ケビン・ドブソン(Kevin Dobson)
(1997年当時のサイトからの引用です)
ネットサーフィンで見つける恋もある
ひたすら「ゴーイング・マイナーウェイ」街道を突っ走る私の次のターゲットが,このひと.
「彼の名を知っている人がどれだけいるのだろうか」なんてことはもう聞かない.
日本じゃ今のところ誰も知らないだろう.しかしもうすぐブレイクするかも
しれない期待は,ある.そうなったとき(なるかあ!?)に誰かに先をこされると
悔しいので,今ここでつばをつけておくことにする.
「刑事コジャック」,つるっ禿げで眼光鋭いテリー・サバラス主演の刑事ドラマ.
リアリティー抜群,つまり埃っぽくてごみごみした町でこれまた埃っぽくて
汗くさそうな人相の悪いおっさん達(刑事も犯人も区別つかない)が毎回渋い
ドラマを繰り広げてくれるのだが,中でもコジャックにやけに気にいられている
血気盛んな若者がいる.ボビィ・クロッカー,それが彼だった.何かというと
「クロッカー!」と大声で呼ばれているので,ついつい目がいく.とりたてて
ハンサムでもないし,かなり髪も後退している.でもなんとなく頼りなさそうでいて
一途な目つき,が印象に残ってしまった.この時点では,役者の名前まで
判明せず.知ろうとも思わなかったのだが...
昨年末,偶然見かけたTV映画「F/X:新たなる罠」の紹介写真.題名はトレンディ
なのに,写ってる人物がどうも地味なおじさんでギャップが激しい.この顔で
「主演;ケビン・ドブソン」...?
数分後,「もしかして,クロッカー??」と思いあたり,見てみることに.
...今でも鮮明に覚えているが,このとき「ケビン・ドブソン」として字幕が
でてきたのは,F/Xの天才,真の「主役」の若い兄ちゃんだった.「やっぱり思い
違いかあ...」しかしそれならあの写真のおじさんは,と思ったとたん,やはりいた.
名前は違ってたけど,クロッカーに間違いなかった.前述の兄ちゃんに協力を
依頼する刑事が彼だ.なんで名前を変えたんだ?といろいろ想像していたが,
単に間違えられていただけであった.そりゃそうだ,「主役=主演」だと思うぞ普通.
ここで降ってわいた疑問が.
「なぜ,あのクロッカーが,ドラマの「Starring」なんかになってる訳!?」
言っちゃあなんだが,彼がそんな俳優だとは信じられない.細々と脇役で
暮らしてるとばかり思っていた.
で,この「F/X」がごく最近のTVシリーズであること,日本でもビデオが
4本でることをこれまた偶然知ってしまった時,これも何かの縁,と,
ネットサーチで彼の名前を調べたのが,運のつきだったんだろうな...
Biography
ケビン・ドブソン(Kevin Dobson)
1943年3月18日生まれ,NY 州 Queens 出身.7人きょうだいの4番目.
将来はプロ野球選手か警官になりたい,との夢を持っていたが,高校卒業後,
軍隊に入り,憲兵になる.2年後,ニューヨーク大学に進むことを決意し,
学費を稼ぐために鉄道乗務員になって,ロングアイランド鉄道で働く.しかし,
「大学に行っている」というより「働いている」状態だったらしい.そんな彼に
俳優への道を薦めたのは,ガールフレンド.鉄道をやめた彼は舞台
「The Impossible Years」に出演し,44州98市をツアーで巡ることになる.
1973年,「刑事コジャック」のオーディションを受ける.2エピソードに
出演するが,それでお役ご免に.しかし,ボビィ・クロッカー役でもっと
やらせてほしいと頼み込み,レギュラーの座を勝ち取る.
1982年に,ソープオペラ「Knots Landing」のマック・マッケンジー役で登場し,
13年以上続いたこの番組によって,彼の名は不動のものとなる.
1996年には,テレビシリーズ「F/X : The series」に,レオ・マッカーシー刑事役で
出演.(クレジットはトップ)
日本で見られるK・D
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「ミッドウェイ」(ENS. GEORGE GAY)
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ヘストン,フォンダ,ミラーにミッチャム...そして三船.当時のオールスターが
一同に会する戦争映画に出ていると知り,「どうせ画面の隅をうろちょろする役
なんやろな」と思って見ていたら,それがどっこい,目立ってた.戦艦や航空機の
名前が字幕で入る映画なのだが,こともあろうにこのジョージ君,名前字幕が3度は
出てくるのだ.あんたは戦艦か!? 爆撃隊での唯一の生き残り,という役柄の
おいしさもさることながら,強引な上司に素直に従うボビィ的要素も垣間見られる,
ちょっとびっくりするようなキャスティングだった.見終わってから役名が思い
出せるのって彼だけではなかろうか.(俳優の名前までは出ないと思うが^^;)
ストーリーは,やはり日本人が喜んで見られるものではないのだが...実際の
映像を多く使用しているのも,「ああ,こんな風にみんな死んでいったんだな...」
とやけに感傷的にさせられてしまってつらかった.そんな中で,見事に生き残って
助け出されたジョージに拍手.(ヘストンなんかまったく無駄死にしちゃうしな..)
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どなたか「恋のドラッグストア・ナイト」知りませんか?
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主演はジーン・ハックマンとバーブラ・ストライサンド.しがない中年おじさん
ジーンがコンビニでこれまたしがない主婦バーブラと出会って恋するお話らしい.
で,K・Dはバーブラの亭主,ボビィ役.名前が「ボビィ」とくればきっと
情けない亭主なんだろうな,といやでも期待は高まる.バーブラが姉さん女房なんだ.
でも,ジーン・ハックマンに女房を取られるってのもなあ...よっぽど
情けないんだって.そんな訳で見てみたい一品.
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驚き「Knots Landing」!
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ソープオペラ,ときくと,「奥さん,もう耐えられないんだ!」
「やめて下さい,私には主人が...」なんていう昼メロを思い浮かべるので,
「ええっ,そんなのに10年もでてたんか?」と非常に驚いた.実際のところは,
「夜メロ」らしいが.役柄は主人公クラスの女性の2度目の亭主(初婚)で
敏腕弁護士.先夫との間の3人の大きな子供がいるほか,かつての恋人との間の
「隠し子」が出てきたり,友人の娘を引き取って子煩悩な親父になったり,
なかなか大変.ごく最近作られたミニ・シリーズでは,「mid-life crisis
(中年の危機)」に陥ってノイローゼ気味になったという設定らしい.なんじゃそれは.
これに関してはとても詳しいホームページがあるので(300話以上あるのに逐一
エピソードガイドがついてたりもする)映像が見られない以外は情報が手に入る.
K・D関係で特筆すべきことは他に,
・友人の妻の棺を買いにいき,悲しさを酒でまぎらせた勢いで売り物の棺に入って
客を死ぬほど驚かせる
ってのもあって笑わせてもらった.あと,驚いたのはマックの写真,かな...
最近のものはともかくとして,初期の写真はすごい.髪はふさふさ,アロハ
着てるんだもん.コジャックの「後」だよ? そういえば「TV heartthrob
(女性の憧れ,って訳?)」という文句がついてる紹介もあった.そうなのかK・D!?
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えっ,彼がマイク・ハマー?
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探偵マイク・ハマーといえば「俺が法律だ」と言い放つ,暴力が売り物のタフな
一匹狼.テレビシリーズがあるのは知っていたが,そのパイロット版では彼に
オファーがあったらしい.「そりゃあ思いっきりミスキャストやがな」...
きっと皆もそう思ったから,本編では俳優を替えたんだろう(^^;)K・Dは
確かに警官や探偵役が似合うけれど,だからといって彼がハードボイルドな
タフガイであるという訳では絶対ない.テリー・サバラスには一生なれないのだ.
(コロンボ...ともまた違うんだけど.)
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えっ,彼がトラップ大佐?
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そうなんである.93年に,舞台で「サウンド・オブ・ミュージック」をやって
いたのである.(ただ,ミュージカルかどうかは知らない.)しかも,奥さんと
うまくいってなかったところへ,共演のマリア役の女優さん(Dale Kristian)と
良い仲になっちゃって,今では彼女と暮らしている,というおまけ情報まで判明し,
深い感慨に浸っている.ううむ,K・Dのトラップ大佐か....本家本元の
トラップ大佐(C・プラマー)が今ではクリンゴン人だってやってしまうくらい
だから,別にいいけどね...
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えっ,彼が監督業を?
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そりゃあ「Knots Landing」でいくつか監督したってのは分かる.しかし
SF番組「バビロン5」の監督をしたり,自分だってろくに映画に出ていないのに
(失礼),「アダムス・ファミリー」でのむっつり娘等を使って少女版トムソーヤー
映画を作ったり,そんなことまでやっているとは! 資料によれば,監督の時は
「Kevin James Dobson」と名乗っているので,「こいつ絶対別人やろ!」と
思っていたのだが,どうやら本人らしい.
(注:やはり別人のようである。)
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