◆第21回『侍ジャイアンツ』◆(1997/7/5)
- 『主人公ばんばばん(漢字わからん)の投げる魔球の名前を全部挙げよ』という問題が、某バラエティー番組で出ていました。一体このクイズを出題した人はどうやって答えを調べたんだろう、まさか『侍ジャイアンツ』のビデオを引っぱり出して見たってわけじゃないよな、と思ったりしたんですが。ちなみに私の記憶が確かなら、答えは「大回転魔球」「ハイジャンプ魔球」「エビぞりハイジャンプ(私は”エビ投げ”だと思うがHiroが違うと言う…)」「分身魔球」、そして全部合わせた「ミラクルボール」、のはずです。
やっぱり『侍ジャイアンツ』の魅力というのは、この到底現実にはできそうにない荒唐無稽な魔球の数々だと思うのですが、しかし私が偉いと思ったのはばんばばんが『ジャイアンツなんか嫌いだ!』と言うところ。我が家は父親が熱狂的な阪急ブレーブスファンでアンチ・ジャイアンツ。でも当時は野球と言えばセ・リーグでTV中継も巨人戦ばかり。まぁ関西だからタイガースファンは多かったけど、しかしパ・リーグファンは肩身が狭い。(パ・リーグだって関西に3球団もあったのに……) で。そーゆー御時世であるにもかかわらず、ばんばばん君はかの川上哲治監督に向かって『俺は威張った奴は嫌いだ! だから巨人なんか嫌いだ!』って堂々と言い放ってくれちゃうんですねぇ。さぞや全国のアンチ・ジャイアンツのみなさんはスカッとしたことだと思います。嫌いだと言いながら『嫌いだから俺が内側から壊してやる』で結局ジャイアンツを舞台に話が進んで巨人ファンも満足するという、なんてうまいやり方だ、こんちくしょー、ってな作りになっている。アンチ・ジャイアンツの私に『ジャイアンツのぉ、ジャイアンツのぉ、旗のぉもぉとぉ』と歌わせてしまうんだから本当に。
でもって『侍ジャイアンツ』は明るい。ばんばばん君は血のにじむような努力もするし、厳しい特訓でボロボロにもなるけど、いわゆる『スポ根』ものにありがちな暗さがなくて、スカッとしている。何しろばんばばん君は『こちとら海で鍛えた土佐っ子だ〜い』である。海の男はくよくよいじいじしないのだ。『巨人の星』の星飛雄馬が江戸っ子なのかどうかは知らないけど、主人公が地方出身者であるというのもうまい。やっぱり東京一極集中は良くないのだ。
野蛮な田舎者が都会の秩序や常識を無視して大暴れするワイルドなお話である『侍ジャイアンツ』、最後にいきなりロマンス物になってしまう。ばん君の憧れの人であるリカさんが、遊園地の観覧車の中から球場を見下ろしながら(確かそんな状況だったと思うけど……)アメリカに旅立つ決意をする。このリカさんの存在ってなんかよくわかんなかったけど、ちょっと峰不二子風でカッコいい人だったので、けっこう好きでした。ヒーローも破天荒ならヒロインもひと味違う、という狙いだったんでしょうね。
監督が川上さんで、同僚には長島さんや王さんがいて(一体いつの時代の話なんだか。古いよなぁ)、忘れちゃいけない、キャッチャーの八幡先輩。八幡さんの背番号は確か100番で、ばん君は4番。インディアンのなんとかいう選手が13番で、ばん君と二人、『不吉な番号』対決をしてましたね。
野球を題材にしたアニメで他に好きだったのは『キャプテン』と『ナイン』。そして、好きだったというか、印象に残ってるのが『アパッチ野球軍』。これは強烈だったなぁ。山あいの小さな村の学校に赴任してきた先生が野球を通して子供達を変えていこうとする、いわゆる「熱血モノ」なんだけど、絵がけっこう怖くて……。
●次回予告●
次回は『未来警察ウラシマン』です。
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