◆第5回『妖怪人間ベム』◆(1996/7/18)
- 昨夏、この『妖怪人間ベム』を題材にしたCD−ROMが発売されまして、その記事が某パソコン雑誌に載っていました。えー何々、『筆者は一度もこのアニメを見たことがない』!? えーっ、あの名作を知らないの!? 驚きましたね、非常に。そりゃアニメ自体は古いけど、少なくとも近畿地方ではしょっちゅう再放送されていたので、20代だったら知ってると思うんだけどなぁ。小学校にも中学校にもベラとあだ名される女の先生がいたぐらい、私の周りではポピュラーだったのに……。(近頃ではケンミンの焼きビーフンのCMにも登場して、その不朽の名作ぶりを発揮している。あれってひょっとして関西onlyのCMなのかな?)
そーいう、この作品を見たことがないという可哀想な人のために説明すると、これは、『いつ生まれたか誰も知らない』妖怪人間のお話です。彼ら(ベム、ベラ、ベロの三人)は普段は人間の姿をしていますが、必要に応じて妖怪の姿になります。彼らが妖怪の力をふるうのは決まって悪い人間どもをこらしめるためで、彼らは『善行を積めばいつか人間になれる』と信じているのです。
ここに一つの矛盾があります。妖怪人間は人間に憧れていて、人間になりたいと思ってる。でも彼らの前に現れる人間は悪い奴ばかり。悪人の手から弱い者を守っても、感謝してくれるのは子供達だけで、大人達は彼らが異形の物と知ると背中を向けて去っていく。それなのに、疎まれてなお妖怪人間達は人間を素晴らしい物と信じ、人間のために闘ってくれるのです。見た目は醜く怖ろしいけれど、美しい心を持った妖怪人間と、見た目は美しい(?)けれど心は醜い人間達の対比。果たして私たちに憧れられる資格はあるのでしょうか? 守ってもらう資格が?
タイトルだけ見ると三流ホラー映画みたいだけど、テーマはとても深いものがあったし、なんでだかベムはとってもかっこいいし、「生死不明」で彼らの靴や帽子だけが後に残る粋なラストシーンは感涙モノ。ちなみに前述のCD−ROMにはTVシリーズ全26話のダイジェスト・ムービー他、未公開作品も収録されているそうで……あーっ、欲しい!!
●次回予告●
次回は『装甲騎兵ボトムズ』です。
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