2日目
アイスマン発見記念碑と
マルツェルカムのショートウォーク

(Eismann Fundstelle & Short Walk of Marzellkamm)



 コース;

@Similaunhutte -(1h30min)アイスマン発見記念碑 -(1h20min)Similaunhutte  [小計 2h50min]
ASimilaunhyutte-(50min)氷河下 -(1h)Martin Busch Hutte  [小計 1h50min]
BMartin Busch Hutte -(30min)Signpost-(15min) Marzellkamm Look Out -(30)Martin Busch Hutte  [小計 1h15min]

[合計時間; 5h55min  標高差; 登り約350m 下り約850m  最高標高;3210m]
 

  

@シミラウンヒュッテからアイスマン発見記念碑往復


左の写真ははアイスマン発見の記念碑を示す絵葉書の航空写真です。位置関係が分かりやすいので使わせてもらいました。
下の赤丸がシミラウンヒュッテで、中央の赤丸がアイスマンの発見された記念碑(モニュメント)が立っている場所です。

ルートはシミラウンヒュッテから尾根筋に作られていて、岩と残雪の上をマークを頼りに進みます。ルート全般を通して慎重に足を運ぶ必用があります。残雪の多い時や悪天候時は避けた方が良いでしょう。

尾根の左側(南側)がイタリアで、右側(北側)はオーストリアです。
アイスマンはイタリア側の左の谷から登ってきて矢を射られて死亡し氷河に覆われたと考えられています。5300年も前のことです。

この写真は何時撮られたものか分かりませんが、私達が行った時には、記念碑の周りには殆ど雪や氷河は有りませんでした。
インターネット情報
    Trail to the Site of Discovery of Otzi the Iceman at Tisenjoch Saddle(英)


シミラウンヒュッテ


持って行く必要のない荷物をシミラウンヒュッテに置いて、ヒュッテの背後(西側)の急な岩だらけのルートをマークを頼りに登ります。

暫く登って振り返ると氷河の片隅に隠れるように小さくシミラウンヒュッテが真下に見えます。

 クロイツシュピッツのピークと谷


岩を縫うように進むと、尾根の右側に出て、昨日登って来た谷が見渡せ、明日登るクロイツシュピッツェのピークが綺麗に見えます。


クサリ場の1つ
(急いで撮ったので写りが悪い)


雪と岩の間を上り下りし、雪渓の上部をトラバースしたりしながら進みます。この間にロープやクサリの場所が3箇所ほどありますが、ストンと切れ落ちた所が無いので、恐怖感は感じません。しかし、この岩場と雪の所ではカメラを取り出す余裕はあまりありませんでした。

私達の前に2人の男のパーティーが行き、離れて後から20人ほどの団体が連なってやってきました。この団体には数人のガイドが付いていました。

ようやく少し平らな場所に着くと、記念碑が見えてきます。ここからは、なだらかなままで記念碑も広い峠といった感じの所に建っています。実際ハウスラブ峠(Hauslab Pass)と呼ぶそうです。標高は3210mあります。

記念碑から東を見る、
後の山はシミラウン峰(3599m)
拡大→ 記念碑から西を見る、山はフィナイルスピッツェ(3514m)
遠くから見ると、発見場所はこんな雰囲気です
団体さんが記念碑の周りを取り囲んでいます
拡大→ 左の写真の発見場所を拡大

アイスマンが発見されたこと自体が氷河の後退を意味していますが、発見されてから僅か15年、どう見てもここに氷河があったようには見えません。発見後も急激に氷河が後退していったようです。

記念碑近くから見るイタリア側の谷


記念碑からアイスマンが登って来たというイタリア側の谷が見えます。谷を真っ直ぐ登ってくれば、この位置にたどり着く地形になっています。
左の写真ではなだらかな谷に見えますが、写真に写っていない右側の部分は岩だらけの急斜面です。
5300年前はどんな地形だったのか想像できませんが、簡単に登ってこられる場所ではなかったように思います。

記念碑の裏側に記帳用のノートがあり、名前だけ書いてきました。
4日ほど前に、インスブルックの日本人のガイドと日本人のパーティーもサインをしていました。



シミラウン峰を正面にして同じルートを戻る


二人連れの男性は記念碑を通り過ぎ直接マルチン・ブッシュ・ヒュッテに抜けるルートに向かいました。
私達はシミラウンヒュッテに戻ります。団体の人も一足遅れて戻ってきました。帰りはシミラウン峰を眺めながら同じルートを歩きます。帰りは一度歩いたルートのせいか、登ったときよりも気分的に大分楽な歩きに感じました。




Aシミラウンヒュッテからマルチン・ブッシュ・ヒュッテに下りる


シミラウンヒュッテに戻り、置いてあった荷物をザックに入れ、シミラウンヒュッテを後にした。

帰りは橙色の所を下りた


昨日登って来た氷河の右端の上を過ぎると、トレイルは大きな石の間を通りながら一旦登りになります。氷河の左端のザラ土を見ると、踏み跡が少しあり、ここを下りれば登り返さなくても良いのでオフトレイルを下りることにした。
すんなりとはいかなかったが、危なげなく氷河の下に下りられた。氷河の下の川原の近くまで来ると、はっきりとしたトレイルになり、これを進むと正規のトレイルと合流した。

その時のコンデションでオフトレイル状況が変わると思います。短時間で下りられたようにも思えないので、このルートはお勧めできません。やはり正規のトレイルを下りるべきでした。



Bマルチン・ブッシュ・ヒュッテからマルツェルカム・ルックアウト往復

マルチン・ブッシュ・ヒュッテに着いたのが早い時間だったので、近くを少し歩いてみることにした。
マルチン・ブッシュヒュッテはシミラウン峰から張り出してきたマルツェルカム(Marzellkamm)という尾根の末端に位置している。この尾根の取り付を少し登ると尾根の裏側のマルツェル氷河(Marzellferer)を見ることができる。

マルツェルカム展望地からのマルツェル氷河
正面はシミラウン峰


ヒュッテから谷川沿いに少し行き、左に向きを変え橋を渡ってマルツェルカムの尾根の末端に取り付き、巻くように登っていく。ニーデルタールの谷が左手に見え昨日歩いてきたトレイルが延々と伸びている。背後には明日登るクロイツシュピッツのピークが綺麗に見える。

半時間ほど行くと尾根の先端の巻き道は終わり、前に氷河が見え出す。左手真下は峡谷になっている。標識があり、左に行くと氷河に下りられるとあるので、少し行ってみたが、急勾配の道をかなり下りなければならないようなので、引き返した。

もとの道に戻ると直ぐにジグザグの道になり少し登ると、左手に踏み跡が見えた。氷河の展望が利きそなので草地を進むと崖上の岩地に出た。氷河が見えた。氷河の上にシミラウン峰も見える。
先客が2人いて、氷河を眺めていた。

ここは標高2650m程度だと思うが、ここからは氷河の左上部は残念ながら見えない。地図にあるポイント・2800m地点まで行けばもっと見えるのだろうが、更に歩く気力はなく、下山した。



 マルチン・ブッシュ・ヒュッテ
インターネット情報; Martin-Busch Hutte(英)
石造りのしっかりしたヒュッテ。
山岳会員以外の宿泊費はベッドで1人21ユーロ、ドーミトリーで15ユーロ。(予約はベッドを頼んだはずが、ドーミトリーだった。予約メールの控えを持ってくるのを忘れたのが失敗)。
食事は2食で21ユーロ、泊まりも食事もシミラウンヒュッテよりはやや高い。標高が低いほうが高いのはなぜだろうか。

チェックインをするとパスポートというので見せると、預かると言う。山小屋では始めてのことなのでちょっとビックリ。あまり気持ちの良いもではない。飲み物などはその場で支払うので、パスポートを渡すよりは宿泊と食事代の先払いの方がましのように思える。
夕食は、麦のスープ、タンシチューとダンプリング、サラダにヨーグルトで美味しく食べられた。
朝食は、お盆に載せて茶色のスライスパンとハムと硬いチーズにコーヒーか紅茶。ちょっと喉に入らない。昨日一緒にビールを飲んだドイツ人(夫妻?)が後からテーブルに来てシリアルを食べている。聞けば、シリアルはスモールで、パンはラージだそうだ。残念、知ったのが遅過ぎた。

このヒュッテも満室だった。シーズン中は必ず予約をする必要があるようです。




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