アニメ大好き

◆第6回『装甲騎兵ボトムズ』◆(1996/8/3)

 このアニメの特徴と言えば、やはり、『主人公がしゃべらない』に尽きるでしょう。主人公キリコ(♂)はとにかくしゃべらない。笑わない。いつもむっつりと口をへの字にしていて、何考えてんだかよくわからない。ひょっとすると何も考えてないのかもしれない。無愛想の極地で、性格もあるんだかないんだかよくわからないんだけど、でもカッコいい。当時中学生だった私が友人と『キリコの取り合い』なることをやっていたぐらい、カッコよかった。まぁねぇ、中学生ぐらいの女の子には、こーゆー『謎を秘めた無口な戦士』ってのがカッコよく見えるんでしょうねぇ。

キリコの絵  主人公の性格がよくわからないぐらいだから、ストーリーもなんかよくわかんなくて、『来週こそ』と思って見るとますますわけがわからなくなってくるというアニメでした。パーフェクト・ソルジャー(戦闘用強化人間)という軍の機密を偶然目にしたために命を狙われるキリコと、キリコに心引かれるパーフェクト・ソルジャーのフィアナを軸に、軍やら謎の組織やらが関わって、やたら複雑にストーリーが進んでいく。最後には、”神”を名乗るコンピュータとキリコが対決し、”神”が破壊されても宇宙は変わらなかった、という宗教的な結末を迎える。『えーっ、これってそーゆー話だったの!?』

 暗くて難しくてやたらマニアックなこんなアニメが打ち切りにもならず、堂々とゴールデンタイム(大阪では確か夕方6時半)に放映されていたというのは、驚きです。その後番外編のビデオが出たり、そのビデオのノベライズが出たりしたので、けっこう人気あったみたいですねぇ。みんなマニアックなんだからもう(もちろん私もその一人)。 この間、私にしては珍しくレンタルビデオ店に行ったら、続編が出ていてびっくりしました(もちろん私がそれを借りたことは言うまでもない……)。全TVシリーズのビデオ化も始まったようです。早く一週間レンタルにならないかしら。

 タイトルにもなっているボトムズ=A.T.の動きがなかなかすごくて、迫力ある戦闘シーンもこの作品の魅力の一つでした。ロボットアニメ全盛の時代だったんですよねぇ。こういう骨のある(?)SFアニメはもうTVでは復活しないのかなぁ……。


●次回予告●

次回は『パリのイザベル』です。


アニメ大好き!インデックスに戻る