しようと造ったのがかの有名な「バベルの塔」ということになっていて、彼は自分と同等の能力を持つ者にバビルの塔とその科学技術を遺そうと思い立つ。そうしてその呼びかけに応えた少年浩一(字は違うかも)は、バビル2世となって世界制覇をもくろむ超能力者ヨミと闘う。3つのしもべ――怪鳥ロプロス、水中用ロボット(?)のポセイドン、不定形生物(?)ロデム――を従えて。

 冒頭でも述べた通り、私はこの不定形生物ロデムが大好きなんです。普段は黒豹の形をとっており、まぁこれが一番格好良いんですが、女の人にも男の人にもなれ、知能も高くて3つのしもべ中唯一口がきけます。何せ不定形なのでアメーバのようにどろどろにもなれ、地面が割れると橋になってご主人様を助けたりします。この「どろどろになる」という共通点から、幼い頃我が家では春雨のことをロデムと呼んでいました。アホな家庭です。

 中学生の時、友人が言いました。「バビル2世は浮気者である」 その心は。「ユミちゃんというものがありながら、ユキちゃんなんかとよろしくやりやがって」 ……ユミちゃんというのは、浩一君のいとこだかなんだか、一緒に暮らしてた女の子なんですね。浩一君は両親がいなくて、親戚のおじさん(ひょっとすると知人のおじさん)の家に厄介になっている。突然ロプロスに連れられて行方不明になってしまった浩一君を捜して、ユミちゃんは一生懸命世界を駆けめぐるんです。これがもうほとんど「君の名は」のようなすれ違いで、ユミちゃんはなかなか浩一君に会うことができない。ああ、それなのにそれなのに。ヨミを倒しても浩一君はユミちゃんのところには帰らなくて、とある牧場に住み込み、そこの女の子ユキちゃんと仲良く笑ってるところで最終回になっちゃうんです。おいおい、ユミちゃんの立場は! 今まで育ててもらった恩はどうした! と突っ込みを入れたくなるのも無理のないところです。

 今見ると「火炎放射だ、電撃だぁ♪」というバビル2世の超能力もかなりうさんくさい代物だと思いますが、小さい頃は憧れて何回も何回も見たものでした。その思い出をぶちこわすようなリメイクなんか作らないでほしいと、リメイクばやりの昨今、切に思います(と言いながら毎日録画して最後まで見てしまった)。


●次回予告●

次回は『ベルサイユのばら』です。


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