村のお地蔵さん

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  • 村の「お地蔵さん」を訪ねてみた。
    こぢんまりした集落なのに意外と「お地蔵さん」が多かったのに驚いた。


    2002年9月23日 よっちゃん  記(写真)

    六地蔵さん
    六地蔵さん

    旧下村公民館跡地の入り口に六地蔵さんがある=写真左=。
    六つの世界の地蔵で、地獄・餓鬼(ガキ)・畜生・修羅(シユラ)・人間・天上だそうです。
    昔は、この前が本街道で、人通りも多かったようですが、今では近くにある畑に行く農道になっている。
    この日は、季節のお花が供えてあった。


    村はずれの平坦な道をすすむと、耕地が途切れてヒノキにおおわれた林道に入り、すぐに銅板の屋根が目につく =写真右=。堺谷のお地蔵さんは、日を限ってお願いすると、かなえてくれる「日限地蔵さん」 として信仰されるようになったそうです。
    その昔、西舞鶴の「長谷地蔵」の分身を頂いて帰り、祭ったのがはじまりだそうです。

    堺谷の日限地蔵さん
    堺谷の日限(ひぎり)地蔵さん

    本家、長谷の日限地蔵さん
    長谷の日限(ひぎり)地蔵さん

    分身を持ち帰ったとされる「長谷地蔵」は、由良川を渡って、由良ヶ岳の中腹にある。
    別名「日限地蔵」ともいわれて、願かけ地蔵で、日を限って願い事をすれば、叶えられるといわれている。
    集落から、2キロほど渓谷沿いにゆるやかな参道が続いている。この日は、椿の花が咲いていた。
    何組かのお参りのグループとすれちがった。前の人がお供えした線香の煙が漂っている。 線香は途絶えることはないようだ。
    参道に沿って、清らかな水が流れている。願いごとに訪れることで気持ちも和らぎ、にこやかな挨拶が 飛び交う。
    ここは「長谷日限(ながたにひぎり)地蔵」の里でした。


    見内集落に通じる市道で、田和峠の頂上にお地蔵さんがある。 =写真右=。
    いつも季節の花でいっぱいです。この日は花笠菊がゆれていた。

    田和峠のお地蔵さん
    田和峠の地蔵さん

    殿坂のお地蔵さん
    殿坂のお地蔵さん



    殿坂橋を渡り、急な坂道を上る途中にお地蔵さんがある=写真左=。
    先輩に聞くと、土を掘った石組みの中に、いつも花やお菓子などが供えてあったそうです。
    この急な坂道は、段の集落に通じるメインストリートでしたが、車が通う道ができてからは、人通りも少なくなり お地蔵さんだけが残っていた。


    段の集落に入り、三叉路が交わるこの辺にお地蔵さんがあったはずと思い、茂った草木をかき分け ると、それらしき石の物体が見つかった。田の字形の木枠があって、 平たい石がのっていたが、崩れている=写真右=。
    段々畑や田んぼが広がっていたこの辺りには民家も多くあり、夕方には、ここの石灯ろうに灯がともって いたそうです。石垣が残る屋敷跡には雑木や竹林が広がっている。
    この細い道をさらに上に行くと、谷の水を引いた水田の跡が連なっている。 ここらはソラという地番が残っている。空の果てまで、耕していった先祖の意気込みはスゴイと思った。

    段のお地蔵さんの石灯ろう?
    段のお地蔵さんの石灯ろう?

    段集落は急傾斜地
    最後の1戸は1988年に家を残して新築移転されています。

    以前は15戸もあったそうですが、おなじ地区内へ
    移転や新築されたり(8戸)、都会へ(7戸)移られました。
    段集落は無人になりました。

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